7歳 ダンジョン制覇後①


冒険者ギルドまで皆でのんびり歩いていく。


卵の話題であっという間に王都の門に辿り着く。夕日になりかけの時間帯、民衆が並んでいる門を横目に貴族用の門から入っていく。冒険者ギルドへ未踏破ダンジョンをクリアしたことを伝える。詳しいことは明日話すと伝えて屋敷に戻る。


イワンとアリシアが無事に帰ってきたと喜び、今日はお祝いですと言って2人揃って調理室にいるカールのところに向かっていく。皆に温泉を勧め、私は書斎のフォークさんのところへ向かう。


「フォークさん、無事に戻りました。初代様の本に書かれていたことで閣下にご相談があることを王城へ伝えてもらえますか? あとはラキル兄さんに来週にはクリムロード領へ戻ることを伝えて下さい」


ディナーのときに詳細は話しますと伝え、私も温泉へと向かう。やはり疲れを取るには温泉が一番だ!


その日のディナーは家中でダンジョン制覇のお祝いで盛り上がった。みんなは卵に興味津々、やれどんなモンスターだ!議論が巻きおこる。今日は賢者様の本も読まず、氷の弾丸を作る前に疲れから夢の中へ…


翌日、冒険者ギルドへ向かう。


ギルド内に入ると私達を見かける冒険者達から大きな拍手が湧き上がる。ダンジョン制覇が噂になっているようだ。


「ようこそ冒険者ギルドへ、リゼル様、セージ・スプリングの皆様。受付のミリアが担当いたします」


「おはようございます、ミリアさん。ダンジョンの戦利品の下取りをお願いしたいのですが」


「その件について、ギルド長からダンジョンについてお伺いしたいと伝言がございまして、よろしければ2階の応接間へお越しいただきますようよろしくお願いいたします」


「はい、構いません」


2階の応接間を案内される。しばらくするとギルド長がやってくる。


「はじめまして、リゼル卿、セージ・スプリングの皆様。私、王都の冒険者ギルドの代表をしていますライアンと申します。今回は未踏破ダンジョン制覇おめでとうございます。ダンジョン内についてのお話をお聞かせ願いたいのですがよろしいでしょうか?」


私はライアンからの質問に答えながらダンジョンについて詳しく話していく。


「なるほど。最後のボス部屋はミノタウロスですか…そこまで辿り着くだけでも難儀なダンジョンですな。二代目賢者のリゼル様が制覇され、初代賢者様の本がそこから2冊出てきたと。今までダンジョン名がなかったのですが、賢者のダンジョンと名付けさせてもらっても問題はございませんか?」


「私は問題ないです。賢者のダンジョンとはまた…恥ずかしいですね。一応、証拠としてミノタウロスの頭部は持ち帰っています、体は大きすぎて持ち帰れませんでしたから」


「それはギルドへ卸して頂けませんか?オークションに出品するととんでもない金額になる予感がします。過去の記録で一度しか出たことがないモンスターですから…ダンジョンから持ち帰ることも非常に大変ですし。貴族のコレクターの方や大商会が欲しがるかと」


「これは国王陛下に献上する予定です。到達の証明のため持ち帰ったものですから、それ以外の戦利品はギルドへ買取依頼だしますので。あとはアイテムの鑑定を依頼したい」


「陛下へ献上であれば諦めるしかありませんな…それ以外の買取と鑑定はお任せ下さい。今回、皆様のランクを昇格させていただきます。パーティーレベルをBランクへ。リゼル卿は特例ですがAランク、オリビア殿は試験を受けていただいてからBランク、他の皆様は2ランク昇格になります」


「いきなりAランクですか!?」


「S、Aランク冒険者パーティーでも攻略できていない未踏破ダンジョンをクリアされているパーティーのリーダーですし、賢者の称号もございますので妥当なランクアップだと思います。後ほど皆様のギルドカードを受付へお渡し下さい。本日はお時間を頂きましてありがとうございます」


オリビアが試験を受けにいく。試験結果は無事に合格。全員のギルドカードが新しくなる。Aランクのギルドカードは特殊な金属で出来ているらしく非常に目立つ。


戦利品の買取が終わり、アイテムの鑑定結果が出た。


オリビアの剣はミスリル製のロングソード、ドワーフの鍛冶師に研磨してもらうことで輝きと切れ味が戻ると判定される。


クリスの槍と盾は魔法効果が付与されていると判明。サイズを変更できる効果がある魔法の装備(効果:リサイズ)


鑑定結果に喜ぶ2人。ドワーフの鍛冶師を探さないとね。


セージ・スプリング Bランクパーティー


リゼル A / ディー C /リード C / ロンザ C / クリス D / オリビア B

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