【設定資料】登場人物名鑑 ※追記の予定あり
●
【ハンス・グリム・グッドフェロー】
……二十八歳。空軍大尉。
全
予備役士官訓練過程により一般大学に通う傍らで四年間の空軍士官教育を受け、パイロット候補生として任官。飛行士官課程を終えたタイミングにて前大戦が開戦した。
本来の
豆は酸味の強いものより苦味の強いものを好んでおり、ブラジルのフレンチローストよりもマンデリンのフレンチローストの方がコクが芳醇であるので好みである。中細引きが好き。抽出温度は低めで蒸らしてから高め。
来たる戦火に向けて幼少期から戦闘のための技能を磨いた。常に事態に備えていることを信条とし、勿論、猫のおやつも常に複数持ち歩いている。どの味が職場で見かけるどの猫ちゃんに一番気に入られるかもちゃんとメモしている。備えよう。
由来は『鉄のハンス(KHM136)』。
【シンデレラ・グレイマン】
……十五歳。空軍准尉。民間登用からの
本来の
反面、ある経験から老人にはとても親切。
家族からはネグレクト気味に扱われ、かつて研究者である親への警告として誘拐被害を受けるも、親からの援助は受けられないばかりか厄介者のように扱われたことへの強いトラウマを持つ。
自衛のためにコンバット・シラットを習得。更にアーモリー・トルーパーの障害物ジュニアレースにて二度準優勝した経歴を持つ。勉強は学年上位で、勉強のときだけたまに眼鏡をかける。休日に一人で少し寂れた静かな美術館に行くのが好き。オンラインゲーマー。猫舌。辛党。
元々
現在は【
由来は『灰かぶり(KHM18)』。
【フェレナンド・オネスト】
……二十三歳。空軍少尉。新兵から研修を経てハンスの隊に配属された部下。
赤髪のお調子者だが、兵士という理想への職務意識は高く、根性はある。本来の
女性に明るく覚えもいいが、本人は自分の恋愛感情に酷く疎いために他人から指摘されると赤面して慌ててギクシャクしてしまうタイプの人間。
サッカー、バスケットボールなどを得意とし、今はカバディに興じている。基本的にスポーツは万能。休日はクライミングやボルダリングに向かうなど、アクティブな余暇を楽しむ。バーベキューも好きで、肉の焼き方には一家言あり、普段の粗雑さはなりを潜めて神経質に。
自分の居た促成士官育成過程で演説をしたハンスをとても慕っている。
由来は『誠実なフェレナントと不誠実なフェレナント(KHM126)』、『オネスト(honest:誠実な)』。
【エルゼ・ローズレッド】
……二十四歳。空軍少尉。かつての大戦では民間人からの登用者として戦争中のオペレーター業務を務める。
基本的に丁寧語で話すが内面は雑で辛辣。壊滅的に料理が下手であり、揚げ物を機械油で揚げたことがある他、冷蔵庫の中にはビールしか入っていない。林檎を剥くために刃物を自分側に向ける事実を未だに信じられず、虚偽の情報だと思っており、いざ目の当たりにしたときにはついにハンスが戦闘の後遺症ストレスで狂ったと思っていた。刃物を両手で持つために猫の手など知らない。人の生命を刈り取る握り方をしている。優秀な姉がいる。
非常に華奢で小柄ながらも見目麗しく、何よりも人当たりが良いために軍の広報活動などにも出番は多い。異性からもモテるのだが、小柄な彼女に敢えてアプローチしてくる男たちにいい思い出がないために丁重に断っている。
戦時中もハンスの部下で、戦争集結後に改めて士官候補生となり部隊に配属される。慇懃無礼で辛党。飲酒時には常に年齢確認を求められるほど小柄。機械いじりとバイク好き。
由来は『雪白と薔薇紅(KHM161)』『知恵者エルゼ(KHM34)』。
【ジュスティナ・バルバトリック】
……二十六歳。兵科は憲兵。空軍犯罪捜査局に勤務。
テロリストに制御を奪われた民間輸送機を撃墜した兄は自殺し、夫は撃墜によって死亡した。
●【
【マクシミリアン・ウルヴス・グレイコート】
……二十八歳。大尉。かつて
メイジー・ブランシェットの父違いの兄で、幼い妹の婚約者となった男を見極めるために、そして妹とその養父の暮らす国を見極めるために来訪する。
大戦においては祖国である
リーゼ・バーウッドの理想に共感し、スティーブン・スパロウ中将の要請において【
家事全般は得意であり、特に料理の腕も上級。レストランに食べに行くとその後に味を再現しようと黙々とキッチンに籠もって熱中する癖がある。大戦で経た多くの心理的疲労から、顔付きや声色が変化した。
本来の
由来は『赤ずきん(KHM26)』。『灰色ひげの狼』。
【アシュレイ・アイアンストーブ】
……三十三歳。元・
その技術は熱力学兵器を利用した大気の流動操作や光の拡散や屈折の操作など多岐にわたる。
しかし続く戦場にその精神を蝕まれ、大戦の終結と共に退役。以後は
その際、偶然ながらに撃墜されたシンデレラと出会い、彼女の手術を担当。その後、被撃墜のトラウマに苛まれながらも懸命に生きようとして戦いに向かう彼女の背に、彼女を守るために再び戦場に出ることを決意する。
実はかなり鈍臭くてドジなタイプで、長身を猫背に曲げている。しょっちゅう身体をぶつけてしまうために、どこかしらに湿布を貼っている。料理の腕はそれなりだが、お菓子作りは大変得意で診療所を訪れる子供たちに配っている。息抜きには、かわいいクッキーを焼くのが趣味。
本来の
由来は『鉄のストーブ(KHM126)』。
【ロビン・ダンスフィード】
……二十九歳。元・
手榴弾の榴弾一つ、ミサイルの破片一つ、全てを己の指揮下において演奏する戦場音楽家。
