第196話初めの犠牲者

レイオールが…消えた。

僕達にとって恐るべき事が今…目の前で起こったんだ。

「「レイオーーーーーール!!!???」」

皆のレイオールを呼ぶ、叫び声が響く。

しかし…レイオールの気配がピタリと消えてしまったのだ。

「ククク……どうだい!?これが僕の力の一部なんだよ。」

「竜也…お前!レイオールを何処へ消したんだ!!??」

「なんだよ?みらい?君がそこまで大声をあげるなんて珍しいじゃないか??」

竜也は僕を見ながら余裕の表情でそう返してくる。

「レイオールは良い奴なんだ!!!竜也!君が好きにしていいはずないだろ!!??」

「まあまあ、そんなに怒るなよ?僕の仲間達だって君たちに消されてるんだぜぇ??」

「ぐっ!!??」

僕はグッと我慢をする。

すると。

僕の後ろに感じる光が!!!

バッと飛び出したのはラージリアス!!!

「たぁぁぁーーーーーーっ!!レイオールを返せ!!!??」

竜也の頭上高く飛び上がったラージは剣を構え振り下ろす!!!

ズガガガという剣技は竜也の身体を捉える!!

『ライトバースト!!!!』

「ふん!懲りねーやつだな。」

竜也は剣を抜き構えるとラージの剣を受け止める。

ガキィィィン!!!

「はぁぁぁーーーっ!!??」

その瞬間飛び出したのはサイリスさんの槍の技。

「お前もか。」

竜也はサイリスさんの攻撃も気づき反応する。

右手の剣でラージを押さえ左手はサイリスさんに向けられた!!

「竜也!貴方はやりすぎたわ!私が貴方を止めてみせる!!『炎転華マイナス…氷転華ひょうてんか!!!』」

パキパキという音は竜也の左手を凍らせていく音だ!!

「うまいぞ!サイリス!!ここは私も!!」

次の瞬間!!ダンさんが構えると目の前の土がボコボコと隆起しそこには何かの柄の様なものが見える。

ダンさんは柄を握る。

「うぉぉぉーーーーーーっ!!くらえ!竜也!!鉞狸まさかり武器大鉞おおまさかり!!こいつでお前を!!!!!」

ボコボコッと地中から飛び出す鉞を振るいダンさんの破壊的な攻撃!!!

「ふん。そーかいそーかい!まあ確かに皆で攻撃してくれば…当たる事も…。」

そこまでいった竜也はクスリとわらう。

「あるかもな。」

突然竜也の光は更に勢いをまし吹き出す。

ラージも剣ごと吹き飛ばされる。

「ぐっ!!?うあああっ!!??」

「ラージ!?」

その時、ラージを助けようと飛び出したサイリス。

「お!隙あり。」

竜也のその不気味な声を発する。

次の瞬間!!!

ドシュッ!!!っと竜也の剣が伸びる!!!

そしてその勢いはサイリスさんの両足を貫いた!!

「うあっ!!きゃーーーーーーーっ!!!??」

足を貫かれ地に転がるサイリスさんの姿。

ラージは足をつけるとサイリスさんを助けに走る!!!

すると!ふと何かに気づいたサイリスさんが叫ぶ。

「くっ!!あ!!ラージ!!!来ちゃダメ!!!!!」

ラージが走ると同時に。

「デスドラゴン……喰われちまいなラージ。」

巨大なドラゴンの口だけが空間に現れ。

そしてラージは。

「ガシュンッ!!!!!??」

口だけのドラゴンに食われてしまったんだ。

「ラージ!!!???」

思わず駆け寄るサイリスさん!!

しかし!竜也はその隙を許さなかった。

「お前もうるさいしな……ラージと一緒にそいつに食われな。」

みるみるサイリスさんの背後から巨大なドラゴンの口が現れる!!!

サイリスさんが気が付き振り返りその恐怖に固まってしまう!!!

「サイ…リスーーーーーーっ!!!」

飛び出したダンさん!!!

ダンさんはサイリスさんを突き飛ばす!!!

「お兄ちゃん!!??」

「サイリス…幸せに……なれよ。」

サイリスさんを庇い竜也からの攻撃の盾となるダンさん。

そして、その牙は無常にも。

振り下ろされたんだ。

ガシュンッ!!!!!

辺りに散る鮮血!!!!

それは彼の勇姿を見る事になってしまったんだ。

「ダンさんっ!!??」

「お兄ちゃん!!!!!??」

涙を流し叫ぶサイリスさん。

「ふふん!お前らさ?もうここで終わりだってことをどうして学ばないんだ??僕にはどんな攻撃だって効かないし、もうここでジ・エンドだって事は猿にだって分かるぜ??」

「竜也…君は…。」

「ん??なんだよみらい??お前だって僕のこの力に敵わない事くらい分かるだろ??」

「だからって……やっていい事と…悪い事があるだろ!!!??」

すると竜也は僕の話を聞かずにお構い無しである人の元へ歩き出す。

それは…レーミアちゃんだった。

ラージをも消されガクガク震えていたレーミアちゃん。

その表情は絶望を見せていた。

「へぇ…お前があのバラキを動かした娘か……おもしれぇな…この娘を血祭りにあげたらアイツもあの世でさぞ悔しがるだろうな……。」

「くそっ!?離せ!飛鳥ーーーっ!!??」

「ダメです!!らいとさんっ!!いやだ!!絶対離さない…から。」

らいとも激高しているが怪我は思った以上で飛鳥ちゃんが必死に止める!!

「クハハハハーーーー!!もう誰にも…止められない。」

竜也の猟奇的なその顔はまさに悪魔だった。

そして動けないレーミアちゃんの姿。

「え……ぇぇ…。」

恐怖に震え声も出ないレーミアちゃん。

その時、僕は…ベレッタさんの必死な抵抗にあい動けずにいたんだ。

「ごめんね…みらい君…。」

「ベレッタさん??」

「こうなった以上…ここは私が行くわ。」

そうベレッタさんが銃を構えたその時。

シンっ………………………。

何かの光がレーミアちゃんを照らす。

「なにっ!!??」

そして…青い光がレーミアちゃんの頭上から現れ姿を現す。

そこには。

なんと!!

あのバラキが立っていたのだった。

皆竜也の力の前で絶体絶命のピンチ。

すると。

レーミアの元へ現れたのは。

なんと、あのバラキだったんだ!!

お読み下さりありがとうございました!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る