第158話偽マリオン様

レイオール視点。

オイラを襲ってきたマリオン様。

だがこのマリオン様とは。

オイラの目の前に立つマリオン様。

本当のマリオン様ではない。

「おい!お前!?マリオン様の皮を被ってるようだけどオイラはもうお前をゆるさねーからな!!」

「クク…それはそれは。先程はこのマリオンに何も出来ずに毒をうけたではないか?」

「あれはお前が騙してただけだろ?」

「そうですかね?まあこれはこれで万が一を考えての私の行動でしたがね?」

「なにっ!?どういう事だ!?」

男はそういうと空間に何かを投げつける。

するとカチコチになっていく辺りの海。

「氷か!!??」

オイラの声に見る見るうちに辺り一体が氷漬けになる。

「ククク…私はね…この身体を手に入れるまでじっと待っていたんだよ?」

「は?お前何言ってんだ??」

オイラは男の言ってることに頭が混乱してきそうだった。

「いいか?この身体はこの海を鎮める為の人柱だった事は弟子のお前なら知ってるよな?」

「……………………」

「遥か昔…俺はこの海を支配していたのだ。」

俺はこの海に海の覇者と呼ばれる一匹のサメだったんだ。

漁に出る者、海を楽しむ者、そして海を愛する者を俺は次々と襲い覇者として君臨し続けてきたのだ。

ところがある時。

奴は俺の前にどこからともなく現れた。

そいつの名は水の魔導師マリオン。

マリオンはこの海の覇者を事もあろうに戦いを挑んできたのだ。

奴はその魔力を生かしそして人間でありながら俺と互角いやそれ以上の力を持っていたのだ。

そして俺はマリオンとの死闘を繰り広げる。

海は荒れ狂い世界もその荒れ果てた海を見て天変地異とみなし恐れおののいたのだ。

マリオンとの戦いはほぼ互角と言える戦いではあったのだ。

海の中でも水を自在に操れる奴は強く。

そして俺様に遂にこの世とお別れをするその瞬間が訪れる。

「くっ!?お前!人間の分際で中々やるではないか!?」

「ふっ!ほざけ!!これまでのお前の罪にここで終止符を打ってやる!!!」

すると奴はこの海にとんでもない魔法をかけやがったんだ。

どごーーーーーーーーーーーんんんんん!!!

そうそれは水蒸気爆発。

そしてこの俺を倒すには十分すぎるほどの威力。

俺の巨大な身体は爆発によりバラバラになってしまい。

そして俺は文字通り。

海のもずくとなってしまったのだ。

魂だけになった俺はある事が未練となりいつの間にか俺は魂だけの存在と化したのだ。

俺は呪った。

力足りず及ばなかった力なき自分を。

俺は呪った。

俺が人間の身体を持っていたら陸上でもアイツを倒す事ができるのに。

そして俺は呪った。

奴を倒せなかった事を。

そして俺は。

海を漂った俺は偶然にも人柱であった男の傍に流れ着いていた。

いつしかその人柱から膨大な魔力が尽きていた。

ただただこの世界を恨んだ俺はいつしかその男の身体を奪う事を可能としたのだ。

俺の魂はその人柱と同化しそしていつしかこうしてこの身体をも自在に使えるようになっていたのだ。

そして俺の身体はついに完全に同化した。

世界ではどうやらこの男マリオンが完全にこの身が朽ち果てた。と発表される。

「だからな。俺様は今ようやくこの人間の身体というものを手に入れそして同時に大いなる魔力も手に入れたのだ!!いくぞ!!お前を倒し俺様は人として返り咲くのだ!!」

マリオン様の身体を手に入れたというこの怪物相手にオイラは負ける訳にはいかない!!

「はぁぁぁーーーーーっ!!!!!」

オイラは力を溜めると不思議な感覚に気がつく。

「あれは??」

「凄いなレイオール君…」

「えっ??どういう事ですか?ベレッタさん?」

レーミアがそう問いかけるとベレッタは答える。

「あれは…レーミアの愛の力かもな?」

「ええっ??どういう事ですか??」

「彼は一度死んだ事により…彼の中に眠っていた力を解放させる事が出来たのかもしれんな。」

「それってどういう………。」

「いいから見てるんだレーミア…お前が生命を新たに吹き込んだ彼の力を。」

オイラの身体の中から以前とは比べ物にならない程の魔力が溢れてきていたんだ。

「おおっ!!??これは凄いぞ!!オイラ…」

「何が凄いだと…訳の分からん事を言うんじゃない…貴様はまたこのマリオンの力によって…死ぬんだ!!はぁぁぁっ。」

マリオン様が構えると背後の海から波立ってくる。

「アイツを捉えよ!!『ウォータースプラッシュ』!!!」

波はザバーーーーーッと大きく打ち上がる!!

オイラを飲み込むかのような波。

すると波から水の散弾銃の弾がオイラめがけ放たれる!!!

ズガガガーーーーーーーーーーっ!!!!!

オイラに迫る水の散弾!!!!!

「「レイオール!!??」」

「レイオールさんっ!!!!!」

皆とそして…レーミアの声。

「はぁぁぁーーーーーっ!!!」

新たな力を解放出来たかもしれないレイオール。

レイオールを襲うマリオンの攻撃に果たしてどうなる!?

お読み下さりありがとうございました!

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