7歳 夏休み帰省中①
クリムロード領へ帰省
王都出身者とフォークさんは屋敷の維持の為に居残り。それ以外のメンバーで帰省をする。大所帯なのだが家臣団とアラン達もいることから護衛は雇わずにノンビリとした旅。
初めての旅の風景にグリフは若干興奮気味。みんなで交代で面倒を見ながら初日の公爵領に到着する。予約してある宿屋に入り、夕食の時間までにリードとクリスの3人で本屋と魔道具屋に立ち寄る。面白そうな本と魔道具を数点購入した。
翌朝、早い時間から出立。夕刻まで何事もなく進み野営の準備を開始する。いつものように土魔法で小屋と風呂とトイレを仮設で作る。メイド達女性陣には好評である。外ではしゃぐグリフと遊び、アイテムボックスから食材を出しカールとメイド達が料理を開始する。
良い匂いがしてきたところでお腹が鳴る。今日のディナーは牛肉のカットステーキと温かいスープ。グリフが食べたそうにしているので一口サイズにして食べさせてみる。美味しそうにグリフが食べてお代わりの意思を伝えて来る。グリフのここ数日の成長が著しい。
旅の目的地のクリムロード領が見えてきた。領都の門前は非常に混んでいる、何かあるのだろうか?この時期はイベントごとはないはずなんだけど。門番が私達の馬車に気づき、貴族用の入り口に誘導してくれる。
「おかえりなさいませ、リゼル様」
「誘導ありがとうね、この人の量は何かあったの?」
「いえ、最近は毎日このくらいの量です。主に観光客です、リゼル様が作った温泉を訪れる人が大半です」
原因は私だったようだ…門番の人数増やさないとダメだね、父上に伝えよう。
久しぶりのクリムロード領都は非常に栄えている。初めて見るオリビアは、人の多さに驚いている。
私やラキル兄さんも驚いているんだから、オリビアが驚くのも当然である。
「リゼル、一年ぶりに戻ったら凄いことになってるな…何をやらかしたんだ?」
「わかりません。私が王都に向かう前はここまで人混みはなかったですよ?」
「栄えてるってことは良いことじゃない〜ラキルが将来、この領地を継ぐんだから頑張ってね次期当主♪」
「ディーさん…プレッシャーが大きいから…しばらくは魔術師団で修行だから…」
兄が現実逃避をし始めたところで屋敷へと到着する。少し前まで住んでいた屋敷、王都で色々ありすぎて久しぶりに感じる。
「おかえりなさいませ、ラキル様、リゼル様、ディー様」
相変わらずの我が家のメイドのお出迎えである。
父様と母様とセバスチャンが出迎えてくれる。
「おかえり。リゼルは少し大きくなったかな?それに知らない人とその抱きかかえてるのは何だろうね?」
「おかえりなさい、ラキル、リゼル、ディー殿。王都で少し垢抜けたかしら?」
「おかえりなさいませ、皆様。長旅でお疲れでしょう、お部屋の方は以前のままにしております。食事の時間までのんびりされて下さい」
「母様、お腹が大きくなっていますが…?」
「あら、リゼルは気づいたのね。あなたの弟か妹ができるわよ」
「おめでとうございます父様、母様」
「一番下の弟に跡を継がせるのはいかがでしょうか、父上」
「ラキルよ、跡取りはおまえだ。弟に任せて逃げようとしても無駄だぞ!」
久しぶりの親子のやり取りで笑い合う。
「父上、王都で私の家臣になりました、オリビアです。このモンスターは私の獣魔のグリフです」
「お初にお目にかかります。リゼル男爵家家臣団に先頃、加入いたしましたオリビアと申します」
騎士の礼をしながら自己紹介をする。
「”ミャーミャー”」
オリビアを横目に地面に降りたったグリフが真似をしているのか尻尾をピーンと立てて挨拶をする。
「はじめまして、オリビア。これからもリゼルのことをよろしく頼むぞ」
「いらっしゃいグリフちゃん、リゼルの産まれた屋敷へようこそ」
母上がグリフを撫でる。グリフもご機嫌な顔をしながら撫でられている。
「オリビア様のお部屋もご用意しております。ご案内致しましょう」
セバスチャンがオリビア用の個室を用意してくれていた。きっとイワンが手配してくれたのだろう。
「では皆、夕食の時間まで屋敷内で休んでね。オリビア、ここの屋敷にも温泉があるからね、ディーに案内してもらってね」
皆がそれぞれの部屋へ荷物を持ち移動していく。私達家族は父上の書斎へと移動をする。
「オリビアのことはイワンから手紙が来ていたからわかっていたが、グリフには驚かされたな」
「つい数日前の出来事でしたので、驚かせようと連れてきました。それよりも父様、領内に観光客が凄く訪れているのですが一体何が合ったのでしょうか?
「観光に力を今入れているからな、国内からドンドンやってきてるぞ!温泉協会も手伝ってくれてるしな、リゼルの賢者人気もあるからな!今は湯治の宿を建築の最中だ!新しい温泉のアイデアがあったら実行していいぞ!予算はあるからな!」
「わかりました!」
私のやる気スイッチがONになる!
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