第167話頼もしい仲間たち

レイオール視点

オイラ達の背後から現れる影が突然伸びる。

「誰だ!!??」

「誰!?」

オイラ達は声をかけるがグングン影が伸び目の前に音を立て現れる!!!

ガサガサッ!!!

オイラ達の目の前に現れたのは!!??

ガッフガッフ!!

何とそこには一頭の熊がいたのだ。

「熊??」

「熊……さん?」

(お前達はどうしてこの島にきたのだ??)

オイラの耳に明らかに熊から声が聞こえてくる。

「レイオールさんももしかして聞こえてるの?」

「なにっ?レーミアもこの声が聞こえるのか?」

(驚く事はない…我々は魔力を使える動物マジックアニマル…そうここはそんな我々が密かに住んでいる島なのだ!)

「「えええーーーーーっ!!??」」

(そうか?世界ではそんな事が起こっているのか。)

「ああ!だからオイラ達も世界を救う為にこうして協力者を探しつつ戦おうとな!!」

(なるほど…ならば我々のこの島もじきに沈んでしまうのか…。)

「そうだな…ちなみにオイラの生まれた街もこないだ海に沈んじまった。」

(…ならばここも仕方あるまい……だが。)

オイラと話してる熊は小さいながらもレーミアと嬉しそうに遊んでいるわが子を見ている。

(我々にもこうして子孫もいる…自分の事は置いといても…わが子は守らねば。)

「そうか!なら!オイラ達と一緒に奴らと戦ってはくれないか??」

(ああ…分かった!そういえば…聞いてもいいか?)

すると親クマのところにはしゃぎ抱きつく子グマ。

「ふぅ〜!可愛いよね!子グマちゃん」

ニコリと笑いオイラの隣に座るレーミア。

「そうだな!」

「そういや!クマ!何かオイラ達に聞きたい事あったんだろ??」

(お!?ああ!お前達は…)

「うん?なんだ??」

(まだ子供は作らないのか??)

「えっ!!??」

「えええーーーーーっ!!??」

真っ赤な顔をして叫ぶレーミア。

オイラも思わず焦ってしまう。

「お!オイラ達は!!まだそこまで…なあ?」

「あ!うん!そうそう!私達はそんな関係でも。」

(ははっ!そうなのか?人間というのは中々面倒なものよな。我々はこいつ!と思ったらすぐ子を作る、そして子孫を残し次の代、そのまた次の代へと子孫を残し種を存続させるのだ。)

「ま、まあ、、、に、人間は、色々あるんだよ!」

「そうそう!色々あるんですっ!!」

(そうなのか?まあいい……ん??)

オイラ達がそんな話をしているとさっきまでいたハズの子グマの姿がそこにはなくなっていた。

「えっ!?」

「そこに居たはずなのに!!」

するとバサバサッと飛びあがる何者かの姿!!

「なにっ!?」

オイラ達が見上げる先に見える子グマを咥えた巨大な鳥の姿!!??

「なんだ奴は!!??」

(あれは……。)

「知ってるの!?」

レーミアの声に口を開く親クマ。

(ああ…この島の一番の高い大木を寝ぐらにして島の見張り屋とも言われる怪鳥だ。)

「そんな!そんな見張り屋なのにどうしてこんな事を。」

(こないだの事…怪鳥の雛を我々も確認したのだが…。何かいつもと違い雛の姿がなかった。もしかしたら何かあったのかもしれない。)

親クマはそういうと怪鳥の巣を眺める。

その表情は人とは違い分かりづらいが。

「よし!オイラが行ってみてきてやる!」

(えっ!?お前!!??)

「レイオールさん!大丈夫なの??」

「ああ!こいつの悲しそうな顔をオイラが変えてやる!!」

「レイオールさん。」

レーミア視点

「よし!行ってくる!!」

レイオールさんはそういうと構える。

レイオールさんを見てる私。

彼を見てるとドキドキが止まらない。

これって何??

そんな事を考えてる私。

「いっくぜぇぇえええ!!!」

ちゃぽん…ドシューーーーーーーーっ!!!

自分の身体を水に変え身体事噴射する彼。

たちまち彼は巣に辿り着く。

レイオール視点

オイラはたちまち巣へと辿り着き巣へと降り立つ。

「お?これは!!??」

オイラの目に映ったのは数羽の弱った雛の姿と守るようにして庇う怪鳥の姿。

「ぐえええーーーーーっ!?」

ガツッ!!!

「くっ!!??」

オイラに突然噛み付いてくる怪鳥!!

左肩に激しい痛みを感じ指先からは血が滴る。

「大丈夫だ!オイラがなんとかしてやる。」

怪鳥の嘴の力は弱っていく。

ちゃぽん。

「お!これは…。」

「おーーーーーい!レーミア!!」

しゅーーーーーーーーーーーーーーっ!!

「えっ!!??」

ちゃぽん。スタッ。

「レイオールさん!!??」

ムギュ。

オイラの胸に飛び込んでくるレーミア。

「もう大丈夫だ!ほら。」

「えっ!!??」

オイラは子グマを親クマに返す。

戻っていく子グマ、そして親クマも嬉しそうな顔をしている。

「上を見てみな!」

「えっ!?」

オイラ達が上を見ると親鳥と雛が飛び立つ光景が見える。

「おおっ!やったな!あいつ!」

「何があったの?」

「ああ!雛達がどうやら毒の何かを食ってしまって弱っててさ!オイラが解毒をしたらたちまち回復してさ!」

「そうだったのね?良かった!」

「それにさ!ほら。」

オイラはレーミアの手に笛を手渡す。

「あっ!?笛。」

するとオイラ達に声をかけてくる親クマ。

(君たち!本当にありがとう!)

「いや!良いってことよ!」

(我々もこの世界の危機の為の戦う力として微力ではあるが力を貸そう。)

「えっ!?でも戦いは。」

(獣人化!!!)

親クマはムクムクと人化していく。

ゴツイクマの獣人へと変わる。

「これなら兵として助力できるだろう。」

「でもお気持ちは嬉しいのですが…一人では……。」

「はっはっは!心配はいらんよ!」

「「えっ!?」」

オイラ達の目の前には獣人達の勇姿が森から揃ってくる姿が見えたんだ。

レイオールとレーミアは仲間を得る。

これできっと世界を守る。

そう心に勇気が湧いてくるレイオールだった。

お読み下さりありがとうございました!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る