リードとロンザ①
〜 ドラキュラ閣下side 〜
王都の宰相の公務室
公務室に2人の若者が呼び出される
「リード・ローゼフ、ロンザです。失礼致します。」
おどおどした態度のリード・ローゼフ、胸を貼ってるロンザ
「うむ、わざわざ来てもらってすまないな。君たちに頼みたいことがある。
これは国家機密レベルの任務になる、君たち2人には断る権利もある。
とある貴族の息子に護衛と魔法の教育をしてほしい。任務を受けようと断ろうが口外厳禁である。」
「発言宜しいでしょうか? もしかして、あの噂の神童の教育でしょうか?我々2人が呼ばれているってことは、噂は本当だったのですか!?」
リード・ローゼフが緊張した表情で、クザン・アラビス宰相に話しかける
「そうだ、今はまだ噂で留めておく必要がある。他の噂が流れれば神童の噂は忘れさられるであろう。
騎士リゼル・クリムロード卿の魔法の指導と護衛が君たちへの任務だ、期間は貴族学校へ入学するまでの期間。
魔術師団の若手で優秀な君たちを選んだ。4年間はラウル・クリムロード伯爵家への出向という扱いになる。」
「閣下!そんなにその神童様は凄いんっすか?」
「ロンザよ、いい加減に言葉遣いを直せ、魔術師団に入って何年経っておるのじゃ。良いか、よく聞け、今はまだ可能性の話だがリゼル卿は将来、この王国を救う存在になる可能性がある。君たち2人が卿のことを気に入ったならば、そのまま士官してもかまわん。将来、伯爵クラス以上にはせねばならぬからな」
「閣下がそこまで言う逸材ですか…私は庶子ですが問題はございませんか?ロンザは平民出身ですし」
「無論じゃ、逆にその方が良い。しがらみが少なく優秀な君たちをまず一番最初に候補に選んだ。君たちが断った場合は、野にいる魔法使いを探す必要がある。今は卿に他の貴族の野心を見せるわけにはいかぬ、教会も動き出すであろうしな。聡い子供だがそもそも、まだ卿は3歳だ。だから任務は、広い意味での指導と護衛ということになる。ことの重要性を理解したかな? さて、君たち2人はどうする?」
「は!私は問題がございません。私と実家は今はもう関係性がありません。あくまで薄い血の繋がりだけです。リード・ローゼフ、任務を引き受けます。」
「面白そうだから俺はいいぜ。言葉遣いを無理やり貴族言葉にしろっていうなら現場にいたほうが楽だから断るけどよ」
「ふむ、では二人共、用意が出来次第すぐにクリムロード領へ移動をしてくれ。4年分の給料は先に渡しておく、衣食住はクリムロード卿に用意させよう。くれぐれもリゼル卿のことをよろしく頼むぞ、何かあったらすぐに連絡を寄越すように。」
(ディー殿はもう先にリゼル坊のところへ到着しているはずだ。魔術師団の優秀な若手を2人護衛につければ多少のことは問題あるまい)
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