第157話レイオールの窮地
マリオン様から飲まされた何かによりレイオールは。
レーミア視点
「「レイオーーーーール!!??」」
レイオールさんは偽物のマリオン様に何かを飲まされてそして。
レイオールさんに声をかける両親!!
ベレッタさんはレイオールさんの心臓マッサージを始める。
いつの間にかそこには先程までいたマリオン様の姿はなく私はただただどうしたらいいのか分からなくなっていた。
力無くへたりとその場に座り込む私。
すると心臓マッサージをしていたベレッタさんの声に気づいたの。
「レーミア!?手伝うんだ!!!」
「は!はいっ!!??」
慌てながらも私もレイオールさんの側に座ると癒しの魔法を唱えてみようとする。
「ダメだ!!ヒールやハイヒールなら私も試した。そう…もうヒールでは遅いんだ!?この意味が分かるか?レーミア!?」
ヒール…回復魔法が遅いって事は。
もしかして。
「レーミア…この世界にも確かに生命復活の魔法というものも確かに存在はする…だがもう彼には生命エネルギーまであの敵に既に吸い取られ尽くしていたようだ…」
ベレッタさんのその説明は私に絶望感を与えたの。
「そんな………レイオールさんがそんな!?」
「今一度復活させるにはまた心臓を動かすしかないのだ!?薬の毒を飲んでこうなったとしても解毒も生き返ってからでないと効果はない!!」
「えっ!?そんな!?じゃあどうしたら!?」
ベレッタさんは私の顔を見つめ一言。
「レイオールの口から生命エネルギーを送るんだ。彼を助けたくば。」
真剣な表情のベレッタさん。
そうだ。
私も。
これまでもどこか最後には自分の思いや何かを言えずに諦めてきた人生。
お兄ちゃんが捕まってしまった時も。
いざって時には。
いつの間にかサイリスさんや他の仲間達頼りで。
今ここでレイオールさんを救える可能性があるのは私だけなんだ。
お父さんの大声でレイオールさんを呼ぶ声。
お母さんの涙でぐちゃぐちゃになり泣き崩れる姿。
そして、必死に魔法を駆使しているベレッタさん。
ここに。
ここにレイオールさんを助けたくない人なんていないんだ!!!
私は決心するとレイオールさんの横に膝まづく。
彼はもしかしたらさっきの戦いで私を逃す為に動いていてくれたのかも知れない。
さっきの敵が恐ろしく。
もしかしたら勝てないかも知れないから私を逃がす為に。
そう。考える私に勇気が湧いてくる。
レイオールさん…。
ちゅ………すぅ〜〜〜〜〜。
私は唇を彼の唇に重ねると息…そう生命エネルギーを送り込み始める。
(レイオール………さん。)
すぅ〜〜〜〜〜ふぅ~~~~~。
隣りではベレッタさんが心臓に魔法をかけている。
「いいぞ!レーミア!続けるんだ!!」
ベレッタさんが私に続けるよう叫ぶ。
(レイオールさん!息を吹き返して!!。)
ちゅ…ふぅ〜〜〜〜〜〜〜っ。
(お願い!!!レイオールさんっ!!)
ピクッ!!
その時。
レイオールさんの身体がピクンと震える。
「息はどうだ。?」
「確認します!」
私はレイオールさんの息を確認する。
微かに息が漏れた気がする。
「もう一度!!」
ベレッタさんのその声に私はもう一度。
すぅ~~~~~~っ。
ちゅ。
その時。
なんと!レイオールさんの目は見開き私を見ている。
「えっ!?」
「はっ???」
私は驚きレイオールさんから離れる。
「はぁっはぁっはぁっ!!くっ!!??」
レイオールさんは息を吹き返したものの。
きっと毒がまだ消えていないのであろう。
胸を抑え苦しむ。
「よし!これから解毒ができる。」
ベレッタさんはレイオールさんの身体に光を与えていく。
「はぁーーーっ。精霊達よ…この者の身体に残る毒を消し去ってくれ。『キュアヒール』」
するとレイオールさんの身体のどす黒さは見る見るうちに回復していく。
「お?おおーーーっ!!すげぇな!二人とも!」
レイオールさんはすっかり体力ともに回復したみたい。
「良かった。」
私は気が抜けると身体から力が抜けその場にへたりこんでしまう。
「ありがと!レーミア!えっと…その……。」
「えっ!?あっ!?いえ。」
私もレイオールさんとの事を思い出しつい照れてしまう。
するとどこからとも無く何者かの声が聞こえてくる。
「クックック……へえ…生き返ったんだねぇ君??」
「誰だ!?」
レイオールさんがそう叫ぶとザバーーーーーッと海の中から現れたのは先程のマリオン様。
いや。
マリオン様の皮を被った何者かの姿だったの。
「ここは私が!!」
私が前に出ようとしたその時。
レイオールさんは私ににこりと笑顔をくれて。
勇ましい姿で敵の前に立ち尽くしたのだった。
◇
◇
◇
復活したレイオール。
この謎の男の正体とは!?
そして戦いの行方は如何に!?
お読み下さりありがとうございました!
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