6歳 ダンジョンデビュー⑧
「あれ?みんながいない!?」
状況把握が突然すぎて理解が追いつかない。
突然奥から凶悪な声が聞こえる。
「キサマが我を閉じ込めた者の末裔かぁぁぁ殺してくれるわぁぁぁ」
剣と鎧を装備している2m以上の凶悪な醜貌のゴブリンが奥から襲いかかってくる。
「なんだこいつ、デカいぞ!」
対応しないとダメだと瞬時に理解できるほどの殺意が私に向けられる。
こちらに向かい走り込んでくる。
“ニードル” 、 “ウォール”土魔法を連続で発動させる。この空間でも魔法は発動できる。
ゴブリンの前に地面から土の槍と壁を発生させる、それを見たゴブリンが走り込みを一旦停止させる。
二重魔法 ”マッドホール”を発動させゴブリンの周りに泥の穴を発生させる。 “ノーム” 穴を深くして! ゴブリンの半身を泥穴に埋める。
ゴブリンがもがきながら泥穴から出ようと必死になる。
今がチャンスだ。あんな大きさのモンスターに攻撃されたらすぐにやられてしまう。
“サラマンダー” あのゴブリンを火で攻撃して!
“ウンディーネ” ゴブリンの顔を水で覆って!
“シルフ” これから放つ私の魔法を風で加速して!
炎の矢がゴブリンを襲い、顔を水の膜に包まれて呼吸が困難になり慌て始める。慌てると共に泥にドンドンと沈み込んでいく。今がチャンスだ。アイテムボックスから最硬度の氷の弾を用いてゴブリン目掛けて魔法を放つ。
二重魔法 “デリンジャー”
2発の氷の弾がゴブリンの首を貫く。
何度も魔法を放つ。声にならない野太い悲鳴と共にゴブリンが絶命する。
「危なかった•••氷の弾丸のストックが0になってた。みんな、助けてくれてありがとうね」
4匹の精霊達が私の周りをクルクル回り始める、祝福の精霊ダンスだ。
精霊達がいなければ間違いなく殺されてた。
恐怖からの解放感からその場に座る。
数分で気持ちが落ち着き始め、冷静さを取り戻す。まず、ここはどこだ?父様たちといきなり離れる? 理解が落ち着かない。
周囲に気をつけながら、白い空間を歩きだす。
「何処かに出口はないのかな?」10分ほど空間を歩く、何もない。
また少し探索をするとゴブリンが出てきた場所の奥に宝箱が置いてあるの見える。
「この部屋を脱出する鍵でもあるのかな?」
宝箱に罠が仕掛けてあったら対処ができない。しかし、この空間には他に何もない。
「これを開けるしか助かる方法は無さそうだ」
宝箱に向かい歩き始める。
「えーい、このままだと埒があかない。思い切って開けてみよう!」
声に出して勇気を持って宝箱を開ける。
罠はないようだ。ほっと一安心する。
中には一冊の本と一枚の布が入っている。
布を広げると魔法陣が描かれてある。見たこともない魔法陣だ。
本を開いて読み始める。
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