第3話 歳下の彼氏

京子には付き合って2年になる歳下の彼氏がいる。


間宮つばさ、22歳。新卒商社勤めのエリートだ。大学も誰もが羨むような大学卒だった。京子よりも3つ歳下の彼だか歳下と付き合うのは初めてではない。


京子は20歳くらいの頃にも一つ歳下の彼氏がいた。


京子は学生時代から彼氏が途絶えることは無い。なんだかんだ理由をつけては別れて、付き合っての繰り返しで、あっという間に気がつけば二十代半ばにさしかかっていた。


そんな彼女はつばさのことはえらく気に入っている。


「つばさ!つばさ!こっちにきて」


「もーなにぃ京ちゃんっ!」


「みてこれ!チケットでてるッ!」


「わー!これは行くしかないね。」


2人は趣味も良く似ている。

同じラジオのリスナーで、同じネット掲示板も読んでいる、同じ映画が大好きだった。2人が恋に落ちるのは簡単で時間はかからなかった。


つばさは、容姿端麗まるで女の子。

京子よりも目も大きく鼻もスッと高い。

華奢で小柄であったが、どこかの雑誌に載っているアイドルの様に可愛らしい男の子。


そんなつばさとの出逢いは今流行っているマッチングアプリだった。


なんとなく京子は暇つぶしにマッチングアプリを使って遊ぶことがよくある。


その時もまた京子の暇つぶしにしか過ぎなかったアプリだったが、つばさの猛烈なアプローチにより付き合うことにしたのだった。


その時も京子には何となく付き合っていた当時同い年の彼がいた。


彼とデートを予定していたが、京子はつばさとホテルに行き翌日朝帰りをした。デートをすっぽかしたのだった。


朝帰りをして、自宅マンションへもどると怒りと悲しみでおかしくなる寸前の彼がそこには立っていた。何かを悟っていたのだろう。


京子は冷酷なところがある。

と言うよりは子供なのかも知れない。


京子は怒り爆発寸前な彼に、

平気な顔をして「好きな人が出来たのでお別れしましょう。」まるで他人事。


彼が泣き崩れる姿と真夏の蜃気楼、その光景は忘れることはないだろう。


つばさとはその日から2年の月日が過ぎようとしている。




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