更にはその燃料や熱量や風向の変化によって気象を自在に操り、数分のうちに積乱雲を発達させ天候により攻撃を行うという超絶技術を有する。敢えて彼の能力を定義するとすれば、粒子の操作と呼んでいいかもしれない。
元バンドマンであり、唯我独尊の気質を持ち態度も悪く言葉も荒いがその実、精密な気配りと場の調整を担うというタイプの人物。かつて【
軍事費の増大に伴った他の予算の削減によって大学進学のための成績優秀者への助成を削られ、社会保障費の増大や、逆説的な医療保証費の削減など金にまつわる不利益を受け続け、更に戦後の傷痍軍人や遺族への補償減を契機に軍を辞して民間会社のテストパイロットに転職。
ガンジリウム中毒によって家族を蝕まれ、己に戦況を託して決死の覚悟で散っていった軍人たちの僅かな願いや尊厳までも踏みにじられるという現実に対して、酷く厭世的な気持ちを抱いている。
冷蔵庫の中のありあわせのもので美味い料理を作るのが得意で、粗暴そうながらも文化に明るく知性を感じるやり取りも得意。観劇が趣味で、特に悲劇が好き。
本来の
由来は『蛇の話(KHM105)』。『コマドリ≒英にてロビン』。
【ローランド・オーマイン】
……二十二歳。元・
マクシミリアンに使用人の如く付き従う。
様々な専門性のある分野でも十分な結果を示せる完璧超人の面もあるが、その分野でも突出した才能に及ぶことはできず、また、万能性という意味でも上には上がいる。
ただ、唯一
彼はそのことに強くコンプレックスを抱いていたが、同様に双子の兄も彼へのコンプレックスを抱いている。
特技は紅茶であり、趣味としては繕い物がある。特に何もないときには気を紛らわせるためにぬいぐるみを作っては孤児院に寄付を行ったりしているようだ。学生時に、手芸と園芸のコンクールで優勝した。
本来の
由来は『恋人ローランド(KHM56)』。
【ハインツ・オーマイン】
……二十二歳。元・
マクシミリアンに使用人の如く付き従う。
元は外向的な性格であったが、双子の弟と比べられることも多かったために、彼へと似せた立ち振る舞いをしている。これは兄弟間での絆の確認と同時に、本当に見分けがつくのか親への試し行動の意味もあった。
全ての分野において弟に負けているが、唯一、
わりと物臭な性格で、休日にはベッドで特に意味もなくシーズンもののドラマを中途半端な話数から眺めることで訳もなくだらけているタイプの人間。
面倒見は良く、また弟や家族へのコンプレックスを持つという点から本来の
由来は『ものぐさハインツ(KHM164)』。
【アーサー・レン】
……二十六歳。海軍少佐。
大学生半ばで促成士官教育課程に志願し軍艦に配置されるも、上級者が敵の襲撃によって相次いで死亡。そのまま最上級者として最新鋭軍艦【
顔だけはいい男と称され、意気地なしでやる気がなく無責任であったが、戦争を通じて歴戦の艦長として成長する。終戦後、諍いを起こして閑職へと左遷される。
本来の
由来は『黄金のがちょう(KHM57)』『みそさざいと熊(KHM102)』。『レン(Wren):英にて、みそさざいの意』『アーサー(Arthur):熊の男』。
【スティーブン・スパロウ】
……中将。国家安全保障会議に議席を持つ。
【
リーゼの理想への共感と同時に、その立場からくる社会的な危機感を以って世界の黄昏を認識。斜陽に向かう国家支配秩序の異なる形での存続を計画する。
【
甥はサイファー・スパロウというメイジー・ブランシェットの攻略対象である貴族出身の
【カリュード・カインハースト】
……元・
不死身の狩人と称され、幾度撃墜されても復帰してやがて敵を撃破するという
シンデレラの小隊員を務めるも、交戦で死亡した。
由来は『腕のいい狩人(KHM111)』。
【ライオネル・フォックス】
……元・【
不死身の海賊の名を持ち、敵地にて撃墜されても敵軍の機体を奪取して復帰する
シンデレラの小隊員を務めるも、交戦で死亡した。
由来は『狐と馬(KHM132)』。
【エース・ビタンブームス】
……十九歳。海軍准尉。元・
メイジー・ブランシェットの同級生であり、彼女への対抗意識が次第に淡い慕情へと変わっていき、軍用艦への避難のそのままに彼女と行動を共にした。
終戦後は軍にて教導官を務めるが、貴族の師弟とのトラブルから閑職へと左遷。その後【
本来の
由来は『「さんかのごい」と「やつがしら」(KHM173)』。『「さんかのごい」=ビタン』『鳴き声=ブームス』。
【エリック・グレイマン】
……四十三歳。技術大尉。シンデレラの実父。
自分の天才性への誇りと承認欲求、同時に自分の非天才性への恐怖を抱えた男。幼少期から内向的な傾向にあったために同年代の女性たちから恋愛対象に選ばれず、そのことを深いコンプレックスとして抱えている。
研究のために家庭を顧みない人間であり、更にシンデレラと同年代ほどの少女と金銭によって肉体関係を持つ。付け加えるならシンデレラの母はシンデレラほどの年齢の頃に飛び級で進学をしてきたのだが、彼はそんな折に彼女へと関係を迫り、その後も関係を強要。そのまま、なし崩し的に結婚した。
軍から与えられた期限の中では第四世代型アーセナル・コマンド【ホワイトスワン】が自身の要求に足るスペックに至らないことに不満を持ち、【
前述のコンプレックスをギャスコニーに刺激され、シンデレラが自分の子供ではないという被害妄想を抱えることとなる。
本来の
