6歳 ダンジョンデビュー⑦


父様がいきなりやる気を出し始めダンジョン制覇に目的が変更される。魔法の練習がメインだったはずなのに。


そう決まると急ぎ最下層へ向かい動き出す。


5階までスムーズに降りていく、5階から6階の間にはボス部屋がある。マップによるとここの中ボスはゴブリンと書いてある。人型モンスターと初めて遭遇する。精神的に大丈夫か不安になるが、やる気満々のみんなの士気を下げるわけにはいかない。


部屋の前には、数組の冒険者が順番待ちをしている。


我々を見かけると、クリムロード卿!?リゼル様!?エルフ!?温泉卿!?など騒ぎ始める。


事情を話すとボス部屋へ先に通してくれた。


ボス部屋は戦闘が見えるため、噂の私の戦闘が見たいようだ。


「リゼルよ、ここのモンスターはゴブリンが出てくる。特に強くはないが群れで行動をする、まずは一人で対処して見なさい。厳しそうなら手助けをする、特に問題はないから好きにやってみなさい」


部屋の中に入り私が中央に立つ。ゴブリン達が私めがけて攻撃をしようと動き出す。


遠慮なしに最大魔法を撃つ。


“サラマンダー” “シルフ”力を貸して


「二重魔法 “ファイアカッター” 」


マナの比重を刃の長さにし、2mの炎の刃の爆炎魔法を発動させる、精霊達によって威力増し増しだ。


固まって行動していたゴブリン達を焼き切り絶命させる。罪悪感もあまり湧き起こらなかった、それくらい一瞬だった。


みんなはだいぶ慣れてきたせいか、そのくらい当然でしょうのリアクションだが、部屋の外からは歓声と驚嘆が沸き起こる。


”リゼル様凄い” 、“俺は伝説を目撃した”、”賢者様万歳”


照れながら冒険者たちに手を振る。


“リゼル様可愛い” 、“俺、賢者様にお仕えしたい!”、 “伝説は本当だったんだ!” 様々な声が聞こえる。ショタは良くないですよ〜と。


宝箱が出てくる、こういうところはダンジョンなんだなって思いながら罠がないことを確認してもらい開けてみる。中からはポーションが2本出てきた。売れば高いみたいだが、お金には不便していないのでアイテムボックスに収納する。


6階に降りる。ここからは草原から森に場面が変わる、ゴブリンや獣型、虫型モンスターが出るとマクベスから説明を受ける、奇襲を受けなければ特に苦もなく最下層まで進んでいく。


10階の一番奥のボス部屋に到着する。


ここまで特に休憩もなく最短で向かってきたので一息つく。 ここのボスはゴブリンよりも体が大きいボブゴブリン種が出るとマップに書いてあり宝箱の中身は5階の部屋と変わらないことが多いと。それなら無理せず5階で良いわけで低レベルの冒険者達は主に5階のボス部屋の宝箱狙いがメインのようだ、そのためか10階には人がいなかった。


休憩も終わり早速のボス部屋に入ってみる。


そこは白い空間で私だけがいる•••



〜 あとがき 〜

初心者用冒険者や安定収入を求める冒険者が5階のボス部屋を周回しています。顔見知りも多く和気藹々の中、今話題の若様がやってきたので有名人が突然やってきた状態です。で目の前でものすごい勢いで魔法を放つ•••その衝撃を見た彼らは冒険者ギルド内で若様の話題で大盛り上がりになります。それを聞いた他の冒険者達から噂が広がります。街は若様ブームになるのに時間はかかりませんでしたとさ。

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