一緒に

彼の居ない人生に意味なんてない。

私は彼の元へいくことにしました。

大好きな彼のいる場所に。

私は駅前のショッピングモールへ行くと

屋上まで上がりました。

ここは彼と初めてあった場所。

初対面の場所にはあまり似合わないけど

私にとっては特別な場所。

私は柵を乗り越えて深呼吸しました。

「いま行くからね」

死ぬのは怖いですが、それよりも

彼の居ない人生を生き続ける方が怖い。

私は柵に繋がった命綱の左手を離しました。

そのまま前傾姿勢を取るように落下·····。

「·····え?」

その時強い向かい風が吹いて、

私の体を柵へ押し付けました。

その風に彼の声と匂いを感じました。

「近くにいるの?」

私は叫びました。

彼の声がはっきりと聞こえました。

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