第161話みらいの行く末
僕は竜也との戦いからなんと現実世界に転送されていた。
「これって一体どういう事なんだ?」
僕は驚くも母さんの声にやはりこれは現実かと考えてしまう。
今までの事は夢だったのかな…。
「ほら!みらい!聞いてるの??」
「あ…うん……。」
僕は我に返ると学校への準備を始める。
◇
◇
◇
普段通りに学校へと向かいだした僕。
あの時と何も変わらないこの風景。
しかもここでは僕の友人と呼べる人はらいとだけ。
らいとはこっちの世界にいるのかな?
僕は学校へと急ぐ。
辿り着いた僕は教室へとつくと自分の席へと向かう。
僕の右隣りがらいとの席なのだ。
僕が確認するとそこには…。
らいと…ではない誰かが座っている。
「らいと…じゃなかった…じゃあらいとは?」
僕が待つと先生が入ってくる。
そして点呼がとられる。
「南雲…南雲みらい!!」
「は、はい!!」
その後…僕の後にも呼ばれたクラスメイトの中にらいとの名前は呼ばれなかったんだ。
◇
◇
◇
普段通り授業が終わり…何ら変わらない時を過ごした僕。
これが本来の姿。
放課後になると…僕はそれまで通り一人図書室へと向かう。
この時間になると僕には特等席のスペースがあった。
僕はそこに座るといつも通り一冊のノートを広げる。
これ…この話は…タイトルは『ユメカナッ!!』
そう…僕のノートには僕が書いていた物語が書き記されている。
僕は初めから読んでみる。
「えっと…まずは僕とらいとが異世界転移して……。」
僕とらいとは異世界転移してしまう。
そして右も左も分からないところをダンさんに助けられて。
僕達は恵まれていたとはいえたんだ。
いい人達に出会ってその人達を守りたくて僕も初めは怖かったけど必死に戦って。
パラパラとめくっていくページには僕が出会ってきた人達。
そして仲間達と一緒に戦ってきた事が記されていたんだ。
「あ!すずねちゃんも笑顔見れて良かったな。」
一緒に仲間達と笑いあったり泣いたり怒ったり。
僕ってこんなに感情豊かになるんだなって心から思っていたんだ。
僕は次のページを。
自分の頑張って来た事が記されているこの話を読む。
楽しい…楽しいよ僕の『ユメカナッ!!』
僕は我に返ると頬に温かい涙が流れていた。
「あれっ??なんかおかしいな。」
涙を拭う。
そして開かれていたページを見ると。
僕が元の世界に転送されていた所で話は止まっている。
◇
◇
◇
僕は、まだ戻らなきゃ!!
らいとは?
ダンさんにサイリスさん。
レイオールはどうなってしまったんだ!?
確かに行ったばかりの時はらいとと一緒だったとはいえ怖かった。
僕は戦いなんて。
らいとと違って喧嘩もした事ない僕が異世界に行ったところで。
だから僕は平和に暮らしたかっただけなんだよな…。
それが戦いにも少しづつ巻き込まれて、確かに痛かったし怖かったし…仲間がやられたり。傷つけられたりして辛い事も沢山あったよ。
でもね。
らいと初め、、、僕には仲間がいたんだ!!
「皆……!!!」
「皆ーーーーーーーっ!!???」
「僕はまだ…終わってないぞーーーー!!!」
その時……僕は。
◇
◇
◇
僕の仲間達は強くて、いつも優しくて。
凄く凄く素敵な仲間達だったんだ。
僕は皆と一緒に。
この世界を平和な世界にしなきゃ!!
すると…僕の耳に誰かの声が聞こえてくる。
(みらいよ……聞こえるか?)
(誰??)
(我は君達をこちらの世界に転移させた者。)
(我とは一度君が会いに来てくれたのだぞ。)
(えっと…あ!せ、世界樹さん??)
(おお…我を覚えていたか。)
(前は、わが世界の破滅を救ってもらおうと呼んだのだが…この力にも限度というものもどうやらあるかも知れなくてな。)
(えっと…それは。)
(ああ…一度呼べた君だが二度目は無事に呼べるかどうか。)
(でも!もうそれしか僕がそっちに帰る方法はないのでは??)
(そうだ…だが…いいのか!?君は我世界をほおっておいても無事に暮らせるのだぞ??)
僕はその言葉に考える。
僕はそう、自分が生まれたこの世界で、こうして普段通りの生活をしていれば何も変わらず安全に生きていける。
無理なんてしなくても平和に生きていけるんだ。
だけど………。
だけど僕は……………!!!
仲間達の笑顔が僕の目に映った。
皆……皆ぁぁぁーーーっ!!
僕の中の何かが弾けた気がした。
すると僕の中から力が溢れ出す。
(えっ!?これって!?)
「皆!!帰るよ!!待ってて!!」
ボウッ!!!!!
僕の中から湧き出す闇は僕を包み込む。
僕の消えた事によりその場に風が巻き起こる。
ひゅーーーーーっ。
パラパラと僕のノートはページを開く。
そして…書き記された言葉。
僕は気がつくとそこは。
◇
◇
◇
みらいは異世界へと帰れたのか!?
お読み下さりありがとうございました。
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