8歳 成長①
グリフもすっかり大きくなり私の身長を超えてしまった。
空間魔法に入れると拗ねるので屋敷で生活している。屋敷の庭園スペースだとそろそろ狭くなってきてる。
低級者用ダンジョンへ連れて行って思いっきり運動させてあげようと思い付き、土の日に皆で久しぶりにダンジョンへ行くことに決まった。
純白のグリフの体は道中目立つので空間魔法内で我慢してもらう。
ダンジョンに到着、受付の名簿に記入し早速ダンジョン内部へ移動する。
1階の平原ステージ、冒険者の姿はちらほら見える。下の階層へ行く人か、帰りの人が大半であろう。
「ここに来るのも久しぶりだね。グリフ出ておいで」
グリフを召喚する。2時間ほど中で我慢してたせいか私に甘えてくる。甘えてくるグリフの頭を毛の流れにそって優しく撫でる。
「クリフ、ここなら思いっきり走っても大丈夫だよ。人がいるから気をつけるんだよ」
グリフが翼を大きく広げて元気よく走り回る。体が大きくなったせいか、なかなかの速度を出している。
「うわぁ〜あの速度なら一緒に走れないわね。オリビアなら追いつけるかな??シルフにお願いするからグリフと追いかけっこしてみてよ」
そういうとオリビアが走り出し始め、グリフに追いつく。グリフがビックリした顔をして加速し始める…一人と一匹は走り回り、疲れたのかグリフがこちらに戻ってくる。
「そうか、楽しかったか。全力で走ってたもんね。普段は屋敷だと走れないもんね、なるべくここに連れてくるからね」
そう伝えると嬉しいという意思を私に伝えてくる。水を用意してあげグリフの喉の乾きを癒やす。
他のメンバーは、クリスはスライム相手に槍を試している、ロンザはそれを見守っている。リードは用意した椅子に座りのんびりと周囲を警戒している。
「ねぇリゼル。グリフは空をまだ飛べないのかしら?翼も立派になってきてるし」
「鳥とは体格が違うからね…翼で飛ぶのか、魔力で飛ぶのか見当もつかないしね。グリフは空を飛べるの?」
”わからない”と言う意思が伝わってくる。
「私とリゼルで”シルフ”の力を借りて、風の力で浮かせてみれば飛ぶ感覚がわかるかもよ?」
「そうだね、試してみようか。グリフ、下から風の力で浮かせるから翼を動かしてみてね」
2人で”シルフ”に手助けをお願いする。”シルフ”はグリフの翼の下から上昇気流を巻き起こす。
グリフが翼をはばたき始める、何度目かの挑戦…グリフが少し前進できるようになった。
「グリフ凄いね!飛べたよ!!」「グリフえら〜い、今飛べたよ〜」
ディーと2人で褒めているとグリフは機嫌が良くなり飛ぶ練習をし始めた。走りながら翼を動かしたり、その場で翼をブンブンとはばたかせたりと色々試し始めた。それを見ながら皆で応援する。
一時間ほど練習をしていたグリフはコツを掴んだのか、10mくらいの距離をおぼつきながら飛べるようになった。
「おーグリフ飛べてるじゃねーか」
「グリフ凄いです!!空を飛んでる!!」
スライム狩りから戻ってきた2人が飛んでいるグリフを見て驚いている。
それを聞いたグリフは誇らしげな表情をして、フラフラしながら2人の元に飛んで行く。2人が偉い偉いと頭を撫でてあげる。
「二人共おかえり。槍は使ってみてどうだった?」
「まだ伸びした槍の距離感に少し違和感が出ますが、狙った場所には当たるようになってきました」
「練習し始めた最初に比べればスライムの核をちゃんと狙えるようになってきてるかな。この槍使いこなしたら相当厄介だぞクリス」
クリスは魔法の槍の良い練習が出来たようだ、表情が充実感に満ちている。
「もう少し下の階層へ降りて、槍の実践練習してみようか?このダンジョンの低階層なら危険も少ないし、習った防御魔法も使ってみたいしね」
「はい、スライム以外の動くモンスター相手に試してみたいです!」
早速、皆で下の階へ移動する。
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