第5話

三門レン…三門しずくの双子の妹、

2人共が…その美しい容姿を武器に…

お互いが切磋琢磨するプロのモデルとして、華々しく活躍していた。

三門しずくは、パッと見は、チャラいのだが見た目とは…裏腹に、何事にも…真剣に向き合っていた。180センチ以上の長身に、スラリと伸びた、美しく長い足…9頭身モデルとして、連日テレビ業界で…その存在をいかんなく発揮しては賑わせ ていた。


とある収録日には…レンと仲良し私生活を、取り上げられていて…ひと度街を歩くと…


レンとしずくのコンビはひときわ目を弾く存在であった。


レンが、ある店の…パンケーキを紹介すると…翌日には大勢の女子高生が並んでいたものだ。

雑誌の表紙を飾る様になると…

『カリスマモデル!三門レン特集!』と…

誌面を飾る程に…羨ましがられる様になり、また、女子高生が成りたい顔No.1と言われ、業界引っ張りだこの忙しさだった。


その頃…三門しずくの仕事はと言うと…

パリコレの専属モデルへと変わっていった。


ある人物と出逢うまで、レンとしずくの人生は、順風満帆であった。




という…内容が今さらの様に、おもしろ可笑しく記事に書いてあったのだが、レンは

顔色一つ変えなかった。

俺は…『レンちゃん、気丈だな?大丈夫かな?』と心配も…よそに明るく元気に

他の患者さんと談話をしていた。


あの弱々しく…泣きじゃくった日に…レンは俺と約束事をしたのであった。


レンが…

『約束しよ?』と小指を差し出してきたので…


俺も思わず小指を出して…2人で指切りしたのだった。


2人の約束事とは…

『人を傷付けない事』であり、また

『お互い無理はやめようね?』という意味もあった。


病室での、指切りで触れた指先が、不思議と華奢に感じた。


俺は…2人だけの秘密を持った時に…レンの頭を撫でた。


一瞬…時が止まったかの様に、お互いが見つめ合ったのだが、


この時…俺は…

自分の胸の高鳴りに、気付かれやしないかと…


顔が真っ赤に染まっていた。

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