迷子の魔法使い エピローグ
メイド長室。
「それで? あなたなりの答えは出せたの?」
メイド長はミクリに向かって問いかけます。
「私はこれからもお嬢様の近くにいたいです。おこがましいのは分かっています。でもこの先どんな相手が来ても必ず私がお嬢様を守って見せます。だから……これからもお嬢様の近くにいさせて下さい!」
ミクリは頭を下げます。
「分かりました。ではこの件はこれでお開きですね。だってこれは、あなたが勝手に騒いでいただけの事なのですから……」
「じゃあ」
「勿論、現状維持。あなたは今まで通りカレンお嬢様の側近です」
「め、メイド長~!!」
「こら、抱き着くな! 私はお前の上司だぞ!」
するとこの時、ミクリはふと思い浮かんだ疑問を投げかけました。
「ところで、もし私がお嬢様の側近を辞めるって言ったらどうしてたんですか?」
「うーん、そうですね……。あなたに魔法をかけちゃいます。お嬢様に対してYESしか言えなくなる絶対服従のキツーイやつを……。だって私は、お嬢様の意見が絶対ですから」
「あははは……」
ミクリは苦笑しました。
◇ ◇ ◇
ミクリが廊下に出ると……。
「あぁあぁあぁあああああ!!」
こちらに気付いたアズサが指を差してきました。
「え!? なになに? どうしたのアズサ?」
「ミクリ―! 殺ーす! チェスト―!!」
そう叫ぶや否やいきなり突き出されるモップ。
「うわ! あぶね! ちょ、何アズサ!?」
それを間一髪で避けて、ミクリはとりあえず逃げます。
「こらー! 寝げるなー! あんたがいなかったせいで、本当に大変だったんからー!! 大人しく私に殺されろー!!」
「うわあああ! 私はただ有給を貰っただけだったのにー! こじゃあ、おちおち休むことも出来ないじゃないかー!!」
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