第172話ラディスの秘策

らいとを襲ったラディスのダークファング。

果たして。

「らいとーーーーーーーーーーっ!!??」

僕達の声が響き渡るとダークファングの口が閉じる。

そしてまたシン……と建物内に静けさが訪れる。

「そんな……」

「ししょー??うそ……です……よね?」

「お兄ちゃん!?お兄ちゃんーーーーーーっ」

皆のらいとを呼ぶ叫び声。

「くく……ククク……ヤバかったぜ…これには流石の僕もヒヤヒヤしたよ……。」

「くっ!?よくも…よくもらいとを!!??」

「ははっ!そんな大声を上げても奴は闇の中だ…もう帰ってこねーぞ??………ん??」

ラディスの前に飛鳥ちゃんの立つ姿。

「飛鳥……ちゃん…………。」

「なんだお前??」

「……くも………よくも………ししょーを。」

びゅんっと風が吹き起こり飛鳥ちゃんの身体を取り囲む。

「ししょーは…ただのししょーじゃないの…。」

「ふん!なーに言ってるのか僕には君達の声が理解できなくてね……。」

「ししょーは…とても強くて、優しくて…誰よりも……素敵な人…貴方なんかに…やられたりはしないの!!」

「ふん…だけど……弱かった…な…?」

僕達はあまりにも強いこの男…ラディスに今脅威を感じている。

くそっ!どうしたら??

「ししょー…戻って…きて。」

飛鳥ちゃんはらいとに語りかける。

「くくっ…どー足掻いてもそいつは無理だな!そいつは…これから残ったお前達を皆殺しにするからだ!!!??」

ラディスの闇は更に巨大化していく!!!

そして見る見るうちにこの建物いっぱいになる。

「くっ!?これはヤバい!!!??」

「はっはっは!!闇よ…コイツら全員……食らうがいい……。はぁーーーーーーっ!!」

闇から巨大な歯が生え揃う!!!

「いくぞ…ダーク…ファン………んん???」

誰もが覚悟を決めたその時!!!

突然ラディスは攻撃を止める。

そして辺りを見渡す。

「なにっ!!??なんだこれは!!??」

「えっ!?どうしたんだアイツ??」

ラディスは辺りをキョロキョロと見回す。

「お前は…闇なんだろ??なら……。」

闇の中から、らいとの声が聞こえてくる。

「らいと!!??」

「ししょー!!??」

そして…闇から光が発生!!

光は広がり続け。

ピカッ!!!ビカピカーーーっという眩いばかりの光!!

そしてバリバリ!!!ドゴーーーーーーンという轟音の雷!!!

「うがぁぁぁーーーーーーーーーーーっ!!」

闇の中から光が発生!!!

光からはなんと…雷を帯び光り輝く、らいとが降りってきたんだ。

「くっ!?ヤツは…神なのか??」

ラディスがそう呟くとらいとはゆっくりと降りてくる。

そして地に足をつける。

目を開けていくらいと。

「貴様…どうやって僕の闇から逃げだしたのかは知らんが…何度でも喰らわせてやる…ダー。」

ラディスがそういった瞬間。

ドゴッ!!!??とラディスの身体を歪ませる!!

「うがっ、!?がはっ!!??」

目にも止まらぬ速さのらいとの拳がラディスの腹部をとらえる!!

「な…なんだ……これは??」

シュンッ!!!と消えるらいと。

そして、フッとラディスの目の前に現れる。

「くっ!!??貴様っ!!??」

ラディスの剣がらいとに襲いかかる!!!

その瞬間!!!

らいとの蹴りがラディスを空中に跳ねあげる!!

「がはっ!!??なんだ…コイツの動きは。」

そして、らいとは落ちてくるラディスに向かい刀を抜き構える。

「さぁ……終わりにするか。」

「くっ!?そうはいかん!!」

ラディスはそう言うと闇ヘと姿を変えていく。

スチャッ…ズバッ!!!!!!

らいとの刀の音は抜かれるとラディスは固まる。

「うぐっ!!??がぁぁぁーーーーっ!!!」

らいとの一閃でラディスの片手はぼとりと床に落ちる。

完全に闇へと姿を変えるラディス。

「ぐっ!?くそっ!くそっ!くそっ!くぞーーーーーーーーーーっ!!!!!」

腕を斬られきれてしまい叫ぶラディス。

「なんとか、免れたが…貴様らは許さん!!」

ラディスは闇から声を上げる。

「お前…このまま仕留めてやる。」

「貴様は確かに強い…まさかここまでこの僕を追い詰めるとは思わなかったよ…。」

「いーや…お前は俺の大切な人達にここまでしてくれたんだ…許すわけねーだろ?」

「許さないのはこの僕だ!!!??貴様!ここまでやってくれるとは…だがこの僕にも切り札っていうものがあるんだ。」

「はぁ?強がりはよせ…お前は終わりだ。」

らいとがそういうもラディスには何かありそうな嫌な微笑みを浮かべる。

「お前は確かに強い…だが……これならお前はこの僕を攻撃出来なくなる…。」

闇はそのまま消えていく。

「ん?消えたのか??」

辺からラディスの気配と殺気は消えていたんだ。

「らいとお兄ちゃん!!」

「らいと君!本当にありがと!」

「流石私のししょーです!もっと大好きになっちゃいました!」

「僕もダンさんもなんとか大丈夫だよ!」

どうやら皆無事でラディスの姿は一先ず消えたらしい。

するとらいとが僕に声をかけてくる。

「みら?もう大丈夫みたいだな!?」

「あ!うん。えっ?」

「どうしたみら??」

らいとの僕を呼ぶ声、そして…僕は意識を失った。

ラディスを退けたかにみえた一行。

だけど…みらいの様子が何かおかしい。

どうなる!?

お読み下さりありがとうございました!


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