第180話バラキの大技
バラキの手により捕まってしまった僕達。
そして対するラージ。
「ラージ…お前は我が魔道協会の部隊長だったはずだが!?」
「くっ!!?バラキ…貴様。」
ラージはバラキの言葉に唇を噛む。
「いいか?ラージ…動くんじゃねーぞ??分かってるよな??」
「くっ!!?」
「そうだ!お前…」
コツコツとラージの目の前まで歩いていくバラキ。
「お前の妹はアイツ…だよな?」
クラーケンはレーミアをバラキの元へ触手により運ぶ。
「そして。」
バチンっと指を鳴らすとサイリスさんを捉える触手は彼女をもバラキの前へ運ぶ。
「これから面白い趣向といこうか??」
「なんだと!!??バラキ!!??」
「ふん!今のお前に何が出来る!?」
動けない僕達を他所にバラキはその力でやりたい放題だ。
「ラージの愛する女二人…一人は愛を感じている女…そして最愛の妹…お前はどちらを選ぶ?」
バラキはとんでもない発言をする。
「な!!??貴様!!バラキ!!??」
次の瞬間…バラキはニヤリと笑う。
「ふふ…俺も鬼じゃねぇんだ…お前の大切な二人のうち一人を我が妻として迎えようかと思ってな…。」
「な!!??」
「なんだと!!バラキ!!!ふざけんな!!」
レイオールが捕まりながらも大声を上げる。
「ん?なんだあのガキ…ああ…俺様の力の同属性のガキか。」
「はぁ??一緒にすんじゃねえ!!それにな!レーミアはオイラの大事な嫁になるんだ!!お前になんかやるわけねぇだろ!?」
「レイオールさん!?」
「いいか?バラキだかなんだか知らねーけどな!オイラがお前をぶん殴ってやる!!」
「ほぉ??これでも……か!!??」
バリバリっとレーミアの服を水の刃で切り裂くバラキ!!
「いやぁぁぁーーーーっ!!??」
「レーミア!!??」
「ふん!お前らなにか勘違いしてねーか??」
バラキはそう言うと話始める。
「この世界はこれから我々魔幻獣十二魔人のものだ…お前らが何をしようが六魔道士のいないこの世界は今や我々のものだ。いーか?お前らに考える事も拒否権もねぇんだ!?わかるか?」
バラキの言う、言葉には世界に宣言した通りのこの世界の支配という明らかな意思があった。
完全に力で支配しようというその思考。
そんなバラキの言葉をその力には確かに説得力があったのだ。
「そ、そんな訳あるか!!??」
「んん??」
「オイラ達は確かに弱いかもしれねー!だからって卑下なんてしねーんだ!!」
レイオールは叫ぶ。
「いいか!?パラキ!!お前がどんだけ強くたってオイラ達はお前を倒してこの世界を皆が笑って暮らせる世界にするんだ!!!」
「レイオールさん。」
「ほぉ??力なきお前らに何ができると言うのだ。」
「そ、そうだ……僕達は………。」
僕の捕らわれた身体にも力が湧いてくる気がした。
「くっ!レイオール君にその言葉を言われるとは私も、今目が覚めたよ。」
「お兄ちゃん!!?良かった!」
「くっ!サイリス!レーミア!僕も二人を守る為なら。」
「ラージお兄様…レイオールさんも!素敵です!」
「へへ!レーミア!今助けるぞ!!」
「くく……くくく……あーっはっはっは!!!」
「何がおかしいの!?バラキ!?」
バラキが振り向いたこちらには僕と僕の回復をしてくれたベレッタさんの姿。
「ベレッタ…捕まってたと思ってたのにな。」
「貴方を倒す為なら私はお酒を控えるわ。」
「ふん!おまえらはそんなに早死してぇようだな。まあいい、ならば試してみるがいい!!」
バラキはレーミアの身体を抱き寄せる。
「きゃあああっ!!??」
「レーミア!!」
「俺様がこの世で一番の生物だ!!知力兵力力!!全ては俺様の為にあるのだ!!いいか?これより俺様はこの大地を海の底へと沈め世界を一新してやる!!そして生き延びた奴だけ俺様の世界の下僕として生かしてやる!!」
「そんな事させるか!!??僕がバラキ!貴様をこの生命に変えても仕留めてやる!!!」
「ふん!」
バラキはそういうとレーミアちゃんを抱えたまま処刑台へと上がっていく。
その場にいる誰もがその行動を見てしまっている。
そしてバラキは昇り終えると。壇上から叫ぶ。
「これからこの世界は俺様のものだ!!いいか??不服があるやつから。」
その時。
ゴゴゴと海の方から何か地響きの様な音が聞こえてくる。
「ん?なんだ??今の音??」
ダンさんの声。
するとレイオールが目を瞑り何かを確かめてるようだった。
「皆!!やばい!!デカイのが!!??」
「くる!!!津波だ!!!!!」
「遅い!!!この街と共に!!沈むがいい!!」
バラキは叫ぶ。
『リヴァイアサンっ!!!!!』
そして。
この街を巨大な津波が飲み込もうとしていたんだ。
◇
◇
◇
バラキの切り札が放たれた。
皆が更に絶体絶命。
お読み下さりありがとうございました!
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