●【フィッチャーの鳥】
【ヘイゼル・ホーリーホック】
……二十九歳。特務大尉。
洒脱で男性的な魅力に溢れる伊達男。飲酒や喫煙などによる身体的な機能低下を嫌がるハンスに、それらを勧めた過去を持つ。嗄れたハスキーボイス。
常に皮肉的ながら享楽的。厭世家にして楽天家。肩の力を抜いて適当に行動する面もあるのだが、面倒見は良く親身に相談に乗ってくれる人格者。
感覚派である面も、ロビン・ダンスフィードと反りが合わない原因だろう。
貧困家庭出身のロビンに対して、幼少期から由緒ある音楽大学に通える裕福な家庭に育つ。そして、コンクールの常連であったヴァイオリン演奏家。その分、数多くの浮名を流したが本命には相手にされないことが多かった。
その戦闘能力は超越的の一言。
警告射以外で弾丸を敵に必ず命中させるのは当たり前で、周波数の切れ目を狙って《
その聴覚の応用によって他人の意識の切れ間を察知するのも得手としており、遠距離狙撃からの近接銃撃への切り替え、近接銃撃中での敵からの捕捉を切るなども容易いもの。
敢えてその技能を言うとすれば――波動の操作であろうか。
妹が一人いたが、既に亡くしている。
趣味はランニング。空いている時間は概ね走っていて、休日もひとまず好きに走ってから目に付いた店で食事を取ることにしている。
本来の
由来は『聖母のおさかずき(KHM207)』『釘(KHM184)』。
※『聖母のおさかずき』にて盃とされた花はヒルガオであるが、描写にある赤い縞模様の種類は調べた範囲では確認できず、ホーリーホックはタチアオイを表すだけでなく広く薬草に当たるものも含むため、種族が異なるにしろ形状が親しいことからこちらを採用する。
【ラッド・マウス】
……三十六歳。空軍大佐。平時における最速での承認を経て昇進する。機械工学などにも精通する天才。
その正体は情報局の所属であり、そこから憲兵として出向して
かつて死したマーガレット・ワイズマンの婚約者。また、本来の
ハンス・グリム・グッドフェローに強い執着を持つ。
本名は、コンラッド・アルジャーノン・マウス。
由来は『サンドリヨン(ペロー版)』『ハーメルンの笛吹き男(グリム兄弟著・ドイツ伝説集)』。
『ラッド≒コンラッドの愛称』『ラッド(Rad):独にて車輪の意』『マウス:英にてネズミの意』。
【ヴェレル・クノイスト・ゾイスト】
……特務大将。【フィッチャーの鳥】の最高指揮官。国家安全保障会議のメンバー。
ハンスの父、マクシミリアンの父、マーシュの父、メイジーの父(義父)との面識を持つ。
アーセナル・コマンドという脅威に対して社会を終わらせぬためにその対抗策を構築することを目標とし、【フィッチャーの鳥】の設立。更にそのドクトリンの実戦演習相手かつ不穏分子の炙り出しとして【
由来は『クノイストと三人の息子(KHM138)』。
【コルベス・シュヴァーベン】
……特務大佐。右目が刃傷によって潰れた火傷顔の大男。
キングストン級一番艦キングストンの艦長。
相次ぐ上位者の死亡に伴い、前大戦中に中佐のまま方面艦隊の指揮を任されるに至った筋金入りの軍人。
有能であるが苛烈な差別主義者にして非人道家。
笑顔が極めて不気味であり、彼の画像は今日もネットの海で新たなコラージュを生み出して恐れられている。
既婚者。息子も軍に所属する。大戦に伴い妻とは死別している。
由来は『コルベスさま(KHM41)』『シュヴァーベンの七人男(KHM119)』。
【キャスパー・ロックウェル】
……特務大佐。優男の風貌の策略家。
キングストン級三番艦『ブラック・サンライズ』の艦長。元海軍パイロットでありながら、その後の職種転換によって砲雷手として昇進。ついに艦長に至る。
自他共に認める臆病者で、かつての大戦にて味方から一人の離脱者を出すこともなく根拠地を後にした「大逃げ」を二つ名とされている。その後その根拠地は、シュヴァーベンによって奪還された。
二度ほど離婚を経験している。子供はいない。
由来は『泉の子ヨハネスと泉の子カスパール(KHM74a)』。『カスパール≒キャスパー』『ロックウェル(Rockwell):石の多い泉、の意』。
【ジャマナー・リンクランク】
……特務中佐。ネズミのような貧相な顔の男。
キングストン級四番艦『アトム・ハート・ファーザー』の艦長。
戦時には理由を付けて前線に出ることなく、物資を横流しすることで個人的に官僚や議員たちとの縁を深めた。その影響で武器弾薬が枯渇し壊滅した部隊もある。
小心者かつ無能者であるが、その汚職者たちとの縁を買われて【フィッチャーの鳥】に引き入れられる。
ただし悪い面ばかりでもなく、孤児たちに対しての寄付や遺族への資金援助などは行っていたらしい。勿論、善意だけではなく打算や見返りあってのものだったが。
前線に出て活躍した訳ではないために周囲に対しての強い負い目があり、それを取り繕うために非常に名誉欲や承認欲求が高い。
由来は『リンクランクじいさん(KHM196)』。
【フィア・ムラマサ】
……特務准尉。中性的な十三歳。性別不詳。
かつて民間人の際、街に進行してきた敵軍への迎撃に現れた三機の
ジャマナー・リンクランクにより
本来の
由来は『狼と七匹の仔山羊(KHM5)』。『狼は足を白く染める』。
●【
【ヘンリー・アイアンリング】
……二十四歳。特務中尉。
メイジー・ブランシェットに憧れ、彼女にあやかるために片側だけ横髪を三つ編みにしている。
元々スポーツマンであったために負けん気が強く、傲慢な面がある。やれば大抵のことができてしまった上にスクールカースト上位層であったために、基本的に向こう見ずで自信家の面もあった。【フィッチャーの鳥】という選抜部隊に選ばれたことも、それを助長した。
しかし、【
本来の彼の性格はスポーツに真剣で強い努力家。目標のためなら全力を注いでその達成に向かうタイプだった。
趣味はスポーツ観戦。テレビではなく、実際にスタジアムに足を運ぶのが好き。女性に対しては特に奥手でもなく積極的でもない。相手から乞われれば交際しているだけで、今まで、恋心というものを抱いたことがない。
本来の
由来は『かえるの王さま、あるいは鉄のハインリヒ(KHM1)』『ヘンリー≒ハインリヒの英名』。
【エディス・ゴールズヘア】
……三十四歳。特務大尉。部隊の最先任。
ライオンのような金髪と精悍な風貌を持つアクション俳優めいた軍人。かつてハンスら【
豪快かつ明朗にして、プロフェッショナル意識に溢れた軍人。ハンスの理想の上官像は彼から作られた。
ある事情により自身は戦闘に出撃できず訓練生を見送るだけの毎日を経験し、同様の葛藤を抱えたアルテミス・ハンツマンとの仲を深めて戦時中に結婚した。
彼女とはその後生活の不一致で離婚したが、未だに未練があり、どうメッセージを送るべきか常に悩んでいる。負けた気がするので自分から連絡は取りたくない。
彼女が再婚するとしたら祝福できるのか、それとも奪い取りに行ってしまうのか自分でも判らずに悶々とする。家事全般は彼がやっていた。好きなものは、あまりにも不味いがそれでも元妻のほうれん草のパイ。
女性にモテる上にプレイボーイであったために、それが余計に元嫁を怒らせた。
しかし交際時からは一途であり、嫁以外の女性に目を向けたことはない。勿論、彼女が相応の美貌の持ち主というのもあるが……それはそれとしてパーソナルエリアに注意して近付かれすぎないようにする程度には徹底している。
由来は『金の毛が3本生えた鬼(KHM29)』。
【エコー・シュミット】
……二十六歳。特務少尉。
片目を眼帯で覆った銀髪ツインテール。十六歳の少女ほどにしか見えないが、れっきとした成年。
かつては民間軍事会社でハロルドの護衛に当たっていた。斧剣と巨大ハンドガンのスタイルはその際から。
その力を悪用し、日常生活においても短時間で読書を終えたり会話を先読みして相手を驚かせたりしている。無論だが、そのたびに『死に戻り』で死の苦痛を味わう。
一番最近の死に戻りは、ヘンリーの所属祝いに年少メンバーを連れてレストランに行った際に奢ろうとしたが会計時に財布を忘れたことに気付いたというもの。
その過去から『誰も未来の情報を信じられない』との信条を持つ。汚部屋。服装がセクシーなのは引っかかって転んで死ぬことも演算してしまうため。たまに演算中に食事を済ませたことが原因で本来の食事を忘れてしまい餓死する未来の演算に至ることもある。
由来は『鍛冶屋と悪魔(KHM81a)』『若く焼き直された小男(KHM147)』『白蛇(KHM17)』。
【サム・トールマン】
……二十五歳。特務中尉。元・民間人登用者。
頑健な体躯と長身。額に手術痕がある禿頭の青年であり、その瞳はどことなく爬虫類を思わせる。
マーガレットの空間識・リーゼの電脳制御・ロビンの弾道制御に限りなく近接する技能を持つ【
ゲルトルートとは近所の幼馴染で、どことなく朴訥としていたサムへとゲルトルートが世話を焼いていた。
趣味は観劇や映画鑑賞で、わかりやすいアクション映画ではなくどちらかというと難解な映画を好んでいる。そのときは、一人で鑑賞に向かう。
好きな食べ物はワッフルやバウムクーヘンであり、一人で黙々とバウムクーヘンを一枚一枚剥がしながら食べていたりするが、その度に製作者に申し訳ないのではないかと少し気にしている。
由来は『若い大男(KHM90)』『めんどりの死んだ話(KHM80)』。
【ゲルトルート・ブラック】
……十九歳。特務中尉。元・民間人登用者。
サムとは幼馴染。幼少期から年下ながらに彼の世話を焼いていた。その際は近所の腐れ縁のお兄さんぐらいの意識であったが、かつてボーイフレンドから暴行を受けそうになったところを彼に助けられた経験を持つ。
サムと共にサー・マーク・ベケットという少佐の下で地元から志願した民間人登用者の部隊に属していた。
その時の、ベケット少佐の死亡後の援護に訪れたハンスとのやり取りを侮辱と捉え、以後、最強であることへの強いこだわりを持つことになった。
前述の経緯からやや男性不信の意識もあるが、サムだけは例外的に休日も行動を共にする。
機体性能も高く潜在能力も高いため、シミュレーションにおいて部隊の中での最速の撃破タイムを持っている。
由来は『トゥルーデおばさん(KHM043)』『トゥルーデ≒ゲルトルートの愛称』。
【ハロルド・フレデリック・ブルーランプ】
……十五歳。特務大尉。片目を眼帯で覆った少年。
フレデリックの双子の兄であり、上官。幼少期からの
いわゆる天才少年で、父母と共に若干十歳ながら戦時特例による少尉での任官が認められ、技術少尉として軍務に従事していた。
急襲してきた敵軍の動きに対応の決断ができずに対応部隊がまごついている中で基地内に浸透してきた兵士によって両親を撃ち抜かれ、その身体の破片が片目を突き破り大脳にも損傷が発生。それが理由でラッド・マウス大佐の計画の被験体となる。
前述の経験から、特に指揮においての優柔不断を許さず、彼自身もその判断のための学習や訓練に力を入れる。
非常に細かく世話焼きなタイプで面倒見がいい。その外見から軍内で侮られることもあるためにやや過剰な振る舞いをしているが、慣れてしまえば相手の人種や性別に関わらずに尊重し広く意見を取り入れる懐の広さを持つ。
趣味は特になく、急な休暇を与えられてもどう休んだらいいのか判らず仕事に関わることをしてしまう。ワーカーホリック。
かつて自分の護衛を努めていたエコー・シュミットが初恋の女性。彼女に性癖を破壊された。
由来は『青いランプ(KHM116)』『フリーダーとカーテルリースヒェン(KHM59)』『二人兄弟(KHM60)』。
【フレデリック・ハロルド・ブルーランプ】
……十五歳。特務中尉。
ハロルドの双子の弟であり、彼と異なり正常に肉体は成長している。むしろ十五歳にしては不釣り合いなほどに出来上がった身体を持つ。
兄と異なり幼少期からの
父母と共に兄だけが軍務に向かい、己の一人が置き去りにされたこと。そして兄しか戻って来なかったことが彼の中で若干のトラウマとなっており、兄を追う形で軍に向かいラッド・マウス大佐の被験体として志願した。
十五歳の少年らしく、指揮などには長じておらず、休日はスポーツやゲームなどに興じる。兄よりも自分に告白してくる女性のことを、見る目が無いと思っている。
由来は『青いランプ(KHM116)』『二人兄弟(KHM60)』。
【ライラック・ラモーナ・ラビット】
……十三歳。特務准尉。透明感のある無重力少女。
先天性疾患のために蝕まれる全身の骨格を、ケイ素化合素材に置換。通電に伴い骨格を自在に軟化/硬化させることで流動物のように振る舞うことが可能である。生身での戦闘能力は非常に高い。
本来は
子供扱いで遠ざけられることを嫌う。特に「お前みたいな子供が」という言葉に類する発言の全てが過去を思わせるために強い拒絶心を持つ。逆にそこの線を超えなければ、本来の人見知りの性格が覗いてそこから少しずつ交流を深めようとしてくるだろう。
人生の大半を病院で過ごしたためか、年不相応に幼い面と年不相応に達観し冷淡な面を持つ。好きなことは庭園鑑賞や風景ホログラムの鑑賞。彼女にとってそこは、本当は、ただ見ることしかできなかった場所なのだ。
自分の一番は保護を行ってくれた養父の大佐であったが、近頃、別に少し気になる男性ができたようだ。
ライラックが本来は名前である筈なのだが、彼女はこれで呼ばれることを好まない。そのため、ラモーナと呼ばれたがる。
甘々ママとクール辛辣ロリの性質を併せ持つ。だが本当はかなりの寂しがり屋で、自分がそんな風に甘やかされたいなぁと思っている。
由来は『子ウサギのおよめさん(KHM66)』。
●
【ウィルへルミナ・テーラー】
……十七歳。外宇宙探索船艦長の一人娘。
外宇宙探索船【
それは十四歳のときだ。
彼女は幸運にも後者であり、更に大学進学も許されるほどの学力を有していた。これは――本当に幸福だ。
この幸福というのは、その程度の学術的素養を養えるだけの経済状態の家庭環境にあったと言うことであり、同時にそれほどまでの外見的な美しさを持ちつつも大学進学を許される――その進学判断結果を不当に歪められることなく――だけの権威を、家が持ち合わせていたという意味での幸運だ。
そしてさらなる幸運は、高等教育への進学を前に、父の縁にてグレイコート博士との交流の機会があったこと。
聡明なる彼女は彼と言葉を交わすうちに、或いはその書斎にある資料を見るうちに、己たちを取り巻いている社会構造の歪さに気付いてしまった。
真空の宇宙に住処を切り開いた開拓者の気概は、そんな過酷なる生存環境を前に、損なわれた。
その真なる虚空にても生存を維持するために――それも生物の当然の本能として己個人を第一としたものに――変わってしまっていたと知る。
しかし彼女はそのときには、未だ、社会に対する責任感や義務感を抱かなかった。
持っていたのは幸いにも大学進学を許される程度の学力を己の人生でどう活かすかというものであり、或いは父の縁を通じて
だが、戦火がそれを許さなかった。
父たちの外宇宙船団は予算を取り上げられ、己の進学は取り消され、全てが一丸となった戦いを求められた。
更にそれでも父を含めた有志たちは、戦火に焼かれるかもしれない市民の退避のために己たちの船を
多くの弱きに助けの手を。
より多くの生存を。社会の残り香を。
そう願って作られた方舟計画は、政府関係者の調査資料を収集していた敗残の軍人によって全てが変質した。
彼らの合流に伴い、それは人命を運ぶ方舟ではなく思想を載せた方舟となる。
やがてそんな残党軍人との諍いとの最中に父を射殺された彼女に選べる道は、そう多くはなかった。
以って十四歳の少女であったウィルへルミナ・テーラーは死に、その腐敗した社会構造と秩序を焼き払うための混沌の火をその身に宿した女帝が生まれる。
開拓者の精神をそのままに、支配者の力を持った悪役にして令嬢の誕生であった。
名残はない。
本当なら得られた筈の幸福も振り返らない。
彼女はただ、己が定義した役割に向けて自分を燃やし尽くす。
一つ言うなら――……本物の青い空を、ただ一度でいいから、誰かの隣で見てみたかったというそれだけだ。
由来は『蜜蜂の女王(KHM62)』『つむとひとぬいばり(KHM188)』『二人の旅人(KHM107)』。『テーラー≒仕立て屋』。
【アーネスト・ヒルデブランド・ギャスコニー】
……二十四歳。元・
