第11話 空白な関係?
まず謝るか。
「今日話があるから放課後会える?」
「はい」
少し冷たげな返事、喧嘩してるならこんなもんか。今回俺がするのは仲直りだ。前までの俺なら少しためらいつつもいつかはしなければならないと思っていた。でも今は積極的に出来る。
なぜなら復讐をすると決めたからだ俺を利用するなら逆に離せなくなるくらいにして振るんだ。
そして放課後になったここから俺の青春(復讐)が始まる
「この前は俺もちょっとカッとなってた事もあってあんなこと言ってしまった。1週間以上連絡を取らなくなったけど毎日友里の事が頭から離れなかった。だから・・・・また仲良くしてくれないか?」
友里は驚いた顔になり少し顔を赤く染めながら言うのだ
「私のほうこそごめんなさい。彼女として過去の人たちと比べたりするなんて最低だった。私も前みたいに優先輩と話したい」
これは友里の本心なのかわからない。演技なのか?それを狙ってできるなら凄いと思う。
「先輩!久しぶりに今日一緒に帰りませんか?」
「そうだな。俺も沢山話したい」
最初は上手く行ったって言ってもこれからどうすれば良いのか分からない。しばらくは前のように振る舞うことにしよう、そして確かめたい事もある。
「なぁ、どうして友里は俺と付き合いたいって思ったんだ?」
「なんですか〜先輩付き合ったな最初の質問なんかしたりして、まさか自分付き合ってるっていう悦に浸りたいんですか?」
「い、いやそうじゃない!まだな実感ってものができないんだ。友里みたいな人が自分を好きになるってことが」
「先輩はどうしてそんな鈍感主人公みたいなこと言うんですか。先輩は誰が見ても魅力的な人ですよ。自信を持ってください!」
「そ、そうなのか」
「あと!自分で自分を卑下するのは個人の自由です。しかし先輩は違います。」
「どういう事なんだ?」
「もし先輩が自分を生きる価値がない人間だっていうもんなら、私はその生きる価値がない人のことを好きになったことになるじゃないですか?それってつまり先輩だけの問題じゃなくなるんですよ」
「ごめん。控えることにするよ」
「謝らないでくださいよなんか怒ってる人みたいじゃないですか。もっと笑ってくださいよ!その方が楽しくなります。」
「凄いな友里は励ましもできるし、どっちが先輩がわからないな」
「もっと褒めていいんですよ!自慢の彼女って言っても」
なんだろうやっぱり嘘に聞こえない。純粋な言葉に聞こえてしまう。
「前にもこんな会話しませんでした?まーいいですけど」
「そうかもな。確かめたいっていうかやっぱり悦に浸りたかったのかな笑」
「友里、友里は言ってくれてたけど、俺は言ってなかったな遅れてごめん」
「ん?なんのことですか?」
「友里好きだ。」
そう俺は友里を見つめて真剣な顔になっていった。
そしたら友里はハッとしたような顔をした。
「・・・・」
「先輩!先輩!」
「なんだよそんな呼ばなくてもわかるよ」
そしてもう一度友里を見ると友里は顔を赤くしながら泣きながら笑っていた。どうしたんだ!?
「嬉しい。嬉しいです。当たり前かも知れませんがなんか嬉しいんです。私も大好きです。」
俺は目を逸らしてしまった。目を合わせることができない。もし今目を合わせてしまったら戻れなくなってしまうと感じた。
やっぱりわからない。真実を知りたい。いや知らない方が幸せなのかも知れない。あれは悪い夢か聞き違いだったのかって思ってしまうほど友里の言葉に曇りはなく純粋だった。夕日で世界を紅く染めるかのように晴れて純粋だった。
「ごめんなさいね。なんかいきなり泣いてしまって、なんか初めてな気がしてちょっとね」
「どういうことなんだ?友里は過去に付き合っていたから初めてってないだろ」
「いいえ、分かりますよ優先輩は以前の元カレとは違います。私のonly oneです!」
その言葉を聞いた時俺は自分がわからなくなっていった。あの「好き」っていう単語は復讐からのなのか本心からなのか。
そして別れ際になった。俺たちはいつも通り「また明日」という言葉を交わし。別の道を進んだ
・・・・と思っていた。
気がついたらもうすぐ後ろに来ていた。走ってきたのはわかっていた。そして俺は振り向く
その瞬間だった唇に柔らかい感触、そして人肌とわかる温度。そして目と鼻の先には友里いた。
「先輩!未練が残る魔法かけましたから!」
そう言って顔を紅くして走り去ってしまった。
心の整理が追いつかない。これは本気なのか!?復習の道具かも知れない人にキスをする心理がわからない。
そして追い討ちをかけるかのように返信が来る
「先輩のファーストキス貰いました!そして私のファーストキス先輩にあげます!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます