7歳 夏休み帰省中②


内政チートだ!とは行かず、現実的な路線で温泉観光地としての目玉を作ることにした。


一番最初に作ったクリムロード温泉郷が一番の人気スポット。


まずはここにお金に余裕のある人向けの高級路線の宿泊施設を作ろう。大規模庭園を作って季節の植物を見て楽しめる観光目的を増やそう。


2箇所目の温泉は、領民が通いやすい場所にあるたので家族で楽しめるように家族風呂の作成。ビアガーデンならぬ、ワインガーデンもできるようにして領都の民用の憩いの場所にしよう。


3箇所目の温泉は一番深く掘った温泉なので高温の温泉が出る。ここには領民専用の湯治用の宿を作ろう。食事は自分たちで作らせて宿泊料金をなるべく安くし療養目的がメインの温泉に。温泉の蒸気熱を利用した加熱調理装置を設置して蒸し料理が出がるに食べれるようにと…食料や生活用品を購入しやすいように朝市も併設しよう。


領都に入った際に旅の疲れを取るために無料で利用できる足湯の設置でもしよう。クリムロード領の第一印象も良くなるだろうし。


街の景観も改善させよう。収益も向上しているはずだから街の老人たちにアルバイトとして、メイン通りの掃除と、花を植えて管理してもらおう。景観の整備もリピーターの確保の向上につながれば良いだろうし街の衛生面の向上にも繋がる。観光で稼いだお金で税収が増え、それで働き口が増えれば領内の経済も多少なり向上すれば儲けもんだしね。


とりあえずのプランの概要をまとめ上げて父様の書斎へ行く。


「父様、計画書の草案をお持ちしました。足湯の作成以外は父上の方でお願いします」


「もう出来たのか!? 読ませてもらおう。


ふむ。この計画なら庭園以外は予算はすぐに出せるな。庭園は一気に作るとなると流石に金がかかりすぎるな…」


「庭園は徐々に作成していけばよいのではないでしょうか?毎年こられる観光客に去年と違う印象を与えたいですし、完成手順を楽しむ目的もできます。継続的に庭師やそれに付随するものへの公共事業としての役割もできます。将来は他国や王国中の花を集めて花の街クリムロード領と言う響きも良いと思います」


「そうだな、毎年決まった予算内で作り上げていけば良いか。花の街というのは面白いアイデアだな、温泉の地熱を使えば暖かい場所で育つ花も育てることもできそうだな。素晴らしいアイデアだ、ありがとうリゼル」


私のアイデアに満足げな表情の父様。明日にでも街の大工を連れて足湯を作りに行こう。


その日の夜の食事会はとても賑やかなものとなった。


兄さんや私が領都であった出来事を話し、母様にやりすぎだと注意されたり、オリビアが飲みすぎて賢者愛を熱く語りすぎて周りに引かれたり、父様から夏休み中の仕事を与えられた(押し付けられた)兄さんが凹んでいたりと、グリフが皆に可愛がられたりと楽しい夕食であった。


故郷でゆっくりとした時間を過ごし、跡取り修行中のラキル兄さんを残し王都の屋敷へと私達一行は戻ることとなった。次に戻るときは弟か妹がいるはずだ、楽しみである。

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