第3話 馴れ初め
「おはようございます。一昨日はまた明日って言いましたが、緊張してメールできませんでした!もしよろしければですが今日一緒に帰りませんか?」
「いいよ!それより...朝も一緒に行かない?」
「はい!」
「じゃー中央駅に7時でいい?」
「わかりました。」
メールをして俺は朝からウキウキだったいつもは起きづらい朝でも今日だけはいつもと違って見えた。
「おはよう。7時なのに早いね」
「おはようございます!なんか早く会えたらいいなぁって思いまして。」
後半を聞いて凄くドキッとした瞬間これが恋なのか!と思ってしまった。
「先輩?だいじょうぶ?ですか?」
「あ、あー大丈夫大丈夫!」
なんだろう付き合う前は普通に話せたのにいざ彼女になると可愛くて可愛くて直視できない
「高咲さんは休日とかしてることとかあるの?」
なんか高咲さんが膨れてムッとしてこちらを見てくる。どうしたのだろう気に触ることでも言ってしまったのか?
「先輩!付き合ってるんですから苗字はやめましょうよ!友里って呼んでください!さぁ!どうぞ!」
「じゃ、じゃー ゆ、友里さん?」
「友里!」
「う、友里」
「よく出来ました!」
「なんか立場逆転してないか!?ってかさ友里も俺のこと先輩じゃんか?それは理不尽じゃないのか?」
「え?先輩は先輩じゃないですか?後輩に先輩って上目遣いで言われるのは萌えないんですか?」
「それは分からなくもないけど、それとこれとじゃ話が違うだろ」
「さぁ!早く行きましょう!」
「それはもっともだ。それより友里って今までに付き合ったことがあるのか?」
「どうしてそれを?」
「いや、やけにこういうのに慣れてるなって思って」
「付き合ってましたよ。」
友里が突然と真顔になって言った。なんかまずい事を聞いてしまったと一瞬で感じた。
でも好きな人だからこそ興味が湧いてくる。踏み込んでいいのか分からないが気になる。
「先輩!今を見ないと!今私は先輩と付き合ってるんです。過去に付き合っていたかなんて問題になりません!」
「それとも違う男と昔隣り合って歩いていたって考えるとヤですか?」
「いや、そういうのじゃなくて友里みたいな可愛くて元気な子と付き合ったのに別れるなんて勿体無いなって思ってな」
「もちろん友里が振った側なんだよな?」
「いいえ」
友里から出るはずもないような冷たい言葉だった。きっと過去に何かがあったのだろう。友里みたいな子を振る様な俺と違う世界の人間が居るんだな。
「全て...のせいで 今度は... 」
「友里?」
「あ、いえいえなんでもありません!」
「先輩、私の事振っちゃダメですよ!」
さっきあまりにも小さすぎて半分聞こえなかった。どうしたのだろう?そしていつもの友里に戻った。
「当然だろ。振るわけないだろ!俺の初めての彼女なんだから!大切にするよ。」
「ありがとうございます。言質取りましたからね!私も先輩のこと絶対話したくないです!」
「ではまた放課後に会いましょう!」
「おう。またな」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます