9歳 選考会①
叙任式後、特別小隊の噂が王都内に流れ始め売り込みが凄いことになっている。
朝の執務室、紅茶を飲みながら閣下からの小隊の詳細を読み始める。フォークさんが大量の書状を室内に持ち込んできた。
「リゼル様、各貴族家からまた特別小隊参加希望の書状が来ております。見合いの話も同じように来ております」
「まだ数日しか経ってないですよ、早すぎませんか?それに見合いもですか!?我が家は男爵家ですよ?」
「リゼル様は婚約者候補もいらっしゃいませんから•••領地運営も上手く行ってますし、他の家からすると優良案件と言うことだと思います。お見合いの件についてはいかがなさいましょうか」
「丁重にお断りのお返事をしましょう•••まだ私には早すぎます。それよりも小隊への参加希望者の方が気になりますね」
「今のところは各家の派閥関係なく次男以降の方の参加希望が多いと言ったところです。技量がある方は王国へスカウトされますから、これと言った方からの書状は現状ありません。正直、就職先の斡旋に近い状況です」
「そうですか•••一旗揚げたい気持ちはわかりますが•••何か選考基準みたいなものを作る方が良いんでしょうかね?いきなり小隊を作る基準なんて検討もつきませんし」
「閣下の書状からは自由にして良いと書かれていますからリゼル様のお好きにされて良いとは思います」
「魔族と強力なモンスター相手ですからね。皆の意見を聞いてみますか。皆を集めてください」
執務室に皆を集めてもらい今後の小隊についての話し合いを開始する。
「ブリちゃん先生、小隊はどうすれば良いと思いますか?」
「王国のように兵士部隊、魔術師部隊に分けるのが無難なところじゃの〜。だが魔族との戦いとなると今までの固定概念は捨てる方が良いのかもしれん。少なくとも過去に魔族を見たことある皆はそう思うじゃろ?」
「リゼル殿が出会った魔族はどんな奴だった?我らドワーフは魔族を見たことがない」
「モンスターを操ることが可能で闇属性の魔法を放つ。フェンが臨戦態勢を取るくらいだから相当な強敵だと思う。復活直後で体力と魔力が戻っていなかったから逃亡したんだと思うけど」
「なるほど。魔族と相対する前に操られてるモンスターとの戦闘もありそうだな。里のドワーフに一声かければ我こそはとやってくるぞ!我らは屈強な戦士の一族だ!」
「これ以上、ドワーフを増やすのはやめてよ!酒臭くなるじゃない」
「まぁまぁ、お二人とも喧嘩は•••。リゼル様、実際のところグロー殿の言う通りな気がします。我ら家臣団はリゼル様を御守りする役目があります。小隊には魔族の前に出てくるモンスターを討伐できる実力は最低限必要かと思います」
「オリビアの言う通りだよね。そうなると師団クラスの実力がないと厳しいよね。売り込んできてる人たちの中でそんな経験ある人も少ないだろうしね」
大量の書状を見せながら苦笑いをする。
「リゼル様よろしいですか?いっそのこと選考会をしてみるのは如何ですか?魔術師団の方には私から師団長の方にお伝えします」
「俺もリードの意見に賛成だな。俺とリード以外の属性の魔法使いも必要だし」
「そうじゃの〜相性の問題もあるしの。火と風の魔法使いは確保しておきたいところじゃ。一度に全員決める必要はないんじゃろ?」
「何度かに分けて選考会をするのは良いアイデアだね。フォークさん、領地の競馬場を使えば選考会のために人は集まりますよね?」
「リゼル様。それは良いアイデアだと思います!!具体案を作成いたしますね」
フォークさんの目がキラリと光る!
早速、自身の机で計画書を作り始めてる。
「そちらの方はお任せしますね。ではみんなで選考基準を考えよう!」
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