第24話
(※カールトン視点)
おかしい……、何度やっても勝てない。
私に屈辱を与えた、この俳優気取りの若造にだけは、絶対に負けたくなかった。
しかし、結果は私の望むものではなかった。
私には、実力や才能があったのではなかったのか?
本当に彼に言う通り、私が今まで勝てていたのは、ビギナーズラックのおかげだとでもいうのか?
実際の私は、実力が伴っていない初心者だとでもいうのか?
そんなバカな……。
何度やっても、勝てない。
負けた分を取り返そうと、無茶な勝負を何度も繰り返し、あっさりと負けてしまう。
それを何度も繰り返した。
認めたくはないが、今の私は完全にカモだ。
こんなはずではなかったのに……。
神は私を、見捨てたのか?
いや、そんなはずはない。
今はたまたま、私ではなく彼にツキが回っているだけだ。
根気強く勝負を続けていれば、そのうち私が勝てるはずだ。
絶対に負けたくない。
こんな俳優気取りの若造に、この私が負けるなど、あるはずがない。
私は難病に苦しむ人々を救ってきた英雄だぞ。
それがこんな、軽薄そうなやつに負けるなんて、あるはずがない。
次こそは、私が勝つ。
何度もそうやって意気込んだ。
しかし、一回も奴に勝つことはできなかった。
高い授業料だった、という言葉で済ませられるほど、私に余裕はなかった。
借金まで背負ってしまった。
私はこれから、どうすればいいんだ?
返済期間内に返せる額ではない。
そして、返さなければどうなるか、ということくらい、私にだってわかる。
どん底から這い上がって、楽しい毎日を送っていたのに、またどん底に逆戻りだ。
私はいったい、どうすれば……。
しかし、私の頭には、ある考えが浮かんだ。
そうだ……、あの人に頼めば、何とかなるかもしれない。
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