第8話 混ぜるな危険
「え〜本当にわかってるの〜?」
「わかってます。いえ、あなたよりはわからないかも知れませんがこれから知っていきます!」
「知らないで付き合ったの〜?」
顔をムッとしながら由真をみる友里
「知らないのは多いですが、優しいところとか人思いのところとは知ってます!」
「友里そんな向きになるな」
「お姉ちゃん大人がないからやめてよ」
今の言葉裏を返せば友里が下となる発言だが火に油を注ぐのはやめておこう。
こうなった経緯は帰りの下校時だった。俺は友里と帰り、由姫と由真は2人で帰り、一緒に高田姉妹とは一緒に帰る予定はなかったが、
由真が「一緒に帰ろうよ!優と一緒に帰るってことは少しは帰り道同じなんでしょ?」と言ったのがきっかけだった。
由真のニヤッとした表情を見た時断ろうとしたら友里が「いいですよ!一緒に帰りましょう」と言い出してしまった。
それからだ。由真が積極的に友里に話しかける。
それだから俺は由姫と普通に話していた。
由姫&優side
「由真ってちょっと変だよな家族の由姫に言うのはおかしい話だが」
「大丈夫ですよ。しっかりと変です。どうしてああなってしまったのか」
「今のはフォローしろよ妹だろ笑」
クスッと由姫が笑って言う
「本当のことですもん。でもこれでもしっかりと友達もいるし、なんだかんだでうまくいってるから不思議ですね笑」
「なんか由真を見てるとあれが普通なんだって麻痺してくるよ」
「何をいってるんですか?笑」
「いや、由姫ってしっかり女の子してるなってな」
「しっかり女の子っていう言葉や意味は理解できませんが褒め言葉として捉えておきます。」
「なー由姫って告白とかされないのか?」
「え、え?!」
「お、驚きすぎだろ」
「いえ、唐突でしたので」
「わり〜な、なんかこんなしっかりしてたら結構モテたりしないのかな〜って」
「されたことはありますが断りました。」
「聞いていいのか分からないがどうして断ったんだ?」
「単純な話ですよ。好きでもないからです。そして私はわからないんです。好きになるってどうなのか」
「好きがわからない?そりゃ難しい悩みだな」
「ねぇ、どうなの?好きって?」
「俺に聞かれてもない。前とそんな変わらないからな」
「そんなものなのかな」
「じゃーさ人じゃなくても空間とかでもいいんじゃないか?」
「空間ですか?」
「うーん例えばこの時間が心地いいとか、ずっとこの時間が続けばいいのにとかない?」
「ちょっと帰ったら考えてみる」
「良い答えが見つかると良いな」
「うん!」
そうやって由姫とは思えないほどの笑顔で頷いた。いつもそんな笑顔なら人生もっと上手くいくと思うのにな
由真&友里side
「ねぇ!ねぇ!どうして優に告白したの?」
「え!?いきなりすぎませんか?」
「いきなりも何も気になっただけ!」
「優さんが良い人なのは由真さんも知っての通りです。ならすぐに告白しなきゃ誰かのモノになっちゃいます。だからです」
「つまり早々にマーキングをするってことね!」
「なんですかその言い方、優先輩はきっとモテますから手遅れになりたくないのです」
「え〜でも優これまで付き合ったことも告白されたことないんだよ〜」
「今まではの話ですよね。青春は高校からです」
「告白する人の心理って自分に自信がある人が多いんだって。」
「それがどうかしたんですか?」
「つまり自分に自信あるでしょ!」
「なんですか?ないですよそんなの」
「あと〜これから優のこと知っていくっていってもやっぱり彼女だと言いづらいこととかあるよね〜」
「それがどうしたんですか」
「わからないことたくさんあって大変だな〜って」
「わかりますよ!」
「え〜本当にわかってるの〜?」
「わかってます。いえ、あなたよりはわからないかも知れませんがこれから知っていきます!」
「じゃ〜さ〜知らないで付き合ったの〜?」
顔をムッとしながら由真をみる友里
「知らないのは多いですが、優しいところとか人思いのところとは知ってます!」
「友里そんな向きになるな」
「お姉ちゃん大人がないからやめてよ」
そして由真は友里の耳元で囁く様にいった。
「もうそろそろ家に着いちゃうね」
「それがどうしたんですか」
「ほら、見てよあの2人。」
「私たちが話してる間普通に話してるね」
「どっちが彼女かな〜ってね笑」
「わ、わ、私です!!」
「ど、どうしたんだ友里!」
「い、いえなんでもないです。少し取り乱しました。」
「由真いい加減にしろよ」
「ごめんね。ちょっとやりすぎちゃった。」
友里が少し不機嫌そうに言った。
「私はあなたのこと苦手です!」
「あら、初対面で嫌われちゃった〜」
「じゃ〜ね〜また明日ね〜」
「ヤです!明日は優先輩と絶対一緒に帰ります!」
「そうしましょう!せんぱい!」
「あ、うん」
そう言って怒って帰ってしまった。
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