おまけ プロローグに使われた用語解説

1.鉄道オタク(以下、鉄オタと呼称)の分類について

  鉄道オタクにも様々な種類がある。分類するとかなりあるので、今話で出てきたものだけ紹介。


  ① 撮り鉄

    鉄道写真を撮る事に生き甲斐を感じる鉄オタ。まっとうな人も勿論多い。しかし往々にして、

    ⅰ 立ち入り禁止場所でそれを明示してあるにもかかわらず平気で立ち入ったりもする 

    ⅱ 危険な場所に構わず出入りしたり、迷惑な場所に脚立等を使って陣取ったりする

    ⅲ 自分の撮影に対して邪魔な者がいると罵声を浴びせる

    ⅳ 時には写真に邪魔なものを、例えば他人の敷地にに生えている樹木等であっても無断で伐採したりする

   等の活動が喧伝されてしまった結果、悪い印象を持たれる事も多くなった。

   ただ元撮り鉄であった書き手は言いたい。撮り鉄が悪いのでは無い。常識と良識を持たない一部の者が(撮り鉄に限らず)悪いのだと。


  ② 盗り鉄

    ①と同じ発音だが種類は異なる。こっちは鉄道会社の物である鉄道の備品等を盗んで持って行ってしまう者に対してつけられた蔑称。鉄オタ最悪の形態のひとつ。


  ③ 模型鉄

    鉄道模型を集めたり走らせたり、更にはジオラマとかを作ってあそんだりする鉄オタ。案外お金がかかる。また模型もNゲージ(軌間9mm)ならまだしもHOゲージ(16.5mm)、Oゲージ(32mm)と加速度的に大きくなり、値段も場所も高上り。

    更にライブスチームとか乗れる模型とかになると5インチゲージ(127mm)なんてのも。この辺のサイズともなるともはや乗って楽しむ遊具並。庭に敷設するのすら躊躇する大きさとなる。


  ④ 施設鉄

    踏切や信号、切替えポイント等の施設や、場合によっては駅の構造等まで楽しんだりする鉄オタ。

    なおポイントや線路だけだと配線鉄、車両までカバーすると技術鉄となる。

    この辺りや③の模型鉄が更にこじらせると⑤へと進む……かも。


  ⑤ 庭園鉄道、庭園鉄

    行き着くところまで行き着いて、ついに自分の乗れる鉄道を作ってしまった状態。5インチゲージ(127mm)なら上に乗る形だが、15インチゲージ(381mm)ともなると車内に入って運転するなんて事になる。

    当然それなりの広さの敷地が必要。しかし中には室内にこの大きさの鉄路を敷く強者もいるらしい。


2.今回出てきた鉄道用語


 ○ ガントレット

   複線区間の一部で単線+αの幅しか取れなかった場所に作られる、ポイント不要かつ単線幅に近い幅で電車を通せる線路の事。単複線とも呼ばれる。

   2本のレールが接しているが分岐はしていない状態で、単線幅+αの場所に設置されている状態。

   日本には現存しないが、外国の路面電車等には結構ある模様。


 ○ ナベトロ

   積載部分が上向きの鍋のような形をしたトロッコ貨車。鍋の部分が横倒しになって積載物を一気に出す事が出来る構造。砂利や砂、鉱石等を運ぶのに用いられた。


 ○ 軌間

   鉄道のレールとレールの間隔の事。

   詳細は次章にて。


 ○ 双頭レール、平底レール

   レール断面の形状の事。双頭レールは『I』形断面で、上下同じ形。摩耗した場合は上下ひっくり返せば再利用可能。日本が英国から鉄道を輸入した当初はこの形だった。

   なお平底レールは現代使われているレールの形状。

   

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