【短編】格闘ゲームの世界に巻き込まれた私を、誰か助けてください！

エピローグ ～『友人とのチャット』～

　金田との闘いに勝利し、ゲームから抜け出してから数日が過ぎた。今はもう急な眠気に襲われることもない。平穏な日常が返って来たのだ

（変化のない日々こそが最大の幸せですね）

　ベッドに寝転がりながら、スマホを弄る。グループチャットは友達の恋バナで盛り上がっていた。

『サクラはさ、まだ好きな人とかできないの？』

　いつもなら軽く受け流すメッセージが届く。ドキリとしながら、自分の心の中の変化を実感する。

『いますよ。相手は秘密ですが』

　そう答えると、グループチャットが質問で埋め尽くされる。難攻不落の桜姫を落としたのは誰なのかと、友人たちは興味津々だった。

（落ち着くまでは様子見ですね）

　きっと好きな相手が誰かを聞き出すまでは、友人たちの質問が止まることはない。冷静になるには時間がかかる。

　一旦、グループチャットから抜けると、別の友人から個別メッセージが届いていることに気づく。

『あの、格闘ゲームの世界に巻き込まれたって話、信じられる？』

　友人のメッセージに驚かされる。桜はゲームを抜けられたが、《格ゲー世界》そのものが消えたわけではない。まだ裏では開催され続けているのだ。

（でも、梅沢くんなら……）

　きっと救ってくれると信じ、彼に助けを求める。答えはすぐに返って来た。予想通りの返答に、自分の惚れた相手は間違っていなかったと、口元に小さな笑みを浮かべるのだった。

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ここまで読んでいただき、ありがとうございました！！

これにて完結です！

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