免疫力の作り方
バブみ道日丿宮組
お題:1000の外側 制限時間:15分
免疫力の作り方
集落が10人だったらという本があった。
興味本位というのは本当だったけれど、どう考えても図書室にあったこの本は普通に売ってたものではないと思う。
まず手書き、ホッチキス、バーコードなし、貸し出し札なし。
つまりは……学校が意図して置いておいた本ではないというのは確か。
「……うーん」
読めば読むほど、気味が悪くなるが……人間の始まりとして考えるとこういうことなのだろうかと思うが発想が未来なのか過去なのか、現実のことなのかわからない。
まず10人が10人子どもを産み、そしてそれが連鎖して100人の集落となる。
そこからさらにまた交わり1000人の集落となる。
その中で殺し合いをはじめ、1人残ったものを集落の外に出す。
外に出すのは、まるで機械に見えるスーツを着込んだ人間。その人が集落とは違う施設の部屋に連れてく。
その繰り返しをした人間を施設内に集めてくというルーチンを最初に行う。
そしてその人間たちを交わり合わせる。そして10人という人間を作る。
その作業を10回繰り返し、ようやく施設の部屋から開放し、知性を授ける。いわゆる学校に通わせるという。生き残りのさらに濃い血の混じり合いなせいか、教室には似てる顔ばかりが集まるという。
さすがに成人に近づくに連れて顔つきはそれぞれ変わるらしい。
「ふぅ……」
なんとも馬鹿らしい話だ。
だが、こんなことありえないとはいえない。
なぜならば、その学校名は僕の通ってる学校名。僕が住んでる孤児院の名前が施設の名前。
偶然の一致だとは思うが、鳥肌が立つのを抑えきれない。
「……」
でも、あの孤児院には特別なゲートがあるエリアと、なぞの地下室があるシェルターがある。誰も入ったことがないし、先生に聞いても教えてくれない。
関わってもいけないし、頭のなかにいれないといってくるくらいだ。
だとすると、この本を書いた人はその施設にいたーー施設側の人間だった人の日記だろうか? 何にしても、この世界に人が少ない中でこの孤児院だけは人が1000人以上も生活してるのは異常だとラジオでも、歴史の教科書にも書いてあった。
理由は免疫力などの理由で、産まれてもすぐに死んでしまう。凶暴さを持って暴れまわるなど不思議なもので長生きするのが大変だとか……。
「……」
ここだと信じられない。
やっぱりこの本は特別なんだとそう僕が腰をあげ、後ろを振り返ると本に写り込んでた1人の少年にそっくりな人物が笑ってた。
免疫力の作り方 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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