第4話 家族水入らず?

俺は学校が終わり、友里と帰りを一緒に帰ってきた。あまり不自然さは感じなかった。いつもは隣の家の由真と帰ってきてるから女の人と帰ってるっていう緊張感はさほど無かった。


「ただいま。」


「今日はお父さん泊まりでいないから食べに行くよ。」


「わかった」


そう言って6時まで時間を潰す。そして時間になって車に乗り出す。何を食べるのだろうと考えていると隣から3人が近づいてくる。


「母さん食べに行くって家族水入らずでだよね?」


「何言ってんの?水はいらないけど花がないじゃない」


「何言ってんだ我が母は」


そう話していると


「こんばんは!優君久しぶりねついこの前まであんなに小さかったのに成長って早いわね」


「こんばんはいつの話をしてるんですか。そしてついこの前も会ったばかりじゃないですか。」


「あら、そう?私忘れっぽくて笑」


そして姉が


「よ!ご飯食べに行くの久しぶりだね!彼女とはどうよ、振られた?」


「早すぎだ、それにそんな展開はないし、想像もしたくないわ!」


「こんばんは少しは姉さん静かにしてよ。お母さんも、いい大人なんだし。」


何故だろう。姉の由真は親と似てるのに妹の由姫は静かだ。同じ親子とは思えない。


「それじゃーファミレスていい?子供たちは」


「いいよ!」


「それで大丈夫です。」


「へい」


いつもなら静かな車の中も高田家がいれば一気に賑やかになる。いいことなのだろうな。いつもは静かな場所にいるけど何故かこの空間が少しだけ心地いい。気を使わなくても良い他人がいるというのは家族といるのと別な意味で特別かもな


「優!電話なってるよ。」


寝かけてた俺もその言葉で起きた。


「あ、あぁ ありがとう」


中身を見ると俺に続いて姉妹もスマホの画面を覗き込む。


「これは出るべきだよ!優!大好きな彼女から電話だよ!」


「ちょ!そんな大声で言うなよ、」


「出ないのですか?友里ちゃんからの電話?」


「出たいけど、人のいる所で話したくないからな」


「私たちは気にしないで!景色だと思って!」


それは無理があるだろ。しかもやましいことはないが友里の友達の由姫と同級生の女子と同じ所にいるってなったら誤解される。


「えい!」


由真が勢いで電話ボタンを押した。


「もしもし?先輩?今お時間大丈夫ですか?」


「いや、いや、大丈夫じゃない!後でかけ直す!」


途端に由真が


「え〜つまんない!」


ピッとボタンを切る。まさか聞こえてないよね?

そしてメールが来た。


友里「何も女の人の声なんて聞こえませんでした。後でゆっくりと話しましょう」


それだけだった。絶対聞こえてただろーー!


「おい!何してんだ!あらぬ誤解があったらどうするんだよ!」


「誤解も何もやましいこともしてないし、別に気にすることじゃないでしょ!」


なんてノー天気な姉なんだ人の気も知らずに、


「大丈夫、後で私からも友里に言っておいてあげる。」


なんでよく出来た妹なんだ。



お食事



「優君聞いたよ聞いたよ!彼女できたんだって?」


「いや、別に話すことじゃないよ」


「由真ちゃんから聞いたけど、あんたも隅に置けないわね〜隣の家にこんなに完璧な姉妹がいるのに」


「そうよそうよ。この幸せ者!」


自分でそれを言うか由真

そんな話に何も動じず食べる由姫どこで生き方を取り違えたのか。


「優はどうして友里ちゃんと付き合うことにしたの?」


「それは彼女も悪い人じゃないし、俺に好意的に接してくる所に好きになったな」


「じゃーさ!じゃーさ!私も悪い人じゃないし〜優のこと好意的に見たら惚れるの?」


「それとこれとじゃ話が違うだろ。お前はなんかそう言うのじゃない」


「どう言うことよ!」

「つまりなんとなくわかった!」


何がわかったのか分からないが何か勝ち誇った顔をしてくる。


「じゃー私は姉さんとは違うの?」


「え?」


一瞬俺と由真が由姫の言葉で固まった。何を言っているのかわからない


「冗談よ。なに?今動揺でもしたの?」


「いや、そう言うわけじゃないが由姫からそんなこと言うなんて思わなくて。」


親達はニヤニヤしながらずっと見てくる。なんかもう帰りたい。




そして考えてしまった。友里のことを...

なぜ付き合ったのかを...


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