第173話みらいを救え

らいと視点

俺はラディスを追い詰めた。

コイツは中々に強さを持ちながらも汚い手まで使う男の様だ。

さっさと仕留めないとこいつから嫌な空気を感じる俺だ。

すると先程からみらの様子がおかしかったんだ。

「みら?お前大丈夫か?」

「……………………………。」

「みら??」

「あ!うん!大丈夫!」

(みら…やっぱりおかしいな。)

「あ!そうだ!僕さ。」

「なんだ?みら??」

俺に声をかけたみら…すると突然この建物内全てが黒い闇に覆われる。

「なにっ!!??」

「ククク…おかしいと思ってる…よね?」

みらのおかしな言動と行動。

もしやこれは…。

俺がまさかの展開を予想するや否や。

更に辺りは黒い霧で覆われていく。

「クク…らいと!僕さぁ…もうこんな世界飽きちゃったよ…僕とさ、こんな世界壊してさ…元の世界にかえろーよ?」

「みら?お前何を言ってるんだ??」

「あはは…元からこの世界の事なんて僕達には関係ないしさ?」

みらの様子も口から出てくる言葉も明らかにいつものみらではない。

「みら?どうしたんだ??」

「なんだ

い?らいと?僕は僕!ラディスはらいとが倒したじゃないか??」

「それはそうかもしれないが…いや!これはみらじゃねーーー!!まさかお前か!?」

「ラディス!!??」

「クク…まあ流石にバレるか?でもね。」

シュンッと俺に襲いかかるラディス。

バキッと音を立て俺の身体に痛みを感じそのまま吹き飛ばされてしまう。

「くっ!!??」

ドカッっと壁に激突する俺に更に追撃をしてくるラディス!!

「くっ!!??」

俺は身を返し攻撃を避ける。

後ろの壁はドガガガッという音と共に崩れていく。

「はぁはぁ…やばいぜ。あれに攻撃したらみらの身体も……くっ!!どうする。」

「ははっ!!よーくわかったね?その通りだ!僕の身体を攻撃する…それはつまりこいつ…みらいを攻撃するって事だ。」

「ちっ!やっぱりか。」

俺の中で焦りが生まれる。

「どうしたのさ?らいと?」

「なにっ!!??」

俺がこの時驚いたのは完全にラディスの人格ではなくみらの人格まで操られていた事だ。

「くそっ!」

「僕の外だけじゃなくて心も操られてる事に今気がついたんだね?流石らいとだね!?凄いよ!」

「うるせぇ!!だけどお前はみらじゃねぇ…さっさと…出てけ!!!」

闘気を放ちみらを吹き飛ばす俺。

「ぎゃんっ!!??」

壁に激突しズルリと崩れ落ちるみら。

「はぁはぁ……やばいな。」

「し…ししょー?大丈夫ですか?」

「飛鳥か?」

「はい!やっとこの闇の中…ししょーの所に辿り着けました!!」

飛鳥はいつもと変わらない笑顔を俺に見せる。

「そうなのか??」

飛鳥の笑顔を見ていると…不思議な気持ちが湧いてくる。

それと共に俺は冷静さを取り戻してくる。

これは…もしかしたらこの闇の正体がアイツの闇の力ならみらを取り戻せるかもしれない。

「くくっ…今更どう足掻いても無駄だ…この闇はコイツ…みらいの闇の力を取り込みパワーを更に上げることができたしな。」

「お前……。」

「しかも確かお前達が取ってきた魔導石をコイツは持っているだろ?さすればコイツを支配してる僕が魔導石を手にしてるのと一緒。あはは!魔力が溢れてきて…この世界すらこの僕が支配できそうな気分だ!!!!!!!」

ラディスは、もはや勝ち誇った様な顔をして笑っている。

「なぁ…飛鳥……ちょっと頼みがある。」

「なんですか?ししょー??」

「ちょっと耳をかせ。」

「……はい?。」

「………………………………。」

「……はい、…………はい、………………!!??」

飛鳥は驚きの表情へと変わる。

そして飛鳥は立ち上がり両手を広げる。

「ししょー見ててください!」

瞬時に飛鳥に風が集まり纏っていく。

「いいですか?みらいさんの身体を操ってるラディスさん!」

みらいはニヤリと飛鳥をジト見する。

「私はみらいさんの身体を操ってししょーの弱点をついて攻撃しようとする貴方が大嫌いです!!だから。」

飛鳥の風は轟々と巻き上がる。

「私が何とかします!!!」

「ふん!風使いか…そんなものもこの僕に効くとでも!?」

「やってみなきゃ…わからないっ!!!」

どひゅぅぅぅーーーーっと巻き上がる風は竜巻と化しみらいに向かい暴風を与える!!!

「だからさ…僕にこんな攻撃きくわけ……!?」

「そうですか??その割に焦ってますね??」

「なにっ!!??ぐぉぉぉぉーーーっ!?や…闇が!!??なぜだ!!??風ごときに吹き飛ばされる闇では…ない…はず。」

ラディスは飛鳥の身体に光る光りに違和感を感じたようだ。

「はっ!!??まさか!!??」

「ようやく気がついた様だな…俺は光の属性も持ってるんでな。」

「そうですよ!ししょーの力は私の力と相性抜群なのです!」

ラディスは驚きの表情が止まらない。

「ふっ!俺と飛鳥を相手にしたお前の負けだ!みらを………返せ。」

「なにいいいいいーーーーーーっ!!!??」

汚いラディスのやり方に二人は力を合わせみらいを救えるのか!!??

お読み下さりありがとうございました!

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