第182話海に沈む。

バラキのカウントダウンは続く。

「四!!!!!!!!!!!!!!」

この街を飲み込むバラキの津波。

到着までのカウントダウンはあと四分。

「くくく……貴様ら……知っていたか??」

バラキのその言葉に僕達はなんの事か分からずいると奴は続ける。

「俺様の津波は空にも無効だと言う事を知っているのかと。」

「えっ!?どういう事だ。」

僕は考える。

するとベレッタさんが口を開く。

「みらい君…そう…彼の津波の能力の恐ろしさはここなのよ?」

「えっ!?どういう事??」

「彼の津波はその対象者をどんな者でも飲み込んでしまうという特殊な動きを水自身がしてしまうの。」

「えっ??」

「以前聞いた話だけど彼の水には全てが飲み込まれてしまうの…それは彼が対象者と認識した全てのもの。そして水はその形を変え対象者を切り刻みまさに海の藻屑と化してしまう。普通飲み込まれなければ助かる可能性もあるし飲み込まれたとしてもなんとか生きる可能性もあるもの。だから彼の能力は別名『消滅の海』とも呼ばれる。」

「そんな…そんな恐ろしい能力を持ってるなんて。」

「だからこそ…彼は魔幻獣十二魔人でも最強と言ってもおかしくない男なのよ。」

「三!!!!!!!!!!!!!」

「あーーーっはっはっはっはー!!!!どうだ??もうカウントダウンも三秒だ!!!」

バラキの恐ろしいカウントダウンがあと数秒でこの世界を全て破壊し飲み込み消してしまう!!!

この絶体絶命の状況に僕達は必死に足掻いている!!!

「ふふ……レーミア………これからお前は俺様の子を産み俺様を愛していくのだ……意味が分かるな。」

「…………………」

「今だけだ……辛いと思うのは今だけだ……時期に全て忘れ俺様の妻として生きていけばいい…お前はこの地上で最強のバラキ様の妻だ。」

「………………、」

こんな絶望の状況にレーミアは口から言葉も出ない。

ただ目から熱い涙がこぼれるだけだ。

レーミアの力はこの男の恐ろしさによって封じられていたのだった。

そしてレーミアはこの状況にただ、泣き、震える事しか出来なかったのだ。

「二!!!!!!!!!!!!!!!」

絶望のカウントダウンは残り二秒と時は無情にも過ぎていく。

「皆ーーーーーーーーーーーーー!!!!!」

思わず出したレーミアの声が街中に響き渡る!!!

「レイオールの所までもう少し!!!」

僕とベレッタさんを除いた皆は既にレイオールの元へと辿り着いていた。

そして僕達もあと僅かだ!!!

「はぁはぁ!!ベレッタさん!!大丈夫ですか??」

「大丈夫よ!やっぱりお酒は少し控えなきゃね!」

「そんな!ベレッタさん!!」

「えっ!?なに??みらい君??」

「全て終わったら。」

「えっ!?」

僕はニコリと彼女に微笑む。

「一!!!!!!!!!!!!!!!!」

カウントダウンが!!!!!!

「みらい君!!?ベレッタさん!!!」

「早く!!!!」

「僕が連れて、」

「ダメだ!!!今出てしまったら間に合わなくなる!!!」

「じゃあどうしたら??」

「みらいとベレッタさんを信じろ!!!!!」

僕達の目の前もうすぐ!!

あそこまで行けばレイオールがきっと何とかしてくれる!!!

仲間を信じろ!!!

僕は自分に言い聞かせる。

その時。

「あっ!!」

ベレッタさんがよろけてしまう!!!

「ベレッタさん!!!」

僕はもう少しの所で立ち止まりベレッタさんを抱き上げる。

「みらい君!!!??どうして!!?、」

「へへ。」

「バカ!!みら!!!もう!!間に合わな!!!」

「ゼロ………だ!!!!!!!!!!」

僕達を。街を。

全てを飲み込むバラキの津波はもう。

そのそこにいたんだ。

「死ね………………。」

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーっ!!」

カウントダウンは遂にゼロを数え。

僕達全てを飲み込んだバラキの津波。

絶体絶命の状況だった。

絶大なる力を持つバラキ。

その力によりみらい達は力無くその力の前に消されて言った。

この世界の物語はここで潰えるのだろうか。

津波が飲み込むと辺りには何も無い。

今ここにはバラキ、そしてバラキに抱きかかえられているレーミア。

二人の世界が広がっているかのように見える。

「くっくっく。俺達の世界の始まりだ。レーミア。ふ。フハハハ!!あーっはっはっは!!」

絶望の表情のレーミアは既に声も出なかった。

辺りにはバラキの笑い声と力無く絶望しているレーミアちゃんの二人の姿しか残らなかったんだ。

遂にバラキの津波に飲まれてしまったみらい達。

世界はどうなってしまうのか!?

お読み下さりありがとうございました!


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