第178話バラキという怪物

らいとは誰よりも早く、この巨大な敵に向かい飛び出していく!!!

「らいとさんーーーーーっ!!??」

飛鳥ちゃんの叫び声は辺りに響き渡る!!

だが、らいとは止まらない!!!

これは…らいとの本能とも言える行動なのかもしれない。

バラキの脅威から皆を守ろうとする本能がいち早く行動をさせたのかもしれない。

バリバリと雷を纏いバラキに斬りかかっていくらいと。

そして、らいとの刃はバラキ目掛け振り下ろされた!!

ガキンと激しい音を立てた刃同士の激突。

バラキはいつの間にか巨大な槍を構えらいとの攻撃を防いでいたんだ。

「くっ!?」

「ふん!貴様…このバラキ様に向かって何のつもりだ………。」

「ちっ!これならどうだ!!!雷電!!!」

らいとの渾身の雷撃はバラキの槍に伝導され奴の身体に流れていく!!!

ズガガガガーンと激しい雷鳴!轟音が辺りに轟く。

そして、いかずちはバラキの巨体を捉えていく。

やがて辺りは静寂に包まれる。




すると、プスプスと身体から煙を立ち込めさせたバラキがその口を開いていく。

「ふん…貴様は電気か?」

「それがどうした??」

「知っているか?電気は水の中に放電する事を。」

「鬼気……海界きき…かいかい

らいとの後方から、どうっっーーーと急にどこからともなく押し寄せる海水は、らいと目掛けて急激な津波を起こし捉える!!

逃げ場のないらいとの身体を包み込む海水!!

「ししょーーーーーーーーーーー!!??」

「らいと!!!???」

「いやぁーーーーーーーーーーーっ!!?」

そして。

バラキの海水に飲み込まれたらいと。

ひいていく海水はまるでらいとの全てを飲み込んだかのようにそこには何も残らなかった。

「らいと…そんな。」

「らいと…さん………いや!いや!やだーーー!」

飛鳥ちゃんの身体は暴風に包まれていく。

やがて暴風は竜巻となりバチバチと辺りには雷をもおこしている。

「飛鳥ちゃん!!??」

僕の声も今の飛鳥ちゃんには届いてないようだ。

「ふん…雷…そう電気は水に放電するからな…今頃アヤツの身体は粉々に…ん?」

「……さない……ゆる……さないんだからーーー!!」

飛鳥ちゃんは、その力を暴風として化し今にも解き放ちそうだ。

その時。

「飛鳥ちゃん!!飛鳥ちゃんまで暴走しちゃいけないわ!!」

そこへ飛び出してきたベレッタさんは、飛鳥ちゃんに声をかける。

涙を流しながら、その目はバラキを敵として捉えている飛鳥ちゃんには目の前の敵しか見えてないのだろう。

「こうなったら仕方ないわ!!」

ベレッタさんは銃を構え、そして。

ドゥッ!!!っという音を立て銃弾は飛鳥ちゃんに向かう。

「ベレッタさん!!??」

「大丈夫よ!みらい君!私の狙いは。」

バシュッ!!

銃弾は飛鳥ちゃんを取り囲む竜巻の隙間に入り込みそして。

ガシュン。

「ん?????」

飛鳥ちゃんのその声はようやく何かを感じたみたいだ。

そう、ベレッタさんの滅魔錠めつまじょうは飛鳥の手首にガチャリとハマる。

やがて飛鳥ちゃんの竜巻は徐々に衰えをみせそして消えていく。

その場に力無く座り込む飛鳥ちゃん。

ベレッタさんは飛鳥ちゃんの手錠を外す。

「どぉ?落ち着いた?無茶はダメよ!?彼バラキは本物の怪物なんだから。」

ベレッタさんは立ち上がりバラキを、その眼光で捉える。

「ふん!ベレッタか?お前は俺達の部下だろう?何故そちらの味方をしている?気でも狂ったのか?」

「ええ…確かに私は元貴方の部下でした…でも私はこの道を選ぶ方が似合うと思ってます。」

「そうか。なら。」

バラキは槍を構える。

その槍を構えるバラキは本当に怪物なのだろう…他の追随を許さないその力はあまりにも強大で、皆、その力の前に平伏してしまう。

「死ね。」

バラキは槍を振りかざすと衝撃はベレッタさんに向かい飛んでいく!!

衝撃波なんて目に見えるものでは無いはずなのに彼の衝撃波自体あまりにも強大すぎる為、辺りの瓦礫なら色んな物を風圧により引き寄せてしまう。

「これがバラキの力…これが生物の力なのか。」

ダンさんのその声に皆納得してしまう程のバラキの巨大な力に動けずにいた。

そして。

ダンッと地を蹴りバラキの身体はベレッタさんに向かい飛び出す!!!

「ベレッタさん!!!??」

「皆!近ずかないで!忠告よ!」

するとベレッタさんは銃弾を詰め込む。

ガチャりと装填を終えるベレッタさん。

その瞬間!!

バラキの剛槍はベレッタさんを頭上から捉えようとしていた。

「私にもできる事が…きっとある。」

「ぬかせーーーーーーーーっ!?」

どぉぉぉーーーーーーんという衝撃音!!!

辺りには地響きが鳴り響き小さな地震が発生する。

たった一度の攻撃なはず。

なのに。

そこにいる全員が感じた。

そう。

この男の攻撃は世界を破壊してしまう力を持っている。

と。

ベレッタさんの危機!!

一体どうなる!?

お読み下さりありがとうございました!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る