高咲 由真の独白

こういう日が来るのはわかっていた。本当は何もなく、私が変な奴でいる方がよっぽどマシだった。


 こうも早くそして高校入って2ヶ月の後輩だなんて。しかも由姫の友達...もう時間は迫ってくる形になった。


 私は物が、人が欲しいわけじゃない。私は恵まれてきた。けど私の妹は違う。


 恵まれていないというわけではないが性格的に遠慮したり、いつも私の後ろにいる。だから本当に何が欲しいのかがわからない。

 

 中学の時に気づいた物を欲しがらなかった妹が初めてその素振りを見せた。それはあの人だ。



よりにもよって...優...


 もっと素直になって欲しい。いつも何かが足りないかの様に生きている由姫を救いたい。


 あの頃の様に素直な由姫をまたみたい。笑顔溢れる彼女を。


 そうなんだ私たちは姉妹なんだ。姉妹だから性格が似ているだからわかる事がある。だから好きな物も服もそして好きな人も。


 私は知っている。彼はまだ何も染まっていない。言葉は幼馴染だから辛辣になる事があるが優しく人思いの彼ならば一途になってしまう。


 そうなってしまったらもうあの子の入る隙がない。そうなる前に...そうなる前に止めなくては。


 優には申し訳ない。たくさん傷つき苦しめるかも知れない。そして私と同じクズになってもらう。


でもいいの自分を殺すの。そして恨まれてもいい失望されてもいい私の願いが叶うのなら



 「私は悪魔にでもなる」


 そして私は皆に嫌われる。妹にも優にもその彼女にも嫌われる






 「嫌われたくないな...」


 そう時々震える声で呟き、涙をながす、



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