第195話遂にラストバトル開幕!!

僕達は僕の転移能力を使い竜也の元を目指した。

これは一度竜也に囚われた事のある僕にしか出来ない事。

奴の気を感じそこまでのゲートを闇魔法により作り出した僕は仲間達を送りそして。

僕がゲートから飛び出すとそこはまるで魔界と言わんばかりの場所かと思いきやそんな禍々しさのない…なんとも綺麗で幻想的なクリスタルの世界が広がっている。

「ここは……。」

「お!みら!?きたか!?」

僕にらいとからの声がかけられる。

「らいと……皆……。」

「みらい君…ここがあの竜也の住む場所なんだろうね?」

ダンさんは辺りの様子を慎重に見ながら僕に問う。

皆どこか幻想的なクリスタルの世界に目を奪われつつも何か考えてしまっているようだ。

皆、言わずともこの地が最終決戦の地だということは分かっている。

だからこそイメージしていたのは地獄という場所だったと思う。

ここへきてこの光景に驚いているのは僕も一緒だからだ。

すると僕の脳裏に突然声が聞こえてくる。

(みらいか?)

「その声は竜也!!??」

(そうだとも!僕は君たちからしたらラスボスって奴だな…)

「竜也……僕達は色々あったけど、とうとうここまできたよ!?」

その時!!!

ゴゴゴという音が辺りに鳴り響く。

この幻想的な世界を今にも破壊しそうなその轟音。

「うわっ!!??」

「なんだこれ!!??」

皆がその音に身構える。

「ふふ……ふふふ………あーっハッハッハ!!!きたか?ようやくここまできたか!!??」

目の前のクリスタルの空間の壁にピキピキと亀裂が走る。

「さぁ!ラスボスのこの僕竜也様の出陣だ。」

パリーーーー〜ーンッとクリスタルは粉々に砕け散る。

パラパラとキラキラ光るクリスタルは落ちていく。

すると金色の光が天から差し込んでくる。

そこへ姿を現したのは。

竜也…その人であった。

「うっ!!??」

「なにっ!!??」

飛鳥ちゃんを守りつつ竜也を凝視しているらいと。

これまでどんな敵相手にも怯えた事は無かったらいとをみると。

震えていたんだ。

「らいと!無理しちゃだめだ!皆でやらなきゃ!」

「そうだぞ!らいと君!こないだの様な捨て身はこの相手にはきかないぞ!?」

僕の声に賛同してくれるダンさんの声。

「わーってるよ!悔しいが、こいつが本当にヤバいのはこれまでの敵とは違う事も身に染みて分かるぜ。」

すると口を開く竜也。

「ふぅん……君がみらいと一緒に転移してきたらいとかい!?」

「竜也…だったらどうした!?」

竜也の光は更に光り輝く。

「君はみらいよりもバトル好きだろ!?どうだ?僕と一緒にこの世界をやりたい放題できる世界に変えていかないか!!??」

らいとに向けて竜也は誘うような言葉を並べる。

「は??なんだよそれ?」

「ふん!僕は元々いた世界にあきあきしてね!つまんない世界はもう嫌になったんだよ??」

「それはてめぇの勝手な欲望だろ竜也??」

その声に竜也は表情を変える。

「なんだ?あまりにも図星だったから怒ったのか!?竜也?」

「…………………まえ……」

「は?なんだよ??言いたい事はハッキリ言えよ??」

「る………さい。」

「ん??なんだよ竜也!??」

「るさいんだよ!!!」

突然竜也が手をらいとの方へ伸ばしていく。

そして。

シュンッと竜也の手から発せられた閃光はらいとを狙う。

「うぐっ!!??」

らいとの左腕は貫かれ腕を押さえるらいと。

「らいと!!??」

「ししょーー!??」

飛鳥ちゃんはらいとを庇うように抱きつく。

「なんだ!そんなヤツをかばいやがって…お前もか!!??」

竜也が飛鳥ちゃんに向かい手をかざす。

「やめろーーーーっ!!??」

その声と共に僕の後ろから何かが竜也に向かい飛んでいく。

「ふん!なんだよこれ……つまんない攻撃だなお前。」

「それは…どうかなっ!?うりゃあっ!!??」

飛んで行ったのはレイオールのフック攻撃!!

竜也に叩き落とされるのを見越して方向を変える。

シュンッと交わした竜也をフックは追う。

「邪魔だね……。」

竜也はフックを手にとる。

「なにっ!!??」

「こんな攻撃僕に聞くとでも??」

「これならどうだ!!『水獣!!!』」

フックから勢いよく飛び出した水は姿を変え獣となり竜也に牙を剥く。

「うん…中々やるけど………ね?相手は残念だけど僕だよ?」

竜也はレイオールに向かい手を広げる。

「竜也はこのオイラが!!!!!」

「さぁ…まずは一人。」

ドウッ!!!!!

竜也の放った光は。

レイオールの水を吸い尽くす。

「えっ!?」

そして……その光は…レイオールという一人の人間の全てを吸い尽くしてしまった。

残されたのは……レイオールのフックのみだった。

そして…カランカランっとレイオールのフックの転がる音だけが。

鳴り響いたのだった。

「「レイオーーーーーール!!!???」」

消されてしまったレイオール。

圧倒的な力を持つ竜也。

どうなってしまうのか!!??

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