第16話 真意の行方
言ってしまった。でもでも恋人なら言っても不自然ではない。でも恥ずかしかった。今までの彼氏にもこんなにも素直に言ったことない。素直?
通話終了後自分の世界へと入る。
今素直って心から思っていた。そんなはずではないのに、なのに、なのに、
私は何がしたいの?わかっている。復讐って事ではないことを、こんな事しても復讐になるわけがない。 ただ許さなかっただけ、私はなんて惨めで弱い人間なんだ。こんな事で気を済ませようとしている。誰の得にもならない。そして優に失礼だ。申し訳がない。相手は真剣なのに私だけ人を弄ぶかのように、
「もう、いいのかな」
「復讐の為の人生じゃなくて、心から人を好きになりたい。」
不純な目的で近づいて彼氏にして...私だけ幸せになって、由姫ちゃんどう思うのだろう...
私はもう誰にも顔向けできなくなっていく、私は子供だったのだ。誰のせいでもないことを誰かのせいにして落ち着かせて、そして関係のない人を巻き込んで、
「好き...」
震え声にならない声で言う。そして涙が溢れてくる。
「ごめん。ごめんなさい。お願いだから、私が全て悪かったから、優だけは優だけは...」
そして目を開く、暗い部屋 時刻は5時だ。
あのまま寝てしまったのだろう。昨日は罪悪感が抑えきれなかった。
「私はどうしたらいいんだろう。」
そう言うが答えはもう決まっている。
これからどうするかなんて
「おはよう。友里」
「おはよう。優」
「ね、ねぇ昨日の感想は?」
「感想?」
友里が照れ恥ずかしそうに言う。
「どうだったの?嬉しかった?」
「俺も友里の事大好きだ」
「んぇ?」
「な、なんだよそんなに驚くことかよ」
「い、いえ、そうじゃないです。」
「一緒だな笑 あと敬語に戻ってるな」
「ち、違うの〜そうじゃないっていうか、同じって?」
「も〜まともに考えれないじゃない!」
こんなにも照れている友里は初めて見るな。このまま何もなく普通に過ごせたらな...
「聞いてるの?」
「え、あ、なんだっけ?」
「も〜しっかりしてよ!ほら、」
そう言って友里は手を差し出してくる。俺はその手を優しくとる。
もう付き合って月日も経っているのに何故か付き合いたてのカップルのようになっている。
「な、なんでそんな恥ずかしかってるんだよ。もうそんなんじゃないだろ」
「そ、そういう優だって...」
「あと、デート楽しみにしてる」
「そうだな、俺も楽しみだ。思い出これからも作っていこうな。」
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