第3話 俺以外誰も覚えてないけど、教室に魔法陣が浮かび上がるのは二度目だったりする

 SHRショートホームルーム。六限直後であり放課後直前の、担任による連絡の時間。そして学校の終わりが近いことで生徒の気が緩む時間でもある。

 いつも通り特に連絡事項はなしと言いきり、担任はさっさと教室を出て行った。弛緩した空気が教室中に蔓延し、生徒たちは次々に己の荷物を手に教室を出て行こうとする。ここで教室に残ろうとする者が居ないのは理由わけがあり、現在俺たちが通っているこの学校が部活動入部率百パーセントを生徒に強いているのだ。さらに何かしらのチートになる異世界に召喚される前は部活ダルい勢だった者も、帰還後はチートで部活内の人気者に成れているので、似たような凄まじい能力を持っているやつが多すぎるクラスの中よりもチヤホヤしてくれる部活動にみんな行きたがるのだ。

 もちろんそれは俺も同じだ。殺し殺され殺戮狂となったクラスメイトの近くになんぞ一秒たりとも居たくない。俗に言う、「こんな所にいられるか!俺は部室に戻らせてもらう!」というやつだ。そんなわけで早くこの教室から出たいのだが……。

 教室のドアでパントマイムを披露していたインテリ軍団を押し退けたフィジカルモンスターたちが順にドアに手を掛け、しかし一向に開かない様子のドアに苛立っている。

 そして教室の中心に魔法陣が浮かび上がり、それがピカッと光るのを見た瞬間にチートを発動させた。

 ……そういえば初異世界の時も『虫の知らせ』とか第六感による嫌な予感とかしなかったですよね、今思い出した。いや、それは別に良いんだけど、取り敢えずこれから30分の内に今見た魔法陣を書き写しておきたい。




【主人公】

 なんで完全記憶チートを発動させたのか、というかなぜ瞬発的にチーチを発動できたのか。その謎を追求すべく、調査隊はアマゾンの奥地へ向かった……。

 バカ。


【作者】

 すぐにエタる。バカ。

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