終わり
「ダメ!!」
僕は身を投げようとした彼女に叫びました。
彼女はまだこっちに来てはいけないから。
僕の透明な声は強い風になりました。
彼女は僕の名前を呼びました。
目の前にいる僕に気づいたのだろうか、
そんな気がしました。
彼女は後ろの柵を握って泣いていました。
それを見て僕も泣きました。
僕の涙は彼女の右手に染み込みました。
彼女がゆっくり安全な地面に戻った時、僕は。
空へ引っ張られる感覚がしました。
僕はどんどん空へ昇っていきました。
どうやら、その時が近いようでした。
小さくなっていく彼女に向かって僕は。
「生きて」
彼女は僕の方へ顔を向けました。
そこには泣き腫らした笑顔が在りました。
生きて。 海鼠さてらいと。 @namako3824
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます