4話 目覚めて

「ふう…とりあえず私も着替えたからオッケー」

まだ少し体は冷えているが多少は大丈夫だろうと思っていたら?

ガチャリと玄関のドアが開く音がした

「ヤバイかも…!」

「ひー、外はすごい雨だよ全く…」

私の弟、宇野 さとるが帰ってきた。

「うっ、どうしようどうしよう…聡帰ってきちゃった…」

どうやって言い訳しようかと色々考えてると、ギシギシと階段を昇る音が徐々に近づいてきた…

「姉ちゃん?、俺の服が何着か、無くなってるんだけど、知らn…」

遅かった、美少年がベットで寝ているのを見てドン引きした顔で私の顔を見てきた。

「姉ちゃん…とうとう誘拐を…」

「いやいや、そんな事はしてないよ!?」

弟が目に涙をためて色々と話して、姉が苦しい言い訳をしようとする地獄絵図がそこにはあった。

結局、弟を落ち着かせ事情を説明した

説明を聞いて弟は

「なるほど…とはならないよ!?、何で雨の中男の子が降ってくるの?そしてなんで家に連れてきたの?、しかもなんで俺の服を勝手に盗ったの!?」

とどんどん香華に近づきながら質問を投げかけていく

「ちょっ、ストップストップ!順々に説明していくから落ち着いて!」

めんどくさくなりそうだな…と思っていると

「んん…」

布団がガサゴソ動いた

「「!?」」

美少年がとうとう意識を戻してきたのだ


「説明は後でしてあげるから…!」

「ちょっと!俺色々聞きたいんだけど!?」

「うるさいな!今男の子が起きかけてんの!ちょっとは静かにしてよ!」

また醜い言い争いが始まるのかと思ったら


「あの…すいません…」

綺麗で透き通った声がした、声のもとを向くと美少年が質問をした


「あの…ここってどこですか?あとなんでここんなTシャツを僕は着てるんですか?」

「あ、起きた?良かったー!」

香華は少年が意識を戻したのに安心する

「オイ!俺のTシャツをこんな呼ばわりするなよ!」

聡は自分のTシャツを悪く言われて怒っていた。

とりあえず怒っている聡を香華が落ち着かせ

少年の質問に答える

「まずどこから話そうかな?」

順々に少年が落ちてきた事や、家に連れてきたこと、服を着替えさせた事を話した。

「そんな事があったんですか…」

少年はそう言ってしばらく考えた、そして

「すいません!僕のせいで迷惑をかけてしまって」

頭を深く下げ、声を震わせて謝罪をした

「すぐ…出ていきます」

そのままベットから飛び出て玄関に向かっていった

「ちょっ!、今外は…」

少年が玄関のドアを開けると外は先程よりも雨が強くなっていた

「これじゃ家に帰れないね…」

香華が苦笑して言う

「雨が止むまでしばらくは内に居ていいよ?」

聡が少年に肩をポンと叩き言った

「…すいません、雨が止むまで居さしてもらいます」

そう言って少年は部屋に戻っていった

姉弟は顔を合わせ仕方ないなと言う顔で笑った









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