第162話みらい帰還

僕が気がつくと。

そこはベットの上だった。

「あれ?ここは…。」

辺りを見回すとそこはどこかの宿屋だろうか?

すると誰かの声が聞こえてくる。

「お?起きたか?みら?」

この声はらいと!?

僕は起き上がると全身に痛みが走る。

「いてて!!」

「おい!大丈夫か!?」

「あ!うん!大丈夫だよらいと!」

「そっか…おーい!飛鳥ーーー!みらが起きたぞ!?」

「えっ!?本当ですか!?今行きまーす!!」

トントンと階段を駆け上がってくる飛鳥ちゃんの声。

扉が開き彼女が入ってくる。

「あ!みらいさん!良かったーーー!」

「飛鳥ちゃんも心配かけてごめんね!」

「いえ!いいんですよ!それよりみらいさんはどこに行ってたんですか?」

「えっ!?」

僕はそう問いかけるとらいとが口を開く。

「みら!俺達が戦ってる時…お前…奴、竜也に捕まってたんだな?」

「えっ!?どうしてそれを?」

すると階段を上がってきたのはダンさんとサイリスさんの姿だった。

そして後ろから。

「あ!僕もいるよ!」

「あ!ダンさんにサイリスさんにラージさん!」

「実はなみらい君。」

ダンさんは続ける。

「私達全員みらい君が捕まっている映像を目にしていたのだ…そして皆戦い勝つと…不思議な事にここフォーゼンボルグに転送されたみたいなのだ。」

「そうだったんですね…でも…僕は皆が戦ってる時何も出来なかった…あの竜也にも…しかも!!レイオールとレーミアちゃんは!!!」

僕が叫ぶとラージが僕の肩に手を添える。

「みらい君!実は皆の戦いはここにいる皆見えていたんだよ!」

「えっ!?そうだったの?」

「ああ!不思議な事に…だからあの時レイオールとレーミア、ベレッタさんの戦いも僕達にも見えていたんだよ。」

僕はそんなラージの声にどうしようも無い申し訳ない感情が湧いてくる。

「そっか…君は優しいなみらい君!」

ラージのその声に顔を上げる事も出来なかった。

僕は…僕は救えなかったんだ。

「ラージさん!僕を責めてください!僕は貴方の大切な妹まで救えなかったんだ!!!」

僕の頭を撫でてくるラージさん。

「ここにいる全員がみらい君の優しさを知ってるよ!だから気に病むことはないよ。」

僕は涙を浮かべながら顔を上げる。

「そんなうるうるした目で見なくて大丈夫だよ!」

「うううぅぅ…優しいです!ラージさん!!」

「よしよし!」

ラージさんの優しさに涙が溢れる。

すると僕をらいとが呼ぶ。

「みら!?」

「えっ!?なにさ??」

「あのさ!一応言い難い事行ってもいいか?」

「だからなんだよらいと!?」

「レイオールとレーミアなんだけどな?」

「うん!だからなにさ!!??」

するとらいとは大声を上げる。

「おーい!!レイオール!レーミア!」

「ん?????」

ダダダと階段を駆け上がってくる足音。

そのまま僕に飛びついてくるレイオール!!

「えっ!?えええっ!!??」

「みらい!!こいつ!!やっと帰ってきたんだな??オイラ心配したぞ!?」

「えっーーーーーーーーっ!!????」

僕は今日一叫んだのだった。

「うぃーーーっ!やっぱり生きてるっていいなぁ!」

「ちょっと!飲み過ぎです!ベレッタさん!」

「良かった!皆無事で本当に良かったよ!」

「まあな!でも街は飲まれちまったけど皆生きてるしな!」

「そういや…レイオール達はどうやって生き残れたのさ??」

「ん?ああ…オイラ実は…レーミアのお陰で。」

「ん??」

僕がそう問いかけるとレイオールの身体からちゃぽんっと音がしたんだ。

「えっ?どういうこと??」

「こーいう事さ!『水解』」

バァァァッ!!

瞬時にレイオールの身体は水と化し床を濡らしてしまったんだ!!

「えええーーーーっ!?」

「ほいっ!!」

ずさーーーーーーっ!!

レイオールは一声で身体を元に戻したのだ。

「うわっ!?凄いよレイオール!!」

「そう!レーミアのお陰でオイラは進化して皆を救えたって事さ!」

「そっかぁ!なるほどね!」

「そうだぞみら!俺達はここへ来てまた成長出来たんだ!」

らいとはニコリと笑顔を向けてくれる。

「そうだね!皆!僕、あの時…。」

「おう!俺も見てたぞ!みら!あの竜也をボコボコにしてたよな!やるぜ!」

「本当に!凄かったですよ!みらいさん!」

「えええーーーっ!?オイラも活躍したでしょ?レーミアちゃん!?」

レーミアの言葉にレイオールが突っ込む。

「レイオールはレーミアちゃんに弱いみたいね!」

「そこ突っ込まなくても。」

サイリスさんの言葉にもラージさんも呆れてる。

「あはは!皆!僕!めちゃくちゃ嬉しいよ!」

「みらい君!ここからは私達の奴らへの逆襲劇といこうか!?」

「はい!ダンさん!そして皆も!これからもよろしく!!」

「「おう!!!」」

「「はいっ!!!」」

そう、僕にはこんなに素敵な仲間達がいるんだ!

そしてここから僕達が魔幻獣十二魔人…竜也を倒すんだ!!

仲間の元に帰ってきたみらい!

竜也を倒すんだ!!

お読み下さりありがとうございました!


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