第10話 不確かな感情
由姫からのあの一言俺はどうして友里と付き合ったんだろうか。考えてしまう。いや考えることではないのだろう好きだから付き合ったのだろう
けどあの時の本当に好きという気持ちがあったかが思い出せない。
いや、今考えることじゃないいずれ過ごしていけば答えが出てくるはずだ。
「どうして、どうしてどうしていつもいつもあの子が出てくるの」
確かにわかる友里の声だ。俺はとっさに身を隠した。
おかしい普通は隠れる事でもないのに体が自然と隠れるべきと言っている様に動く。
何か起こっているのか?まだやっぱり自分のことを怒っているのだろう。
でもあの子って誰だ?友里は俺のことをそうやって表現しないはずだ。じゃー誰なんだ?
「私がせっかく積み上げてきたものをいつもいつも奪っていく。」
なんのことなんだ?積み上げてきたもの?とは奪っていくとか。
「でもまだ私が今回リードしている。半年以上かけて、やっとやっと掴んだ弱点なんだから、あとは頃合いを見て振るだけなんだから」
なにを、いっているんだ。理解が追いつかない!半年以上?頃合いをみて振るってなんだよ。
他に振るような相手がいるのか?いや、この場合1番の可能性は俺のことだ。一体何故?友里は俺のこと...
「俺は復讐の道具だったのか」
俺は今どんな顔をしているのだろうか。何をしたいのか。そしてこれからどうするのか。
「手が震えている」
あぁ、俺は怖いんだ。手に入れたものを失うのは。でもなぜだろう次に進める気がする。
この胸騒ぎはそういうことだったのか。本当の意味であの日の俺の気持ちがわからなかったこと。
「俺は本当に友里が好きだったのかな」
わからない。わかったようになるようになるのにわからない。
好きかどうかもわからないのに何故かショックを受ける。
「今日は誰とも話せないな」
そう1人で言って俺はその日学校を早退した。
友達から連絡が来る。大体は心配するメールだった。
しかしあの姉妹だけは違う返事が来る。
「まさか振られて立ち直れな〜いって帰ったの?笑」
「友里ちゃんとなんかあったんですか?昨日話した翌日の事ですし。」
姉は察しはいいが冷やかしだな。妹にはわかるのかな
その後は皆に返信してあった。一人に違うメールをした。
「友里の中学時代を教えてくれないか?」
「優さんやっぱり何かあったんですね」
「何かあったわけじゃないけど、知らなきゃいけないんだ。」
「どういう状況か聞いたらダメですか?」
「今は言えないかもな。ごめん」
「いえ、あまり2人に干渉しすぎるのは良くない事なので謝らないでください」
「それより優さんは友里ちゃんのどういう事が聞きたいのですか?」
「聞ける範囲でいいんだ。友里の人間関係が知りたいんだ」
「ん?何か尖ったことではなく、広く浅くってことですか?」
「そうだ。その中で気になったことを聞いていきたい。俺は友里の事を知らなすぎでな」
「友達もそこそこいるし先生とかとも結構仲良かったですよ。あと優さんに言う事でもないかもですけど、結構モテるんですよね。でも2回付き合っていたって事は知ってるわ」
「なぁ、その付き合ってたって人の特徴とか性格とか知ってるか?」
「んーあんまり友達の元カレだし悪い事は言いたくはないですけど」
「結構活発的な人で優さんとは結構かけ離れた人ですね。言っていいのかわかりませんが優さんのことが好きだと聞いた時ちょっとだけ違和感を感じました。」
「そう、なんだ。イレギュラーな事もあるんだな」
「別れ方って聞いたことあるか?」
「・・・」
「どうしたんだ」
「きっと私かも知れないです。」
「それはどういうことなんだ!?」
「友里ちゃんが別れる時2人とも私に告白してくるんです。」
「わかった。そういう事なんだな」
「??」
「いやこっちの話だ。でも由姫のせいではないと思うよ。自分を責めすぎないでな」
「優さんこそ今人の心配する時じゃないと思いますけど」
「そうだな笑」
「優さんが私を悪くないというなら、私も優さんは悪くないと思います。」
「おかしな奴だな笑」
「優さんも大概です笑」
「今日はありがとな」
「いえいえ、いつでも相談乗りますよ。」
「また頼るかもな。じゃーな」
そう言ってメールは終わった。
さて、俺はどうすれば良いのかと考えるが実際は答えが出ている。俺は人から優しいって言われた事は多々あったけど優しくはない。
「復讐するしかない。面白くなってきた」
自分をよく思ってくれる人には好意的に接するが敵となったら徹底的にやる。それが俺なんだ。
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