第191話ヘブンズゴット
僕達は竜也の居城へ向かう作戦を立てることにする。
この世界の最果ての地聖地『ヘブンズゴッド』
神々が住むと言われ人間、獣人、その他の種族も住んでないとされるこの地に竜也は居城を構えているみたいだ。
◇
「さて…ではこれから竜也の城に向かう為の作戦を立てるとしよう!」
僕達はダンさんの声に耳を傾ける。
するとラージが腰をあげる。
「まずは僕の話からいいですか?」
「頼むラージ。」
「はい、まずは正真正銘の真の敵である竜也ですが…今の城に行けるのも奴がドラゴンをも従えているという理由もあるのでは?と思ってるんだ。」
「ラージ?それはどういう事なの??」
ラージに問うサイリスさん。
「ああ…まずは竜也の住むヘブンズゴッドという地は、この世界地図にも載ってない場所なんだ。」
皆その事実に考え込んでしまう。
するとらいとが口を開く。
「空をどこまでも飛んでいってもダメなのか??」
「そうなんだよらいと君…僕もそれも考えたんだ…空を飛んでいってその場所へ行けたら……と。」
「で??結論は??」
ラージは、首を横に振りながら答える。
「ノーだ…理由は…無数のドラゴンの群れをクリア出来るのか!?って事…仮に突破しても異空間にあると言われるその城に立ち入ることも、見つける事すらも叶わないんだよ?」
「そういう事か…ドラゴンだけでも面倒なのにその地が…その城がそこに確実にあるとは言えないってことか。」
「そうなんだよらいと君。」
僕達の作戦は早くも暗礁にのりあげる。
皆…口数も減り、ここへきてどうしようかと悩む。
すると突然聞き覚えのある声が聞こえてくる。
「ふ…ふははは!!!」
「なにっ!?」
僕がその気配に声の主を探すと目の前の空間が歪む…そして。
目の前には竜也が映像を送ってくる。
ブンッと空間に浮かぶ映像。
その中の竜也は玉座に深々と座り、さも、王様気取りである。
「よう!お前ら!?元気というか生きてたのか!?」
「なにっ!??」
僕は思わず身構える。
そこには恐るべき相手竜也の姿。
今や世界を破壊しようとしているこの恐るべき相手を僕達は敵にしようとしているのだ。
「あのさぁ…」
そして竜也は話し始める。
「いいかい?今僕はこの世界の浄化…をしてるんだよ。」
「浄化…だって!?」
「そうだよ?この世界の浄化。」
「なにっ!!??」
すると竜也は不敵な笑みを浮かべる。
「この世界を僕は僕のしたいように変えていくんだよ?その為には今いる者達の中で僕を崇める奴らしかこの世界に要らないって事さ?」
「そんな好き勝手な事ばかり!」
僕の思わず出た言葉はこうだった。
「いや、それはお前らも同じだよ!僕に従うなら滅ぼさないしそうじゃなければ……。」
ブンッと竜也の画面が消えてしまった。
「なにっ!?あいつ話途中で、どこへ行ったんだ!?」
「さぁ!?らいと何か感じる!?」
僕は感覚も人以上に鋭いらいとに問いかけてみる。
「いや……それが俺にも……」
らいとはそう言うと天井を見上げる。
そしてそのまま部屋を出る。
何かを感じた皆が外に出ていく。
空を見上げるとそこには。
禍々しい黄金の光を放つ竜也の姿だ。
「なーんだ?僕がここに居る事気づいたんだね。」
「ああ…テメェのその吐き気のする気配がダダ漏れだからな。」
「ふん!君は本当に口が減らないねぇ…。」
僕らを見下ろす竜也の表情が真剣な顔に変わる。
「さぁ…じゃあ…これからどこを潰しに行こうかな?」
「竜也…てめぇ……。」
「なんだよ?そんなに凄むなよ…僕が望んだ通りのなるこの世界でどーして君は僕を敵に回そうとするんだい??」
「は?そんな事いうまでもねーだろ??」
「へぇ…でもいいのかい?僕はね…もう今や…この世界の王なんだよ?その王にそんな態度じゃさぁ。」
らいとはグッと堪えているみたいだ。
「じゃ!僕はもう行くよ!あーそういや…僕の行先教えよーか??教えたらもしかしたら…僕の寝首くらい……かけるかもねぇ。」
竜也の身体は光り出す。
「じゃ、僕はいくね!まあ次どこに行っていつどこの国を潰すか…なんだけどさ!」
ニヤリと微笑みそう話す竜也。
「言うわけねーだろおおおーーー!!!あーっはっはっはっはーーーーー!!!!!」
そうして高笑いを残し。
竜也はその場からフッと消えていってしまったんだ。
「くそっ!!??」
「飛ぶだけじゃなく…転移までされては…奴の後を追うこともできん!!」
ダンさんも悔しがるがこの場にいる誰もがそれを感じてしまう。
その時。
僕の脳裏にある考えが浮かんだんだ。
「あ!!!そういえば!!!」
「ん?どうしたみら??」
らいとは僕に問いかけてくる。
僕は皆に。
「僕がいるから竜也の所にいけるかもしれない!!」
「「なにーーーーーーーーっ!!??」」
◇
◇
◇
お読み下さりありがとうございました!
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