書く苦痛

私の物語を深く読んでくださって、自然に溶け込めるように仕掛けを施した所を当てる人が出てきた。

ここまで、深く読んでくれて 、気づいてくれた人が居たんだと嬉しくなった。


そう...。最初は嬉しかった事だったけど、エスカレートしていく感じで、常にネタバレをしていくから困ってしまった私は、当初よりも話を変えていく。勿論、施した仕掛けが不自然にならないように、矛盾が無いようにしながら話を変えるのは凄く大変であった。


感想を貰えると嬉しくて小説の続きを書くのにやる気が出てくる_______けど、感想の中には悩んでしまう事もあった。


書かれた感想で読んでくれてる人達は、明らかに望まれてる方向性があるのはコメントで気づいていた。だけど、残念な事にそれは自分が書こうと思ってない方向性であった。スルーをする感じで更新をしていくと、その度にブクマの数が減っていった。悲しくなった私は、読者が望む方向に、少しその要素を足して見ると感想は喜びの声で溢れていた。


読者の望む方向性ではないと、少し修正が掛かるようなコメントを貰うことが増えてきた。「そのキャラがそんな動きするとは思わなかった。なんか、イメージが違う。その時のキャラのイメージはこうしてると思う」それに賛同するコメ欄...その他にも似たような感想を頂くことも増えてきた。その人達が喜びそうな方向でありつつも私の中で決まってるストーリーを変わらないように変えていく。


「そう!そのキャラはそんな感じのイメージがあるんです。やっぱり、作者様は分かってますね。本当に神です」


そのような感想を沢山貰って、変えた部分が間違ってないみたいでホッとする。だけど、何故か喉に小骨が刺さるように感じがした。


「なんか、そのキャラとこのキャラの距離が近すぎませんか?」


(また、修正しなきゃ...)


あぁ、だけど、どうしてもこのキャラ達は距離を縮ませたかった。話が進むにつれて読者の人達も分かってくれる。そう思っていたけど...私の書き方がダメなのだろうか。

こんな時、文章力や文字のセンスがあればと落ち込んだ。


「ずっと、思ってるけど距離が近い気がします」


工夫をしたが、どこまでいっても理解してくれる事はなかった。

この時からだろうか?感想を読むのが億劫になってきた。感想を閉じてしまえば来なくなると知ってても、最初から許可を出してしまったからには、急にコメントを閉じたら困惑をする人が居ると思って、中々に実行出来なかった。中には、純粋に嬉しいってコメントもあるし...億劫だと思っちゃうコメントでもその人達にとっては、私の物語を楽しんで純粋に応援をしているのだ。

嬉しい感想にも億劫な感想にも分け隔てなくお礼の返信を返す。

あぁ、人の言葉は難しいなと改めて思ってしまう。


読者が望む方向性と違う自分の希望と添わせるのに頑張っていた。せっかく、読んでくれる人がいるから完全に無視をするような形は嫌だと思っていたからこそ頑張っていた。



「なんか違いますね(笑)」


「コメント欄ちゃんと見てるのかな?全然、違う方向に言ってる感じがして残念です。ちゃんとコメント欄を読んでください。改善してくれれば、更に面白くなると思います」


どう頑張っても受け入れて貰えない感じで...書くのが嫌になってきた。


嫌なコメントが頭に過ぎって、書こうとする手が止まる。

もう、書きたくない。


それでも、更新を待ってる人の為に書かなきゃと思って、書こうとするが_______繰り返しだった。

どんな、時でも小説の事が頭に過ぎって鬱々する。

頭痛い

気持ち悪い

睡眠をしっかりと取れなくなり、見るからに体調を崩していた

「書くのを止めて少し休も?」


親友の言葉に安心をする私が居た。

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