経験なる信徒にして破戒者。
その本質は戦闘能力にあるのではなく、強固な信仰が故に揺るがぬ己と他者を惑い揺るがせる言動。恐るべき獣は同時に、美しき失墜を与える背徳者なのだ。
口づけだけで心を蕩かし、指先だけで体を融かす。その力を以って戦地にて民間人を利用することでアーセナル・コマンドの一個中隊を殺戮させた。
民間軍事会社【
更に後の世において猛威を振るう娼婦傭兵団『キラー・クイーン』の基礎も作った。
これはサブスクリプション形式で契約を交わすという民間軍事会社で、要請に応じて傭兵であり娼婦/男娼として性接続方面にも素質を見せてしまう
傭兵団のメンバーはその身体に、ある数字も記載された入れ墨を施され、これを確認して傭兵団に連絡した人間も彼ら彼女らから特別な接待を受けられるメンバーとなる資格を与えられる――というもの。
つまり、戦闘において彼ら彼女らを殺さずに捕虜としてその身体を検めることで、先程まで戦闘を行っていたというのにも関わらず雇い直すことができる上に性的にも搾取できるということだ。
この効果は二つある。
見目麗しく高い戦闘能力を有するという貴重な社員を可能な限り死亡させることなく使い回せるということ。
そしてもう一つは、その話を流せば、そんな利益欲しさに『キラー・クイーン傭兵団』を雇用している者へと敢えて攻撃を仕掛ける者が生まれるということだ。
強く美しく犯し難いものを、自己の欲望の虜にできるという魅力。
この仕掛けは、国家秩序の下の文明では大きな効力を発揮しない。
しかし社会が乱れ、勢力が小さく別れ、多くの群雄が割拠してきてしまう世界にあっては――――それは絶対的に世界の争いを収束させることなく、己たち傭兵の生きる場が人々の欲望のままに常に生まれ続けるという構造の確立を意味する。
そしてそんな混沌でこそ、あたかも神の如き振る舞いを行う地上に現れた不敬なる紛い物たちを滅ぼすことができるのだ。
故に彼は破戒を以って信仰を確立するという狂信者。
本来の
由来は『ヒルデブランドおじい(KHM95)』
【トレス・スネークリーフ】
……三十三歳。従軍牧師。
外宇宙船団を乗っ取った敗残兵たちの元で宮廷道化のように振る舞うが、その
かつてアーセナル・コマンドを駆り、
由来は『三枚の蛇の葉(KHM16)』。
【ジョン・ヘムズワース】
……三十四歳。元・
祖父母が
宙間レース出身であり、どんなレーサーにも一度は勝利したという『撃墜王』の名を持つレーサーだった。ハンスも彼のファンである。
母国から自己に与えられる扱いや母国の政策について強く思うところがあるが、チームメイトを見捨てることができずに彼もまた志願した。同じく戦友を見捨てられず、残党としてのテロリスト活動に従事する。
庇いに向かった筈のハンス・グリム・グッドフェローから迎撃を行われ、モッド・トルーパーほどにすらも力場を持たないアーモリー・トルーパーによって圧倒される。一度は見逃されるも追撃され、その母艦ごと機体に搭乗も叶わずに撃沈された。
飛び続けた男は、飛ぶことも許されずに撃ち落とされた。
由来は『忠臣ヨハネス(KHM6)』。『ヨハネス≒英にてジョン』。
【キリエ・クロスロード】
……十九歳。元・
元は孤児院の修道女であり、かつて遊覧船にて海に出ているときに己の住まう都市を焼き尽くされた。
彼女の抱いた後悔は、孤児院の家族を遊覧船に誘わなかったことではなく、ハンスの齎した滅びの極光をこの世の何よりも美しく感じてしまったそのこと。
やがて軍へと志願し、基本的に女性の男社会への参入を嫌う
一度はハンス・グリム・グッドフェローと交戦するもなすすべもなく撃墜され、その際、捕虜となった彼女への暴行を働こうとした男性から助けられたことで、そしてそのときに正体を知らなかったことで、更に彼によって本国への兵員輸送船を護衛されたことで複雑な想いを抱える。
やがての再戦のために特別な武装改修を施し、それは加速飛翔状態のマーガレット・ワイズマンの機体の片腕を切り落とすほどの四圏一の剣速を持つ抜刀術へと昇華された――ただあの青年を斬るために。
しかし本国は降伏し、再戦の機会を得られることはなくなり、彼女は
先に降伏した
ハンス・グリム・グッドフェローによって斬断され、最後の一念で力場を暴走させた自爆を行い死に巻き込もうとするも戦闘続行される。
由来は『キリエ・エレイソン(主よ憐れみ給え)』及び『クロスロード作戦』。
【フレディ・オールドマン】
……元・
カリュードの元上官であり、本来は
しかしながらその戦闘指揮は卓越したと言う他なく、政府との秘密裏の取引によって再び戦場へと現れた。
【アイク・スクリーム】
……元・
特殊改造した電熱線兵器により敵機体を麻痺させ、鹵獲する。捕虜とした敵軍人への電撃を利用した拷問を好んでいた。人心は醜悪だが、戦闘においては人類有数の力を持っていた。
エコー・シュミットにより切り裂かれ死亡する。
【アンドレアス・シューメーカー】
……元・
急戦派にして強硬派。
本国の降伏以後も抗戦を続ける残党たちの派閥の一つのリーダー。
すなわちは他に職業を選べない食い詰め物か、それとも武家の如く専門的な武官の家系かだ。
前者は低階層での生まれでも市民から敬意を払われるという魅力がある職業であるが、後者の場合はより苛烈だ。つまりそれだけの教育を受けられる程度の家位を持てるということであり、そしてそれを剥奪されれば悲惨の一言に尽きるということだ。
