第15話 真意を知りたい 序章
俺は友里の真意をはやく知らなければならない。それによって関わり方だったり、対策を考えなければいけない。
しかし、今の俺には今しか考えれなかった。この決断が最悪の決断と知るには遅すぎた。全てが原点になれば、この今の幸せも無いかもしれないがこんなにも悩むことも無かったであろう。
俺は決めた。友里がどっちの感情なのか確かめる。そして半端な俺は正さなきゃいけない。俺の性格は悪いのは知ってるが、誰かを悲しませるようなことはしたくない。
そう考え、俺は友里にメールを送る。
「なんか最近2人からになる機会少ないってのもあるけど、今度一緒に遊ばないか?」
なぜ俺は理由付けをしてから誘うのだろうか。普通に言えばよかったのに、なんかいろんなことを考えてしまう。
「いいよ!久しぶりで楽しみ!」
「場所とか決めてある?」
「すまん、まだそこまでは考えてなかった」
「じゃーさ!行きたいところがあるの」
「どこなんだ?」
「海行きたい。」
「海か、いいなじゃー行こうな。あといつにする?」
「来週から夏休みだから月曜日とかどう?」
「わかった。じゃー近くなったらまた連絡する」
「ね、ねぇ...通話しない?」
「なんか大事な事とかあるのか?」
「いいやないよ。でも声が聞きたくて」
「わかった。」
そう言って息を整えてから通話ボタンを押す。緊張することでもないがなんか言葉にしようがない緊張感が生まれる。
「もしもし、聞こえる?優」
「あぁ聞こえてるよ。久しぶりだな通話なんて」
「そうだね。でもなんか安心する。」
「どうしたんだよ友里らしくないな」
「なんかね自然と通話すると緊張しないんだけど、したいって言ってからする通話って緊張しちゃってね」
「俺も緊張してたな。急に声聞きたいなんて言い出すんだからな笑」
「茶化さないでよ!私だって言うの恥ずかしかったんだから!」
「ごめんごめん笑それにしてもいつも強がってる友里がな〜って」
「私だってたまには2人で話したいのよ」
「でもいざ話そって言っても話題がないわね」
「そうだな、でもよかった。」
「何がよ。話題がないのがいいの?」
「友里が話したいって言ってくれて。」
「な、なによ!なんなの!そう言う事言わないでよ。」
「友里といてもこういう風に話す事なかったから本当は気がないのかって心配になってたんだ。」
「それはごめん。優がそう思ってるって知らずにでもそう言ってもらえて良かったな」
「そうやってすれ違うカップルって結構多いし、そんなふうに別れたくないし。」
「そうだな、わかってあげることも優しさかも知れないけど、言葉にしないとわからないことも多いからな。」
「ねぇ、もし良かったらだけど...用事がない時でいいんだよ。またこういうふうに話がしたい」
「あぁ、そうしよう。俺も話していたい」
「うん。じゃーまた明日ね!」
「また明日な」
そして電話を切ろうとした時だった。
「優!大好き!」
その言葉を聞くと同時に通話が切れる。
複雑だった。この言葉が真実の言葉なのか、それとも心にもない言葉なのか。
またこの言葉が真実の言葉なのだとしたら俺はどう答えたらいいのだろう。
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