第189話希望

とある大地が消え去った。

シン………と静まる大地。

今や世界は一人の男によりその未来は左右されようとしていたのだ。

どんな世界にも生と死は有り得る事。

生物ならそれは当然の事なのだ。

どんな者にもそれを止める事もそこからの復活などというものは叶わないのである。

この世界には太古より不思議な存在…神獣というものが存在していた。

そして…神獣に愛された一人の人間がいた。

この世界の為に必死に戦っていた者の一人。

名は……レーミア。

レーミア視点

「…………ミア……。」

「レー………ミア。」

「ん……………。」

私は気がつく。

身体は動かず。それでも誰かに声をかけられていた。

「あれ?私…あの時…バラキに庇われて…えっ?」

「レーミア?」

私を呼ぶどこか懐かしい声。

「誰……ですか??」

「フフ…もう私を忘れたのかな?レーミア?」

「えっ!?」

私が目を開けると目の前には光り輝く一人の女性。

「ライ……ティア……様??」

私の目に思わず涙が溢れてくる。

彼女の確かに懐かしいその輝く笑顔は私に温かさをくれる。

「レーミア?頑張りましたね?」

「ふ…ふわ…うわあああーーーんん!!」

私は思わず…泣き崩れた。

突如として私の目の前に現れたライティア様。

その光に包まれた私は徐々に身体は回復した。

私はライティア様にこれまでの事を全て話した。

私達があれからラディスを打ち破りそしてバラキに負けてしまった事。

だけどバラキに救われた私。

バラキといる所を彼に竜也との戦いになりバラキと共に竜也に大敗してしまった事。

私はこれまでの経緯を全て話したのだ。

ライティア様は私の話を聞いていた。

するとライティア様が話始める。

「いいですか?レーミア…。」

「えっ?」

「私の話を最後まで聞くのです。」

「はい。」

私は、そう言うとライティア様はゆっくりと。

「いいですか?レーミア…竜也は最早この世界で最強最悪の力を持ち…そして、この世界を破滅に追い込もうとしています。これまでの戦いとは比べ物にはならないでしょう。」

「はい…。」

「でも…貴女は今一人…どうしますか?相手は恐るべき最悪…貴女は…それでも戦いますか?」

私はライティア様のその言葉に一瞬震える。

「私は…今まで……お兄ちゃんの後を追っかけて…自分の生きるべき道を歩いてきたつもりです…そして出会った仲間の皆…皆、皆この世界を守る為に傷つきながらも戦って…皆でここまで来たの…でも…でも…今ではもう…私一人になってしまった。」

「そうですね?この世界の敵は今やもう…あの最悪の竜也一人になりました…でも…それはもう誰にも止められない程の相手です…そう…たった一人でも世界を破壊出来る程の力を持っているのです…。」

ライティア様は輝き出す。

まばゆいばかりの溢れる光。

それは私がどこかで感じた光。

「えっ!?」

私の目の前にはいつしか現れたのは。

不死鳥フェニックス??」

それは私の唯一の召喚獣フェニックスだったのです。

するとフェニックスはその口を開く。

「フフ…レーミア…驚かせてしまったかしら?」

「えっ!?えっ?ええーーーーーーーっ!?」

私はこの件に驚きの声をあげてしまったのです。

「私はライティア…ですが…本当の正体とは…レーミア!貴女の召喚獣…フェニックスだったのです。」

「そう…だったのですか?」

私はそういうと彼バラキの事を思い出す。

「バラキも召喚獣でした…そしてライティア様も召喚獣だったなんて。」

するとライティア様は口を開く。

「そうですね…貴女達の事は見ていました…だから多くは語らなくて大丈夫です。」

「そ、そうですか。」

「いいですか?レーミア…先程も言いましたが竜也はこの世界を確実に滅ぼそうとしている今…私は貴女の覚悟を確かめたいのです。」

「私は…。」

頭の中に皆んなの事が浮かんでくる。

お兄ちゃん。みらいさん。らいとさん。

ダンさんにサイリスさん。飛鳥ちゃんにベレッタさん。レイオールさん。

そして…バラキ。

皆の分も私は………。

「そうね…。レーミア…貴女には沢山の仲間達がいたわね……。」

「えっ!?ライティア様……??」

「私は仮の名をライティア…そして、召喚獣フェニックス………。」

ライティア様の身体は更なる光を放っていく。

「私のこの力…『不死鳥ふしちょう』を今ここに使いましょう!!!」

「ライティア様!!!???」

「さぁ…レーミア…貴女が望む全ての者よ……今こそ…ここに!!『復活』を。」

パァァァーーーーーーっと光り輝く。

思わず私は目を瞑る。

仲間達の復活やいかに!?

お読み下さりありがとうございました。

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