7歳 貴族学校入学前②
スタンロード領から一旦、クリムロード領内で準備をし次は王都へと向かう。
今回の旅のメンバーはいつものメンバーに加えて従士になったクリス君、イワン執事(長)、アリシア・メイド(長)の他に料理長の一番弟子でもあるカール、マクベスが選んだアラン隊長の王都リゼル邸で務める予定の4人が加わった。忘れちゃいけないB級冒険者チーム風の護り手も護衛について来てもらってる。
王都に到着後、一日休憩を挟んで王城の閣下のところへ訪問する。
「よく来てくれたなリゼル坊。積もる話はいくつもあるがまずはこの男を紹介する、君の秘書になるフォーク・ラビルだ。法衣貴族の次男にあたる、人柄は良い仕事のできる男だ。坊の法案に気づいて草案を作らせたくらいの期待の若手だ。秘書の役目と代官の仕事、賢者や魔法使いについての知識、貴族マナーなど叩き込んでおるから即戦力になる」
目の下のくまが凄い…体調も悪そうだ…
「お初にお目にかかりますリゼル卿。秘書としてこれからお側にお仕え致します」
「閣下、フォークさんの体調が悪そうですが大丈夫ですか?」
「なーに数日寝てないだけじゃ、大した問題ではないな。フォークに王都用の屋敷の鍵と昨年の男爵の収入を渡してある。リゼル村が発展してな、ほぼ町じゃな。代官も優秀なのを数人いかせておるから安心しておくが良い。たまに顔を出してやると村人が喜ぶからの」
「大した問題だと思いますが…色々とあったんですね…あとでフォークさんに聞いてみます。」
執務室を離れ、用意された王都のリゼル邸へ向かう。
「フォークさん、これは大きすぎやしませんか??男爵の屋敷のサイズではないと思いますが…父様の屋敷と同じサイズですけど…」
「リゼル様、このサイズで間違いないです。現状は男爵ですが将来を見通してこの大きさを選定しています。他の貴族からも文句は出ていません」
「わかりました。このサイズを維持する費用面は大丈夫なんですか? まだ領地を見ていないので心配です」
「順番にご説明いたしますね。まず領地であるリゼル村は当初は300人程の村でしたが現在は600人を超えております。商人たちの出店も多く、村への移住希望者を順に受け入れている状況です。まだまだ人数は増える予定です、そのため税収が当初の予定の1.5倍以上になっております。リゼル様が発案された混合農業も一年目は無事に計画通りいっておりますので収穫量も増えております。次年度は当初の収入の2倍以上になる計算です。特産物が出来れまだ増えます。リゼル様には期待をしておりますので、是非一度領地へ赴いて下さい」
「学校に入学し終えましたら領地へ一度訪れましょう。知らないところで凄いことになってたんですね…」
「リゼル様の人気のせいだと思われます。区画作業や商人の認可やら建築やら舗装やら…寝てない事務官が多いですから…私はリゼル様にお仕えできるのでやっと不夜城から脱出できました…次はこの屋敷で雇う人材の書類になります、ある程度は面接を受ける人数はこちらで絞りましたので執事長とメイド長、リゼル様のご意見をお聞かせ下さい」
「フォークさん、寝なくて大丈夫ですか??それに不夜城って…屋敷のことはわからないので3人が決めてくれて結構ですから、給金とかもお任せします。私まだ7歳なので、そういう知識がありませんから…」
「ありがとうございます。今日から寝れると思えばこれくらい平気です。夜に王城を見ると不夜城の意味がわかりますので…リゼル様のおかげで宰相閣下がお元気になられてますから…これからは領地に関すること、王都に関することでわからないことがあれば何でも仰って下さい」
「わかりました、これからよろしくおねがいします。あとで屋敷に温泉を掘りますのでゆっくり温泉に入って下さいね」
ドラキュラ化したフォークさんを見た私たちは早速、温泉を掘るのであった…
夜に見える王城はいつまでも明るく仕事をしている人々が見えるのであった…
”私の物語に秘書が加わった”
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