その後の話

特別話 後書

 これはとある朝日が眩しいこと。

 一人の少年が鞄を揺らしながら校内を勢いよく走っていく。

 その少年は人気のない下駄箱に着いた。

 そこには静かに佇む少女。

 彼は彼女を止めて言い放った。付き合ってください、と。

 彼女は考えさせて、と猶予を設けた。

 夕焼けが美しい六月二十四日のことだった。


 それから時間が立ち、七夕の日。

 その少年はその少女と会い、付き合うことを選んだことを告げられた。有頂天に達した少年は喜びを隠しきれずにはしゃいで、それを見ている少女が口に手を当てて笑っている。

 夜空が美しく、天の川が幻想的な夜。

 二人で見上げる空。


「なんかオカルト的なこと言っていい? 変人だってひかないでね?」

「何それ? ひくかどうかは後にして、聞かせてよ。」

「なんかさ、俺らさ、前世で結ばれてたんじゃないかって思うんだよね。」

「何それ~。」


 天の川の付近に彦星の星座と織姫の星座が現れた。


「前世の俺が、君を一生愛して、って言ってる気がするんだよね。人にも物にも趣味にも心奪われずに、一途に愛せ、って。」

「ひひっ。ほんとに何それ、だよ。けど、前世では結ばれてた……か。なんかそんな気がしてきた。」


 美しい星々を背景に彼女は言った。


「じゃあ、その言葉に甘えて、一生、一途に愛されちゃおうかな。」

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六月二十四日 ~超絶少子高齢化の孤島~ ふるなる @nal198

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