第22話 好きなの?

 「どんな人が好みなんですか?」


 どのような世代でも年でもこの言葉を口にすることが多い、同性同士の気軽で興味本位な質問になったり異性の緊張感漂った質問にもなる。特に異性だ男女関係なく聞かれたら多少なりとも意識してしまう。


 「どんなって言われてもわからない。」


 「どうしてですか?」


 「そりゃ年上とか年下とか髪型とかって人それぞれだし、それに好みが違っても告白されたり、自分のこと意識してるって知るとこっちも意識しちゃうからな」


 「それって誰でもいいってことですか?」


 「それとは違うんだよな~なんかこう嬉しさからくる何かみたいな?」


 「なんですかそれ 優柔不断なんですね」


 そうやって由姫はくすくすとおしとやかに笑っている。


 こんなに顔立ちもよく女の子らしい子が彼氏がいないなんてこの世はどうなっているんだろうか。


「由姫は好みのタイプとかあるのか?」


「はい、ありますよ」


 即答だった。何てまっすぐなんだ!


「で、でも由姫くらいだとそのタイプの人に告白でもしたら付き合えるんじゃないか?」


「そうかもしれませんね」


 またさっきと同じ不敵な笑みを浮かべている。


「でも、私は気が付いてほしいんです。私から言ってしまうとその人は困ってしまうかもしれないですから」


「そいつ結構損してんな、由姫と付き合えたらしあわせかもしれないのにな」


「そうですね。相当のバカですね」


「おいおい、俺はそこまで言ってないんだが...」


こうやって話しているのって珍しいんだよな。俺たちは幼馴染ではあったが話すのは由真ばかりで由真が俺たちの間に入って話をしている。それがこんなに普通に話すようになるなんてな。



「ね~ね~二人でな~にはなしてんの」


「世間話だよ」


「え!恋バナしてんの!」


「聞いてたんならいちいち聞いてくんなよ」


「も~女がいなくなったからってすぐ他の女に手をだすなんて、隅に置けないな~」


「へ!変なこと言うなよ!」


「へ~優先輩ってそういう人だったんですね。」


 笑顔なのに闇を抱えてる!俺刺されないよね?大丈夫日本は安全だから!


「先輩今日お昼一緒にどうですか?」


笑顔が笑ってない!怖い怖い怖い


「い、いや~俺友達と~」


「もー強引な後輩ね!優も死にたくないって言ってるじゃん。」


 俺そんなこといったっけ?いってないよ?


「そうですね、また今度にしましょう。楽しみにしてます。ではまた会いましょう。」


 俺殺されるの?否定してよ友里さん 


「やっと行ったわね、じゃ~一緒にご飯食べようね」


「?」


「まさか命の恩人の誘いを断るの!」





「やっと午前の授業終わった~」


「そうだな」


「で、結局誰が好きなの?」






???ご飯は???



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