リードとロンザ②
〜 リード&ロンザside 〜
クリムロード領への車中
「なぁリード、そのリゼルっていう坊主は閣下が言うほど凄いやつなのか?俺、噂の話を知らないんだよ、ちょっと教えてくれよ。」
「ロンザよ、クリムロード卿はお優しい方で有名だったが我々の大先輩に当たる方だ、多少なりとも言葉遣いは気をつけないと。そうだな、噂では賢者の称号を得てる、クリムロード領内では神童で有名らしい。クリムロード卿の長男は魔法剣士の鑑定結果を得て、今は貴族学校で学んでいる。きっと賢者の噂も本当だと思っていたが、閣下の言葉で確信を得たよ。」
「魔法剣士はわかるよ、魔法使いより貴重な称号だろ? 賢者ってなんだよ?平民の俺からすると聞いたこともない称号だぞ??俺たち魔法使いより凄いのか? そもそも3歳に指導って何をすりゃいいんだよ?」
「賢者は100年以上前に初代宰相閣下が持っていた称号と言われている。伝記を読んだ程度の知識しかないから詳しくはわからないがな。大魔道士と言われている閣下が気にするくらいだから、相当に優秀なのであろう。そもそも考えてみろ、クリムロード卿は2種類の魔法を使える天才と言われたほどの宮廷魔術師だった方だぞ?あの方の一族は火と風の魔法の家系だ。我々は私が水で、君が土魔法の使い手だ。俺たち2人が指導をするってことが、おかしな話ではないか?」
「なんだ?火と風の魔法じゃなくて、水と土の魔法属性だったってことか?貴族様にそんなケースってあるのか??普通は親が火と風なら、火か風だろ?」
「違う違う、そうではない。火と風が使えて、水と土も使えるという可能性があるんじゃないのか? 賢者様の伝記には全ての魔法を使っている描写がある。私は噂が本当なら全属性の魔法が使えるのではないかと思っている。」
「まじか!?全属性使えるってインチキじゃねーかよ。そりゃ閣下も指導だけじゃなく護衛もって言うよな。俺、そんな神童様に指導するのか!?自信無くなってきた…今から辞退出来ないかな…」
「貰った給金、君のことだから結構使ったんじゃないのか? 君が逃げ出さないように閣下が先渡ししたとしか思えないけどな、ははは」
「ご明察でございますよ、王都で溜まってたツケを払ってきて、財布の中身は軽いもんだよ。閣下のいいようにされてるってわけか…。ドラキュラ閣下に血を吸われた気分だぜ、まったくよ」
「ツケをするまで酒を飲んでいたのは自業自得だ。閣下は君のアルコールまみれの血は飲まんと思うよ。上等なワインを毎晩飲んでいるはずだからな」
「あーうまいこと言われたわ。まぁ神童様に会えばわかることだよな。うまく言えば士官先にもなるってことだし4年間がんばりますかぁ〜」
馬車に揺られ流れ、2人はクリムロード領を目指す。
(旅路に揺られクリムロード領に到着して、リゼルと出会ってからの数日間に色々驚かされる彼らの前フリである)
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