6歳 ダンジョンデビュー⑨


日本語で書かれている。

初代様が書かれた本だ。


「なんで、ここに初代様の本があるんだ?」


「ここは私が作った修行用のダンジョンである。この本を見ているということは基準を到達しているため、この空間に転移されるようになっている。

君が倒したモンスターはゴブリン•キング、この世界ではそこそこ強いモンスターだが、ここに来ているということは倒せる強さは手に入っているはずだ。

ゴブリンキングはダンジョンで生み出されるモンスターでなく、生きたまま閉じ込めてある。この空間にいる間は水も飲まず食事がなくても死ぬことはない。


では本題だ。この本では召喚魔法を伝える。


一枚の布が本と一緒に入れてある。それを自分の空間魔法にしまうことで、この空間と行き来ができるようになる。君が使役したモンスターをこの中に入れておくことができる。

君は私の装備していたイヤリングを探しなさい。イヤリングには不壊の魔法をかけてある。イヤリングを装備し、この本に書いてある特定の魔力を込めると魔物と意思疎通が出来る様になる。


君は心優しい魔物を仲間にしなさい、彼らは君を助けてくれる。私も魔物の仲間に助けられた。


魔物の名前を呼ぶとこの空間から表に出すことが出来る。

君がこの空間から出たい時は自分の名前を言いなさい。


君に素敵な仲間が増えることを祈っている。」


なるほど、ここは仲間になったモンスター達用の空間なのか。わざわざ敵を入れておく必要はないと思うんだけど•••万が一死んだらどうするつもりだったんだろう•••


「父様達が心配している、この空間から出なきゃ」



〜 ラウル・クリムロードside 〜


リゼルが突然消えた!?慌てる俺に代わって襲ってくるボブゴブリンをマクベスが一撃で処理していた。


ディー達も慌てている。落ち着いているのはマクベスくらいだ。


「親方様、落ち着いてください。若様ならきっと大丈夫です。どこに行っても自力で戻ってこれます!どうか、落ち着いて下さい」


「うむ、マクベスすまない。冷静さに欠けていた。部屋に入る前には横におったのに、突然どこかに消えた、転移の魔法がどこかにあったのか!? なんで俺たちは取り残されてるんだ!?」


「若様が戻られるまでここで待ちましょう、今日中に戻らなければ親方様達は一旦地上に戻られて対策を考えてください。私が残って若様の帰りをここで待ちます」


「マクベスすまない、感謝する。リゼルのことだから、ただいま!と言いながら突然戻ってくるとは思うが•••少し待ってみよう」


全員ソワソワしながら、リゼルの帰りを待つ。


1時間後•••


“ただいま!” 目の前にリゼルが現れた。

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