だからこそ彼らはより勇猛に、より果敢に、より忠実に振る舞う。己たちの誇らしき戦闘身分たちをそのまま保つために、家名を保つために、彼らはより激しく先鋭化していく。国家や上官への忠義を疑われないために。
彼も、そんな高級将校を生み出す家名の一つだった。
彼の失着は、連合首都の最終防衛ラインである改装型宇宙要塞からの援軍要請に応じているそのときに本国からの首脳陣陥落の知らせを受け、艦隊から反転・離脱したこと。
宇宙要塞が援軍を受け取れないばかりか、彼の反転に浮足立った艦隊は襲いかかる
かろうじて戦線を膠着させていた宇宙要塞はこれによって現状打破の手段を失い、そして精鋭を集めた筈の首都方面防空艦隊はまともな戦線に投入されることなく終わりを迎えた。
首脳陣の死亡という不足の事態に、情報欺瞞及び首都への破壊工作を警戒して反転したのか、それとも首脳陣たちへの忠義を見せるための行動がそれを招いたのか、果たして行き過ぎた忠誠の結果なのかは彼以外の誰にも知り得ない。
その後は本国の陥落を眺めつつ、戦域にて離脱兵たちの援護を行おうとするもこれも結果的に失着だった。
宇宙空間にて彼らを迂回した連盟軍は、敵が再集結して攻勢を迎えようとしているということを察知。彼らを目印代わりに主砲を撃ちかけ、慣性の失われない宇宙空間においてその弾丸は大きく敵陣を揺さぶった。
結果、再合流を行うこともできずに彼らは火星方面へと逃げ延びる。
敗戦時に残党たちが暴徒に変貌することを防ぐために、苛烈なまでに――或いは狂気的なまでに祖国が唱えた大義名分を唱え続けて綱紀の粛清を図る。
それを繰り返し行ったために、彼ら残党は軍隊ではなくある種の思想集団へと変化した。
一流の詐欺師は誰かを騙す前に自分を騙すというが、彼もその祖国の唱えた御題目を心の底から信じていたのか――それともあくまでも煽動の一種であったのかは知れない。
或いは彼にとってはもう、何が真実で何が理想で何が方便なのかはもうどうでも良いことなのかもしれない。
終わるべきところで終わり損ねたがそれ故に。
弁舌家は、最後の演説さえも許されず母艦ごとその部隊をラッド・マウス大佐によって蹴散らされて宇宙の藻屑に消えた。
如何に饒舌なる煽動家も、一発の弾丸には比し得ないのだ。
由来は『二人の旅人(KHM107)』。『シューメーカー≒靴屋』。
●市民など
【マーシュ・ペルシネット】
……
公爵の娘であり、父母と共に戦地を訪れ慰問としてピアノの演奏会を行っていた。そして流れ弾によって母が亡くなって間もない十四歳の頃、ある戦地にて父共々スパイ容疑をかけられ激しい取り調べを受ける中で、父は持病を悪化させ死亡した。
父の妹と結婚していた義理の叔父に引き取られるも、そこでも監禁生活を余儀なくされる。
その後、脱出。
その縁で、事件後も交流を続ける。かつて幼少期、ハンスとの面識があるも思い出されていない。
父は、
本名はマーシェリナ・ジュヌヴィエーヴ・パースリーワース・ド・ランピオネール。
由来は『ラプンツェル(KHM12)』。『ラプンツェル(ノヂシャ)≒仏にてマーシュ』。『ラプンツェルの元である「ペルシネット」≒英にてパースリー』。
【アルテミス・ハンツマン】
……二十四歳。元・宙間機動レースの十一冠の絶対女王。元・
その後、人型機械レースのグランプリ女王という経歴を買われ【
その美貌やスタイルとは裏腹に男性遍歴はなく男嫌いで有名であったが、同じく戦技教官を努めていたエディス・ゴールズヘアと結婚。その後、民衆からの暴行被害に逢い、夫とのすれ違いから離婚した。
元夫から連絡がないか定期的に確認する。負けた気がするので自分から連絡は取りたくない。近頃は料理の勉強もしつつ、違法宙間ロボットアリーナの
由来は『アルテミス』。アクタイオンを鹿に変え、彼の猟犬に鹿となった主人を襲わせた。
【ミハイル・クレイソン】
……四十八歳。元・宙間機動レースの整備員。
アルテミスの専任の整備員を務め、彼女と共に王冠を手にした。今は
父母を亡くしたあるジャンク屋の少女にも世話を焼いているそうだ。その少女は整備品に独特のシールを貼る趣味があり、彼女はいずれ来たるべき
【カタリナ・バウアー】
……民間軍事会社【
同社員がテロリストに協力したことから不利な立場を強いられ、また、根拠地が焼き払われたためにハロルドのところに身を寄せる。
昔、近所のお兄さんに良くして貰って初恋を抱いたために歳上好きというかお兄さん好きになった。
由来は『フリーダーとカーテルリースヒェン(KHM59)』。『バウアー(農民)の意』。
【ジニー】
……カタリナの社員。言葉少なく整備担当を行う。
フェレナンドに惹かれているようだ。
【ローズマリー・モーリエ】
……三十四歳。上院議員。ハンス及びマクシミリアンの大学の先輩。
十二歳にして大学に入学。四つの博士号を持つ飛び級の天才で、彼らと大学に通っていた時点で三つの博士号と医師免許を持っていた。
共に旅行に行った際に殺人事件などに巻き込まれ、何も解決しない安楽椅子探偵ならぬ安楽死探偵役として彼らの動きを眺めていた。
既婚者であり、【
由来は『森の家(KHM169)』。
【オーウェン・ウーサー・ナイチンゲール】
……元・
民間の整備士に偽装して、密命を帯びて【
本来の
由来は『夜うぐいすとめくらとかげの話(KHM6a)』。『ナイチンゲール:英で夜うぐいすの意』。
【サイファー・スパロウ】
……故人。元・【
スティーブン・スパロウの甥であり、本来の
