9歳 競馬場②
翌日から屋敷に王国から設計に関する人や騎士団の面々などがひっきりなしに訪れてレース場の準備が行われていく。
フォークさんが倒れないか心配でならないが本人は至ってやる気満々なので任せておくことにした。
レース場予定地の開拓へと代官達と伐採職人達が集まっている。
職人たちが二人一組で木を伐採して行く。
伐採した後を追うように私とディーが抜根作業をしていく。
「ノーム、地中を柔らかくして木の根を掘り進めて」
「シルフ、木の根を刈り取って」
切り株の周りの土が柔らかくなり根が露出し始める。
その後にグローとオーリが木の根を2人がかりで左右に揺らしながら切り株を力任せに引っこ抜く。
リードとロンザがその後を魔法で整地して行く。
伐採した木はウッドチップへと加工し、道路の舗装用とレースコースに使用する。
ある程度の整地が終わり、設計図面を元に観客席の基礎工事を土魔法で行っていく。
観客席の段差を土魔法で大雑把に作り上げていく。
すっかり我が家の家臣団は土木工事のスペシャリストになってきている。
残りの作業は代官と職人達に任せる。
☆★☆★
馬の購入と厩務員、調教師の募集をシュート厩舎に依頼。
レース用の見栄えの良い鞍などをダンク馬具工房へ依頼。
王都から村までの道路の整備。
出店候補選び。
やることが多いが順調に進んでいく。
フォークさんと文官達が順調にゾンビになっていく•••うん、終わったら慰労会をしてあげよう。
☆★☆★
2カ月後…
レース場初日のチケット販売を王都で開始した。
予想以上の倍率になり抽選となる、原因は陛下と閣下が来場することだ。
噂好きの王都民や貴族・商人がこぞって初日のプレミアムチケットを入手しようと躍起になっている。
レース開催日。
朝早い時間から領地へと向かう。
王都から領地までの途中からウッドチップ舗装され、以前よりも馬車の揺れも抑えられている。
今日は初開催なので村人には入場チケットは配布しているため、一般入場口は大変混雑している。
入口前には王都で噂を聞いた大道芸人が芸を披露し、屋台も繁盛しているようだ。
貴族用の入場口へと私達は向かう。騎士団が守る中、陛下と閣下が近衛兵団と共に到着をする。
「陛下、ようこそリゼル領へ」
「リゼル卿、今日は楽しみにしてたぞ!早速案内してくれ」
貴賓席へ閣下と陛下を案内する。貴賓席はレース場が見回せる一番良い席になっている。
閣下と陛下が貴賓席へ到着するとレース場から歓声が上がる。
「閣下、開幕の挨拶をお願い致します。風の精霊の力を借りてレース場に声を届けます」
「うむ、わかった。頼むぞ」
「ディー、お願い」
「わかったわ。”シルフ” 声を皆に届けて」
「リゼル領のレース場へ来てくれて、皆ありがとう。これから陛下のお言葉があります。静粛にしてください」
私が皆に話しかける、それを聞いた歓声が収まる。
「うむ。5代国王フランツ・ラビウスである。長々と話すつもりはない、今日は二代目賢者リゼル男爵が作りあげたラビウス王国初のレース場のオープンだ!私も完成を楽しみに待っていた。今日は我が王国が誇る騎士団の演舞も用意してある。皆で今日という日を楽しもう!以上だ」
レース場から歓声が上がる。流石の賢王人気である。
除幕式が終わり、騎士団の演舞から始まり各種レースで大熱狂で幕を閉じる。
その後、レース場はどんどん改築されていき、王国杯・公爵杯・賢者杯などのレースが行われるようになり、名馬・名騎手が誕生することとなる。
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