第168話ドリームソレイユにて。

僕、ラージ、そしてダンさん三人はラディスが口にしていたドリームソレイユへと向かう。

「みらい君!しかしここからドリームソレイユに行くにはかなりの時間がかかると思うのだがどうやっていくのかね?」

僕も準備を終えようとしてる時ダンさんから声をかけられる。

「あ!ダンさん!僕のね…新しい力が目覚めたみたいでさ。」

「お?それは??」

僕は竜也に転送されて流石に異世界との転移は無理だったけど同じ世界の中なら転送の魔法を使える様になっていたんだ。

「僕、竜也に転送されてから……どうやら僕も転送魔法を使える様になったみたいです!」

「おお!それは心強いな!なるほど!それでドリームソレイユまですぐにでもいけるな!」

「うん!任せてよ!」

「これは…君は本当に凄いな!僕もここから聖騎士の名に恥じぬようこの剣に誓う!」

こうして僕達三人はドリームソレイユへと向かう事となる。

「二人ともいいですか?」

「いいぞ!みらい君!」

「ああ!僕も覚悟は出来ている。」

僕が両手を上に上げる。

すると僕達の頭上に闇の穴が発生する。

「ダークテレポス。」

僕がそう唱えると僕達の身体を闇が包み込む。

やがて視界が暗い闇へと包まれていった。

(みらい君!?みらい君!!??)

徐々に僕の耳に聞こえてくる誰かの声。

(みらい君!)

「ん?んんん………。あれっ??」

ハッと僕は気がつくと起き上がる。

目の前にはダンさん。そしてラージの姿があったんだ。

「あ!二人とも!僕…気を失ってたみたいだ。」

「ああ……だがここは。」

「ドリームソレイユだ!!」

そう!僕達はドリームソレイユへと辿り着く。

「さぁ!ラディスが気になる…いこう!」

ラージのそこ声に僕達は町へと入っていったんだ。

「何も変わってはいないみたい…だね?」

「ああ…だが街の中の雰囲気がどうもおかしい。」

「ダンさんもそう感じてる?」

「ああ。」

ダンさんはそう呟く。

すると僕達はギルドの前に辿り着く。

顔を見合せ僕達はギルドの扉を開く。

中に立ち入る僕達。

中から「いらっしゃい!」

との懐かしき声が聞こえる。

現れたのは。

「シャノワールさんっ!!??」

僕は変わらぬ美しさを漂わせているシャノワールさんの姿に思わずうるっと涙が流れてくる。

「良かった!無事で本当に良かったシャノワールさん!」

「うふふ…相変わらず泣き虫は変わってないわね?みらい君!?」

「シャノワールさんっ!!??」

僕は思わずシャノワールさんに走り寄りそして。

シャノワールさんは僕を抱きしめてくれた。

懐かしい彼女の匂いは少しお酒の匂いとタバコの香り。

そして素敵な香の香りに僕は包まれた。

「はっはっは!相変わらずだな!シャノワール!?」

「ダン!それに貴方は??」

「僕はフォーゼンボルグの魔道協会の聖騎士ラージリアスといいます!」

「へぇ!あの魔道協会の聖騎士なんだ!凄いわね!?」

「うん!それでね!シャノワールさん!」

「あらあら!みらい君も暫く見ないうちにすっかり男っぽくなって素敵になったわね?」

「そうだ!シャノワール!ちょっと聞きたかったのだが??」

ダンさんの言葉にシャノワールさんの顔が少し強ばった気がしたんだ。

「この街で最近おかしな事が起きなかったか??」

「そんな事はないわね!私達はいつもと何一つ変わらない平和な暮らしをしていたわ!」

「そうか…先程街に入った時に妙な違和感を感じたからな!何も無ければ良いのだ。」

「そう?あ!そういえばまだ、飲み物を出してなかったわね?待ってて。」

シャノワールさんの話し方にどこか違和感を感じる僕。

そしてダンさんも何かを感じていたようだ。

するとシャノワールさんは飲み物をもって戻ってくる。

「ああ!ごめんね!初めから用意しておけば良かったわね?私ったら久しぶりにダンさん達が帰ってきてくれたから驚きすぎて。」

僕はこのシャノワールさんにめちゃくちゃ違和感を覚えた。

「そういえば!シャノワールさん!街の人達の姿があまり見かけなかったのだけどいつも静かなんですかね?」

ドリームソレイユに初めて来たであろうラージは質問をする。

「ええ、そうね最近は平和過ぎちゃって街内で喧嘩なんかも多くないし元々ここは平和な街だし静かな街ではあるのよ?さぁ!じゃ、せっかくだからこのお茶最近手に入れたばかりの珍しいお茶よ?飲んでみて!」

シャノワールさんは僕達に入れてきたお茶を差し出す。

「本当に!いい匂いのお茶ですね!」

「本当だ!こんなお茶はフォーゼンボルグでも中々飲めないかも知れないな。」

「シャノワール!これは美味い!」

「そう?まだあるから飲んで。」

僕達はシャノワールさんの入れてくれたお茶を口にする。

そして。

一人の男がシャノワールさんの背後から現れる。

「ククク……いい仕事をしてくれたなシャノワール。」

「……………………。」

シャノワールさんのお茶により眠らされる僕達。

そしてシャノワールさんの背後から現れた男とは。

お読み下さりありがとうございました!


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る