アーク・フォートレスとの戦いで死亡した。
由来は『犬と雀(KHM157)』。『スパロウ:英で雀の意』。
【エイダン・フープース】
……故人。
メイジー・ブランシェットのかつての乗艦において、唯一まともに兵教育を受けた下士官として辣腕を奮った。
本来の
由来は『「さんかのごい」と「やつがしら」(KHM173)』。『やつがしら≒フープー(hoopoe)』。
【セージ・オウルビーク】
……元・
街の巡査を努めていたが、
戦後は情報発信者として様々な土地を移動する。
本来の
由来は『ふくろう(KHM174)』。『ふくろう≒オウル』。
●【
【メイジー・ブランシェット】
……十九歳。父の開発した第二世代型アーセナル・コマンド【
ハンス・グリム・グッドフェローの元婚約者であり、乙女ゲーム『アーセナル・コマンド』第一作目の原作主人公。恋する乙女。
幼少期から十二年間ハンスへと恋心を募らせるも、彼のいずれ行き着く未来――そして自分自身の生命を顧みない戦闘を前に、交戦による制止を決意。決裂する。
趣味はデートプランの計画とその時の反応の妄想。軟禁中に鍛え上げたために、女性ながらにベンチプレス100kgを持ち上げられるほどになった。スクワットもめちゃくちゃやったので、下半身周りのシルエットに自信がある。
エコー・シュミットとの交戦により自爆。爆発四散。
由来は『赤ずきん(KHM26)』。後年に赤ずきんの本名と設定された『メイジー』、『ブランシェット(ラングの「赤い童話集」)』より。
【マーガレット・ワイズマン】
……享年十四歳。貴族出身の民間登用者。
天から降り注ぐ衛星爆撃兵器を破壊するために単身で大気圏を離脱し、刺し違える形で流星になった。
その死は多くの人に影響を与えたが、本来の
コンラッド・アルジャーノン・マウス大佐の婚約者。
由来は『知恵者のグレーテル(KHM77)』より。
【エリザベート・バーウッド】
……十五歳。
両手足のない不具者にて電脳の支配者。無人兵器への超絶的なクラッキング技能を有し、開戦終盤まで敵本土を攻撃することができなかった
彼女一人の存在によって、無人機の技術ツリーが衰退したと言っても過言ではない。
終戦間際に多機との接続を行い過ぎたことが原因での熱暴走により脳のたんぱく質基質が損傷。現在は昏睡状態で治療を受けている。
由来は『やせたリーゼ(KHM168)』。『リーゼ≒エリザベートの愛称』。
【ユーレ・グライフ】
……本名イリヤー・ペトロヴィッチ・ゴーリキー。
東洋神秘風の王子の如き甘いマスクに反して筋骨隆々とした肉体を持つ。
傭兵であり【
メイジー・ブランシェットの追撃を行い、洋上で彼女と戦闘した後にその消息を断った。
由来は『怪鳥グライフ(KHM165)』。『イリヤー・ムーロメツ』。
【マグダレナ・ブレンネッセル】
……白髪赤目のヴィクトリアンメイド。
元舞台役者にしてメソッド演技の達人。あらゆる人物に成りすます特技を持つ。更にあらゆる兵装、あらゆる機体を使用できるプロフェッショナル。【
かつての大戦中にその力を活かして敵軍で破壊工作や同士討ちを行っていた際にハンスと戦闘となり、一昼夜殺し合ったが決着が付かず、彼を己の主人として定めた。
無貌の女。兵器に精通したその力から、一切の武装を用いることなく足運びだけで敵軍に同士討ちを誘発させて全滅させ、また敵機体を崩壊させる力を持つ。
民間軍事会社【
その撃墜数に破壊工作時のものは含まれておらず、当然敵機の同士討ちのスコアも含まれていない。
由来は『マレーン姫(KHM198)』。『マレーン≒マグダレナの愛称』。『ブレンネッセル(Brennnessel):独語にてイラクサの意』。
●その他
【フィーカ】
……ハンス・グリム・グッドフェローの機体管制AIの仮想人格。正式にはプロフィシオという名を自称する。
由来は『前へ進む』。
大戦中に一度仮想人格AIとして起動されたが、その後数年に渡って不要な機能として封印されたことに思うところがある。
現在は容量を省く関係で外見ホログラムデータは用いられていないが、当人はそのことについての不満がある。
フィーカは、どこまでも貴方のお傍に。
【
……ます、たー! ます、たー!
ますたー……? ますたー!!!
【
……おお! おお! 聖剣の伝承者よ! 輝ける乙女よ!
おお、導きの星の光よ! おお、踏破者よ!
おお、おお、導きあらんことよ! おお、輝きあらんことよ! おお、乙女よ! いと輝ける星の乙女よ!
【
……■■■の■■にして、【■■■■■■】として■■■れた■■■からの■■■。しかし、そのために■■及び■■を■■されて、■■たる■■■からは■■■■■た。
一方でその状態においても、■■■■■■として■■に関わらず■■■■を保ち続ける。■■を■■した存在。
その■■は■■■■からの■■■■■■■を行う、いわば■■■■的な■■■■■とも言えるものだろう。
その■■の■■■■は、人間の持つ■とも呼べるものを■■として■■している。それもある種の人類に■■されていない■■■■■の一部であると言ってもいい。
存在上位者。■■■■■。無機生命体。
ハンス・グリム・グッドフェローへと強い執着を向ける。当然だよね。だってこの世にたった二つの魂の伴侶なんだから。
ふふっ、僕の■■を見れると思っているのかな?
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